【23卒】面接官が教える「サントリー」の面接対策

酒類メーカーで最大手のサントリーに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。応募者は事前にどのような面接の対策をしたらよいのでしょうか?
(サントリーの社名はサントリーホールディングス株式会社ですが、本ブログでは略して「サントリー」と呼ぶこととします。)
サントリーに入社を希望する人がぜひとも知っておきたい面接に関しての情報や、ノウハウというものがあります。
例えばサントリーの面接では、求める人材をよく理解して、自己PRにおいて特に行動力と課題解決力をアピールすることが大切です。
技術系で応募の場合、研究内容を的確に説明できることが求められます。
面接官には、明るさと元気さが感じられる態度を示してください。
一方、面接で志望動機を語るためには競合他社と比べてなぜサントリーなのか答えられなくてはいけません。
サントリーで何をやりたいかも明確に伝えてください。
これら以外にもサントリーの面接を受けるにあたって大切なポイントがあります。
本ブログでは、面接官である筆者が、サントリーの採用情報とともに、面接で必ず訊かれる自己PRや志望動機の受け答えなどについてその対策を解説していきます。
さらに面接に臨むうえで必要な知識として、サントリーとはどのような会社なのかについての情報を載せています。
面接対策は、自己分析や企業研究の段階から既にはじまっています。
分析した結果を基にエントリーシートを作成し、一貫性をもたせて面接に繋げる必要があります。
就活中の学生は、本ブログを読むことで自己分析・企業研究の段階からスムーズに選考・面接対策ができるようになります。
サントリーの求める人材
サントリーはどのような人材を求めているのでしょうか。
面接では求める人材を知っておくことが自己PRをするうえで必要です。
サントリーが求める人材はどのような人でしょうか?
サントリーグループの理念体系にある「わたしたちの価値観」には、「やってみなはれ」というチャレンジ精神が明記されています。
「サントリーグループの歴史をつくってきたのは、常に果敢なチャレンジ精神でした。誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する。失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける。新しい市場創造も、新たな価値提供も、そんな情熱から生まれました。・・・」
これをまとめると、次のような人材を求めていると考えられます。
- 誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する人
- 失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける人
面接において自己PRを話すとき、求める人材像を知っておくことは大切ですから、覚えておくと良いでしょう。
サントリーの新卒採用情報について【就活】
はじめにサントリーの新卒採用情報について、その概要を以下に記します。
サントリーホールディングスとサントリー食品インターナショナルはサントリーグループとして合同で採用を実施します。
- 募集部門
サントリーは部門別募集を行っています。
Ⅰは、ビジネス部門、財経部門、デジタルテクノロジー部門です。
Ⅱは、生産研究部門1、生産研究部門2です。
【Ⅰ】
ビジネス部門は、A日程とB日程があり、国内外マーケティング、国内外専門スタッフ、国内酒類営業、国内食品営業です。
財経部門は、国内外財務、経理です。若干名の採用です。
デジタルテクノロジー部門は、デジタルマーケティング、ITコンサル、営業推進です。
【Ⅱ】
生産研究部門は、基礎研究、商品開発、技術開発を行います。
基盤研究は、健康素材や微生物、植物バイオ研究、水に関する研究、環境緑化などがあります。
商品開発は、新規包材開発、新規販売機材の技術開発、新規商品の中核プロセス技術開発などがあります。
技術開発は、食品、酒類、健康食品・化粧品などの開発があります。
- 選考プロセス
WEBプレエントリー→ES受付→社員座談会、書類選考→筆記試験→面接(複数回)→内々定
- エントリーシート(22年卒)
自己PRに関すること
- あなたらしい写真をアップロードし、その写真を選んだ理由を教えてください。(100字以内)」
- 研究概要(A4 1ページ 200字以内)(生産研究部門)
- ゼミ・研究の内容についてご記入ください。(テーマ15字以内、内容30字以内)(ビジネス部門)
- 学生時代に力を入れた活動についてご記入ください。例:クラブ・留学・アルバイト・ゼミ等 高校(高校生・30字以内、大学生・100字以内)
