【24卒】面接官が教える「ANA」の面接対策

日本のメガ・キャリアであるANAに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。応募者は事前にどのような面接の対策をしたらよいのでしょうか?
(ANAの社名は全日本空輸株式会社ですが、本ブログでは略して「ANA」と呼ぶこととします。)
ANAに入社を希望する人がぜひとも知っておきたい面接に関しての情報や、ノウハウというものがあります。
例えばANAの面接では、求める人材をよく理解して、自己PRにおいて特に行動力とチームワーク力をアピールすることが重要です。
技術系で応募の場合は、研究内容をわかりやすく説明してください。
客室乗務職の応募者は「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールすることです。
英語力は当然ながら求められます。
一方、面接で志望動機を語るためにはなぜ航空業界なのか、その中で競合他社と比べてなぜANAなのか答えられなくてはいけません。
これら以外にもANAの面接を受けるにあたって大切なポイントがあります。
本ブログでは、面接官である筆者が、ANAの採用情報とともに、面接で必ず訊かれる自己PRや志望動機の受け答えなどについてその対策を解説していきます。
さらに面接に臨むうえで必要な知識として、ANAの会社に関する情報を載せています。
面接対策は、自己分析や企業研究の段階から既にはじまっています。
分析した結果を基にエントリーシートを作成し、一貫性をもたせて面接に繋げる必要があります。
就活中の学生は、本ブログを読むことで自己分析・企業研究の段階からスムーズに選考・面接対策ができるようになります。
ANAの求める人材
ANAはどのような人材を求めているのでしょうか。
面接では求める人材を知っておくことが自己PRをするうえで必要です。
後述するANAグループの行動指針には、「チームスピリット 多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。」及び「努力と挑戦(Endeavor)グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。」が明記されています。
この行動指針からANAが求める人材像は、次のような人と考えられます。
「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する人」
「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する人」
求める人材像を理解し、面接での自己PRに結び付けてください。
ANAの新卒採用情報について【就活】
はじめにANAの新卒採用情報について、概要を以下に記します。
- 募集職種
ANAの新卒採用は、職種別となっています。
- グローバルスタッフ職事務
ジョブローテーションにより複数の仕事を経験し、エアラインパーソンやビジネスパーソンとして総合力を身につけていきます。
セグメント別採用コースと専門採用コースの2つのコースがあります。
セグメント別採用コースは、「セグメントⅠ:オペレーション」「セグメントⅡ:ビジネス・マーケティング」「セグメントⅢ:コーポレート」の3つです。
専門採用コースは、「専門Ⅰ:IT・データ」「専門Ⅱ:経理・財務・IR」の2つです。
- グローバルスタッフ職技術
運航の安全性を担う「航空機エンジニアリングのプロフェッショナル」として、整備部門を中心に活躍する総合職です。
セグメント別採用コースは、「セグメントⅠ:整備」「セグメントⅡ:運航技術」の2つです。
- 運航乗務職(自社養成パイロット)
運航乗務員=パイロット(操縦士)としてANAの安全で快適な運航を担うプロフェッショナルです。
- 客室乗務職(*専門学校、短期大学も応募可能です) *4年ぶりの再開です。
国内線・国際線に乗務し、機内の安全を守るとともに、お客様に快適な時間と空間を届けます。
- エキスパートスタッフ職(障がい者採用)
エアラインビジネスの根幹を支える基幹実務を担います。
- グローバルスタッフ職事務
- 選考フロー
- グローバルスタッフ職事務
エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出)→書類選考→SPI受検→本選考(個人面接、集団面接、グループディスカッション等)→内々定
- グローバルスタッフ職技術
エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出)→書類選考→SPI受検→本選考(個人面接、集団面接、グループディスカッション等)→内々定
- 運航乗務職(自社養成パイロット)
プレエントリー/エントリー・Flight Crew Assessment Test (FCAT) 受検→個人面接、航空適性検査(シミュレーター)→個人面接、英語コミュニケーションテスト→内々定
- 客室乗務職 *4年ぶりの再開です。
エントリー(エントリーシート基本情報登録、WEBエントリーシート提出、動画提出、総合適性検査受検、英語試験受検)→書類選考→本選考(面接・身体検査など)→内々定
- エキスパートスタッフ職(障がい者採用)
エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出)→書類選考→本選考(個人面接、SPI受検)→内々定
- グローバルスタッフ職事務
- エントリーシート
グローバルスタッフ職事務 (23年卒)
自己PRに関すること
- ゼミ・論文テーマとその設定した理由
- 趣味・特技(100文字以下)
- あなたらしさが分かる写真をアップロードし、その写真を選んだ理由も一緒に教えてください。(250文字以下)※写真に複数名写っている場合は、あなたがどれなのか明記してください。
- あなたがこれまでに情熱を傾けて逆境を乗り越えた経験と、それを選んだ理由