- 今までの人生における『挑戦』または『創造』の経験について※フォーマットはご自由にお使いください。写真、グラフ、イラスト等なんでも利用いただいて結構です。(A4用紙1枚)
- これまでの人生で最大限に頭と体を使ったエピソードを教えてください。(400字以内)
- データ分析や統計解析、ITなどを活用して課題解決をした経験、またはそれらを行ううえで、あなたのいかせる強みをご記入ください。(300字以内)(デジタルテクノロジー部門)
志望動機に関すること
- サントリーの○○部門で具体的にやってみたい仕事とその理由を書いてください。(300字以内)
- 面接
面接では、エントリーシートの深堀りを行い、総合的な人物評価がなされます。学生時代に力を入れたことと、技術系では研究内容の深掘りがあります。
面接で選考するポイントは、「これまでの人生において挑戦したこと、または創造したこと」と、志望理由からその個性がサントリーにマッチするかどうか」です。
自己PRに関すること
- 幼少期から大学までどのような人間でしたか
- なぜその大学と学部を選びましたか
- 学生時代に力を入れてやってきたことを説明してください(なぜそれを始めたか、何が特に大変だったか、どのように乗り越えたか)
- 研究内容の説明をしてください(研究の背景、研究結果、学んだこと)
- リーダーシップを発揮したエピソードはありますか
- チームの想いを汲んで行動したエピソードはありますか
- 挫折経験はありますか
- 自分はどのような人間か、強みと弱み、弱みの原因とそれを克服するために何をしているか教えてください
- 周りからどのような人と言われますか
- 今後どのような人になりたいですか
- 尊敬している人は誰ですか
- 嫌いな人はどのような人ですか
- お酒は好きですか
志望動機に関すること
- 就活の軸は何ですか
- なぜサントリーを志望しますか
- サントリーが同業他社と違うところは何だと思いますか
- 応募する部門で活かせる強みは何ですか
- サントリーでやってみたい仕事とその理由を教えてください
- キャリアプランとこれまでの挑戦とのつながりは何ですか
- 最近気になったサントリーの商品は何ですか
- 転勤は可能ですか
- 就職活動の状況、他社の選考状況、サントリーの志望順位を教えてください
- 採用人数
19年度入社実績 159名(ビジネス部門133名 生産研究部門26名)
20年度入社実績 153名(ビジネス部門129名 生産研究部門24名)
21年度入社実績 112名(ビジネス部門 87名 生産研究部門25名)
22年度採用計画 130~150名(ビジネス部門100~120名 生産研究部門30名)
- 21年新卒入社大学別就職者数
国公立大:
東京大7、京都大6、北海道大4、東北大1、名古屋大1、大阪大8、九州大3、一橋大2、筑波大1、千葉大1、電通大1、横浜国大1、神戸大3、他
私立大:
早稲田大16、慶応大1、上智大2、明治大5、青山学院大4、立教大4、中央大2、日本女子大1、同志社大6、立命館大5、関西大1、関西学院大4、他
以上は大学院修了者を含みます。
※サンデー毎日(2021年9月5日号)参照
- 学歴フィルター
サントリーは難関国立大学や難関私立大学を中心に採用しています。
型にはまらない個性あふれる人材を求めていますので、自分がそのような性格ならチャレンジしてみたら良いと考えます。
面接攻略の考え方【就活】
面接では自己PRと志望動機を必ず訊かれます。よってそれらの答えをあらかじめ準備する必要があります。以下の自己PRと志望動機のヒントを参考にしてください。
- 面接時の自己PRのヒント
■行動力と課題解決力を自分の中で探してアピールする
サントリーは、基本的には、特に行動力と課題解決力を求めていると考えられます。
上記の求める人材にあるようにサントリーは、「誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する」「失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける」人を求めています。
ここで、「誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する」は、課題解決力を表しています。
また、「失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける」は、行動力を表しています。
面接では自分は○○のような創意工夫のできる人間であることをアピールしましょう。
すなわち、課題を発見し、既存の発想にとらわれず新しい解決法を考えて、解決のための企画をし、実現のために粘り強く周囲に働きかける人というアピールです。
面接では、学生時代において最も力を入れて取り組んだことと、なぜ取り組んだのかその理由とともに、内容と成果を説明してください。
さらに、実行したときに困難だったこと、困難を乗り越えるために工夫したこと、取り組みにより自分が身につけたことや、反省したことを探し出して、語ってください。
但し、サントリーは採用するすべての人に行動力と課題解決力を求めているわけではありません。
自分の最も伝えたい能力が他にあるなら面接でそれを上手に説明してください。
■技術系応募者は研究内容を語る
技術系応募者は、「生産研究」部門へ応募することと思います。
「生産研究」では、後述するサントリーの事業戦略を推進する上で、解決すべき課題が山積しています。
面接では、研究をした理由、困難だったこと、それをどう乗り越え、どのような研究成果を出したかを説明できるようにしてください。
そして、生産研究部門において、十分対応できる能力、スキルがあることを、自分の研究内容から探し出して話せるようにしてください。
もちろん直接そのような研究、勉強をやってこない人もいると思いますが、その場合は潜在的な能力面をアピールすることです。
■世界中どこででも働く覚悟を伝える
サントリーはグローバルトップを目指して今後ますます世界展開を進めようとしている会社です。米国や欧州のような先進国のみならず、アジアまで市場は広がっていきます。
面接では、事務系、技術系応募者に限らず、世界のどこへでも行って働く覚悟も伝えてください。
■明るさと元気さを醸し出す
サントリーは体育会系と言われますが、特にビジネス部門で働く社員にはその傾向が強いと考えられます。
これは、飲料、酒類では、販売店、飲食店に対する地道な営業努力が求められるからではないかと思います。
どのような困難にもくじけない明るさと元気さは大切な資質です。面接では声の調子や立ち振る舞いに気をつけて、明るさと元気さが伝わるような態度を見せてください。
- 面接時に志望動機を語るヒント
■就活の軸は何か明確に伝える
就活の軸とは「仕事を選ぶときの基準(こだわり)」です。
自分がなぜ、その仕事をやりたいかについての明確な基準(こだわり)ということです。
サントリーや、その他の応募する会社を選んだ基準について共通するものを探し出してください。
たとえば、「研究分野を活かせる仕事」というようなものです。
その基準(こだわり)を面接官が納得できるように説明できることが大切です。
■なぜサントリーを選ぶのか明確に伝える
サントリーの企業理念や事業内容などから感じたことをまとめてください。
そのなかで、自分が共感できることが、サントリーを選んだ志望動機となります。
また、サントリーと競合他社のホームページをしっかり読んでその違いを知っておく必要があります。
サントリーを志望する応募者は、飲料・酒類メーカーに興味を持っている人とか、CM等で飲料・酒類メーカーに親近感を感じている人が多いのではないでしょうか?
よってサントリー以外にもキリン、アサヒ、サッポロなど飲料・酒類メーカーと並行して応募することと思われます。
仮にサントリーが第一志望でなくても、競合他社と比較しなぜサントリーなのかを、質問されたときに、しっかり答えられなくてはなりません。
この場合、サントリーや他の飲料・酒類メーカーの商品を購入し、サントリーと他メーカーの商品を比較し、味や、ビン・缶のデザインなどの違いを知っておくことも有効です。
また、飲料・酒類の販売店を訪問し、スタッフにサントリーについて質問してください。
キリンやアサヒとの違いはなにかを聞いたりするのもいいですね。特にビールの主力商品であるプレミアムモルツと他社のプレミアムビールの違いは知っておいてください。
■「文化・社会・福祉活動」や「環境活動」を知っておく
サントリーは、商品を売るという本来の活動以外にも「文化・社会・福祉活動」や「環境活動」にも熱心な会社です。これは、後述するサントリーグループの理念体系にある「わたしたちの価値観」の「利益三分主義」から行っている活動と思われます。
これら活動は、サントリーのイメージアップにもつながる大切な活動と位置づけられていると考えられます。ぜひ、内容を理解しておいてください。
面接における志望動機にも使えそうです。
■なぜその部門を選んだか、そこで何をやりたいかを明確に伝える
サントリーは技術系、事務系とも部門別採用です。いわば入社時にどのような仕事をするか決める形の採用です。
面接では、その部門を選んだ理由とそこでやりたいことをしっかりと説明できなければなりません。
「希望する部門とそこでどのような仕事をしたいか」「なぜ希望するのか」「希望する部門で働くために自分はどのような能力、スキルを持っているか」「希望する仕事に就けない場合はどうするか?」について志望動機のなかで答えられるようにしてください。
■他社の応募状況とサントリーの志望順位を答えられるようにする
志望順位については、迷わず第一志望ですと答えましょう。
他社の応募状況を聞かれたら、食品・飲料業界志望と答えてください。他社名を教えてほしいと聞かれたら、大手食品・飲料メーカーに応募中ならそれを答えてください。
それ以外なら「〇〇業界にも興味があり応募しています」くらいは答えてもいいです。この場合まったくの異業種であり、なぜそうなのか答えられるようにしてください。
以上、サントリーの採用状況と面接攻略の考え方を説明しました。特に面接は複数回行われ、自己PRと志望動機に関する様々な質問がなされることが予想されます。
また、さらに面接対策を完全にしたい就活生のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアル「ベテラン面接官が教えるとっておきの就活面接必勝法」の販売も行っています。
本マニュアルの方法で自己分析を進めることで、ライバルから一歩抜け出した自己PRと志望動機を作成できます。詳細については、マニュアルのページをご覧ください。
面接を攻略するために知っておきたい基本的な知識【就活】
面接を攻略するためには、まずは食品・飲料業界を取り巻く環境を理解することと、食品・飲料業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。ブログ記事「【2022年】食品・飲料業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識」を読んでおいてください。
続いて、サントリーとはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。
サントリーの会社概要、歴代社長の精神、サントリーの哲学ともいえる企業理念、これからのサントリーの方向性を示す戦略など、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。
これら以外にもサントリーのホームページを隅から隅まで熟読することをお勧めします。
本記事の後半でサントリーのホームページから得たサントリーの基本的な知識を簡単に紹介します。面接を受けるにあたり必要と思われるので、ぜひ読んでおいてください。
サントリーの面接攻略のまとめ【就活】
サントリーに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。面接ではどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか?
サントリーが採用したい人材は、「誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する」「失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける」人です。
面接では、エントリーシートの深堀りを行い、総合的な人物評価がなされます。学生時代に力を入れたことと、技術系では研究内容の深掘りがあります。
面接で自己PRをするときのポイントとしては、以下があげられます。
- 行動力と課題解決力を自分の中で探してアピールする
- 技術系応募者は研究内容を語る
- 世界中どこででも働く覚悟を伝える
- 明るさと元気さを醸し出す
面接で志望動機を伝えるときのポイントとしては、以下があげられます。
- 就活の軸は何か明確に伝える
- なぜサントリーを選ぶのか明確に伝える
- 「文化・社会・福祉活動」や「環境活動」を知っておく
- なぜその部門を選んだか、そこで何をやりたいかを明確に伝える
- 他社の応募状況とサントリーの志望順位を答えられるようにする
面接を攻略するためには、まずは業界を取り巻く環境を理解することと、食品・飲料業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。
また、サントリーとはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。
サントリーの会社に関する知識について、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。
以下のリンクも参照ください。
サントリーを志望するときに知っておきたい社風
サントリーの面接を受けるにあたり知っておきたい社風について以下に記します。
- オフィスはフリーアドレスです。全員が机の上に何も置かずに帰社するためいつもキレイです。
- 基本的に休日出勤はなく、5営業日連続の長期休暇の取得を推奨されています。
- 女性の時短勤務や在宅勤務の制度もあります。また育休復帰のフォロー研修も行うなど、手厚いです。
- 愛社精神が強いと思います。社員を大切にする会社の姿勢や身近に自社製品を感じられること、やってみなはれや利益三分主義といったDNAが共有化されていることが要因です。
- 「やってみなはれ」の社風で新たな事にチャレンジすることを常に求められるので、やりがいもあります。
- 自由な社風は言い換えれば、社員一人一人の意識の高さと行動力が求められます。創造力に長けた人には向いている会社です。
面接で語る志望動機を作る際、社風をよく知っていることが大切です。
サントリーの会社概要
飲料メーカーで特に酒類を製造する大手4社のうちサントリーは売上高がトップを誇っています。
サントリーは、1899年に創業者の鳥井信治郎氏が大阪に鳥井商店を開業し、ブドウ酒の製造販売を始めたところからスタートしました。
サントリーの社名は「鳥井さん」を反対にして「さん鳥井」という有名な俗説があります。
本当のところは、「赤玉ポートワイン」の赤玉が太陽を表しており、赤玉=サンと鳥井を合わせて「サントリー」と命名したようです。
サントリーの2020年12月期の決算数字は次の通りです。
資本金は、700億円です。
グループ従業員は、40,044人です。
連結売上収益(酒税控除後)は、21,083億円です。
連結営業利益は、2,170億円です。
連結当期利益は、1,004億円です。
2020年度の連結売上収益の内訳として、食品(清涼飲料、健康飲料他)は56%、酒類(スピリッツ、ビール類、ワイン他)は34%、その他(健康食品、外食、花等)は10%となっています。
同地域別連結売上収益は、日本57%、ヨーロッパ12%、アメリカ15%、アジア・オセアニア16%です。
面接では会社概要について、例えば「売上収益が一番大きな事業は?」のような質問をされることがあります。面接前に概要をしっかり知ることが大切です。
歴代社長の精神を知る
「やってみなはれ」
創業者鳥井信治郎氏は未知の分野に挑戦しようとして周囲から反対を受けるたびにこの言葉を発してあきらめなかったといいます。
そして国産ワイン、ウィスキーを製造することに成功するのですが、「やってみなはれ」の精神は今もサントリ―グループのDNAとなっています。
二代目社長の佐治敬三氏は、ビール事業に再参入します。そして46年目に悲願の黒字化を達成します。
三代目社長の鳥井信一郎氏は、それまでのトップダウンスタイルから、部下に「まかせて伸ばす」マネジメントスタイルに経営を変え、現場主義の徹底を図りました。
四代目社長の佐治信忠氏は、M&A戦略と海外戦略を担当しグローバル化の推進を図ってきました。
歴代社長の精神は面接における自己PRや志望動機を答えるうえで参考となります。
サントリーグループは、「やってみなはれ」の歴史であり、このフレーズがサントリーグループのすべてを現しています。ぜひとも覚えてください。
サントリーグループの企業理念
サントリーグループの理念体系を紹介します。
- サントリーグループの約束
水と生きる
「水と生きる」は、わたしたちサントリーグループがお客様はもちろんのこと、地域や社会や自然環境と交わす約束の言葉です。
自然への思い ~水とともに生きる~
お客様に水と自然の恵みをお届けする企業として、貴重な共有資源である水を守り、水を育む自然環境を次世代につないでいく。
社会への思い ~社会にとっての水となる~
水があらゆる生命の渇きを癒し、潤いを与えるように、お客様や社会にとって価値ある商品やサービスを通じて、人々の豊かな生活文化の創造に貢献していく。
わたしたち自身への思い ~水のように自在に力強く~
すべての社員が水のように柔軟に常に新しいテーマに挑戦し、新たな価値を創造する企業であり続ける。
これら3つの約束を果たすために、わたしたちは日々の行動を積み重ねていきます。
- サントリーグループの理念体系
わたしたちの使命
『人と自然と響き合う』
わたしたちは、常にお客様を見つめ、お客さまの求めるものに応えます。商品やサービスを通じてお客様の生活文化を潤い豊かなものにしていきます。
そして、商品の源泉である自然の恵みに感謝し、恵みを生み出す自然の生態系が健全に循環するように力を尽くします。
人々の生活文化を潤い豊かにすることと、自然環境を保全することが互いに矛盾せず、幸福な相互関係で結ばれ、永く持続していく社会づくりに貢献すること。これがサントリーグループの使命です。
わたしたちの志
『Growing for Good』
わたしたちは、この社会のために”Growing”=成長し続けます。成長し続けることで、よりよい社会づくりに貢献する力も、自然環境を守る力も大きくしていきます。
そのためには革新的な取り組みに情熱を注ぎ、新たなチャレンジをつづけること。これがサントリーグループの志です。社員一人ひとりもまた、仕事への情熱と挑戦意欲を忘れず、“Good”=誠実で信頼される人間として、成長しつづけなければなりません。
わたしたちの価値観
『やってみなはれ』
サントリーグループの歴史をつくってきたのは、常に果敢なチャレンジ精神でした。誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する。失敗や反対を恐れず、ひたすら挑戦しつづける。
新しい市場創造も、新たな価値提供も、そんな情熱から生まれました。『やってみなはれ』は、現在も未来も、わたしたちの事業の原動力となる価値観です。
『利益三分主義』
わたしたちの事業は、お得意先やお取引先、そしてこの社会のおかげで成り立っています。だから、事業で得た利益は、「事業への再投資」にとどまらず、「お得意先・お取引先へサービス」や「社会への貢献」にも役立てていこう。そんな思いを言葉にしたのが『利益三分主義』です。
「おかげさま」の心で事業の成功をステークホルダーや社会全体と分け合い、互いに発展、成長していける関係づくりに全力を注ぐこと。これもまた、サントリーグループ不変の価値観です。
サントリーグループWay
サントリーグループがユニークな価値をお届けすることで、お客様から選ばれ、愛され続けるために、従業員一人一人が日々実践してゆく「サントリーらしい」行動のあり方を定めています。
サントリーグループ企業倫理綱領
サントリーグループが社会に対して責任を果たし、信頼をいただくために、大切にしなければならない基本姿勢を定めています。
- コーポレートマーク
サントリーという企業の源泉ともいえる水を大切にしたい。そして、水のようにしなやかな企業でありたい。
水のように躍動し、立ち止まらず、育ち、成長を続ける企業でありたい。水をモチーフに、私たちの思いをそのままかたちにしたのが、サントリーグループのコーポレートマークです。
それは、同時に、私たちが生きるこの地球の生命のエネルギーと喜びを表しています。みずみずしい「ウォーターブルー」は、柔軟に、純粋に、常に新たなテーマにチャレンジする私たちの決意を伝える色なのです。
面接では、企業理念について質問されることも想定してください。志望動機をつくるときにも役に立つかも知れません。
サントリーの戦略
サントリーの経営戦略について概要を紹介します。
- グローバル経営基盤
飲料・酒業界の「世界の巨人たち」といえるコカ・コーラ、ペプシコ、アンハンザ―・ブッシュ・インベプなど、グローバルプレーヤーを意識して戦う。
そのため、2009年のサントリーホールディングス設立から6年で商品カテゴリーや地域ごとに最適な手法を判断し、子会社設立・上場、大規模M&A、合弁会社設立などの手法を組み合わせ、グローバル体制の礎を構築。
サントリーの特長は世界の飲料メーカーでは珍しい清涼飲料、蒸留酒、ビールなど多岐にわたる商品を持っていること。
これからの世界の食品・飲料市場では、カテゴリーのボーダレス化が進むことが予想され「多様なカテゴリーにまたがる事業の知見を持つ」というサントリーの個性が活きてくる。
- 事業戦略
- ビール事業
2代目社長のとき、あえて最難関のビール事業に挑戦し、「純生」「モルツ」などいくつかのヒット商品を生み出したが、競合他社の定番商品を前に苦戦が続いた。
しかし2005年の「ザ・プレミアム・モルツ」発売により、日本におけるプレミアムビール市場創出に成功。
縮小傾向にあるビール市場だが、「プレミアムビール」の市場推移は安定している。
一方、競合他社の同様な商品に対抗して、中期目標「プレミアム復権」を掲げ、『プレモル』の“神泡”プロモーションを敢行。「プレミアムビール市場」を牽引するトップランナーとしての地位をさらに盤石なものにしつつある。
また、新ジャンル『金麦』、機能性表示食品のラインも加わったノンアルコールビール『オールフリー』などのブランド強化により、一層のファン獲得を目指している。
- スピリッツ事業
スピリッツ事業の3つの魅力として、収益性の高さ、世界市場での成長性、競合の少なさがある。
2014年に米国ビーム社を買収し、2017年にビームサントリーとサントリースピリッツが協働でプレミアムジン「ROKU」を発売し、輸出先は40か国に上る。
ウイスキーでは、2019年には日米共同開発品であるバーボンウイスキー「LEGENT(リージェント)」誕生。自社蒸溜所の原酒のみをブレンドしたサントリーワールドウイスキー『碧 Ao』も、世界を驚嘆させた。
アジア市場では、2019年に世界最大の蒸留酒消費国であるインドにウイスキー「OAKSMITH」を投入。
- 食品(清涼飲料)事業
世界の飲料市場のトレンドは「ナチュラル&ヘルシー」となり、体に良い飲み物のニーズが加速し、「脱炭酸・避糖化」が進展。
もともとナチュラル&ヘルシー志向が根強い日本の飲料市場で、長年培ってきた商品開発力は大きな強み。
茶系飲料や水といった無糖・低糖飲料の開発技術は、世界のどの地域でもニーズが急増中。
その開発技術をヒット商品へと結びつけるためには、グローバルM&Aで獲得してきた各国企業の知見を活かしたローカライゼーションが欠かせない。
たとえば、フランスで発売の低糖プレミアムアイスティー「MayTea」やインドネシア発、自然由来のフルーツエキスを開発フレーバーウォーター「goodmood」がある。
今後も「日本の商品開発力」と「各国の知見によるローカライズ」を掛け合わせたヒット商品を水平展開、世界的なロングセラーブランドへ、という取り組みを進める。
- 健康食品事業
「21世紀は必ず“心”と“健康”の時代になる」との信念で、サイエンスの力で健康食品事業を開拓する挑戦”は始まった。
独自の機能性素材開発にあたって核となったのは、「ポリフェノール」。研究を進めるうち、偶然発見したのがゴマの中に1%程度しか含まれていないポリフェノールの一種「セサミン」。
“健康食品にフィットしたOne to Oneダイレクトビジネスマーケティングモデル”を社会に先駆けて構築したことで、「セサミン」の売り上げは急成長し、現在も続く看板商品になった。
先進的なデジタルマーケティングを武器に、ウエルネス事業は健康食品のトッププレイヤーとして、“老化を、科学する(Science of Aging)”にフォーカスした研究開発で健康長寿の実現を目指す。
- ビール事業
- デジタルイノベーション
- サントリーは、これまでも単なる商品の販売にとどまらず「飲料を楽しむ体験そのものを提案」してきたが、今後は「消費者の課題」を起点に据えたマーケティングモデルをより追求する。
すなわち、「顧客の課題を理解し長期間寄り添うことで顧客体験(UX)の向上とファン化を進め、顧客生涯価値(LTV)を最大化する」というモデルへの転換を進める。
- サントリーでは、デジタルマーケティングに携わる人材(以下、デジタル人材)に「デジタルスキル」と「ビジネススキル」の両方を求めていて、より重要なスキルは「ビジネススキル」の方だと考える。
- 2017年、サントリーコミュニケーションズ設立を機に、デジタル人材の社内育成の定型化を仕上げにかかった。
サントリーのビジネス全体を新しいデジタルマーケティング・モデルに切り替えていくなら、ビジネスの数だけデジタル人材が必要になる。
すでに専門部署以外の部門でのデジタル人材育成もスタート。オールサントリーのデジタルトランスフォーメーションは、いよいよ最終ステップへと歩を進めている。
- サントリーは、これまでも単なる商品の販売にとどまらず「飲料を楽しむ体験そのものを提案」してきたが、今後は「消費者の課題」を起点に据えたマーケティングモデルをより追求する。
- 環境経営・健康経営
- サントリーは、「人と自然と響きあう」を使命として、社会・自然との共生を通じて真に価値ある企業となるためにグループを挙げてサステナビリティに取り組んでいる。
「水」はサントリーグループにとって最も重要な経営資源であり、かつ地球にとって貴重な共有資源であることから、「水・衛生」分野は最重要課題。
「天然水の森」の保全・再生活動。子供たちに「水の大切さ」「水源保全の重要性」を伝える「水育」という活動に取り組んでいる。
- “地球環境そのものが大切な経営基盤”と認識するサントリーでは、1997年制定の「環境基本方針」に重点課題を明示、それを具体化した「環境ビジョン」「環境目標2030」で高い達成目標を掲げ、環境経営を推進。
ペットボトル開発では、独自の「2R+B」戦略を展開。樹脂使用量の削減(Reduce)・再生素材の使用(Recycle)、再生可能原料(Bio)での代替で、環境負荷の低減。
「樹脂使用量の削減」では、国内最軽量のペットボトル及びラベルを開発。
2015年にはペットボトルの原型「プリフォーム」を自製する技術を開発し、現在はさらに発展させた「FtoPダイレクトリサイクル技術」を海外機械メーカーと世界で初めて協働開発し、環境負荷低減と再生効率化を実現。
2019年5月には「プラスチック基本方針」を策定し、2030年までにグローバルで使用する全てのペットボトルに、リサイクル素材や植物由来素材のみを使用し、100%のサスティナブル化を目指す。
- サントリーは、「人と自然と響きあう」を使命として、社会・自然との共生を通じて真に価値ある企業となるためにグループを挙げてサステナビリティに取り組んでいる。
戦略はサントリーの現在、将来の方向性を示す重要な指針です。面接でその内容を質問される可能性があります。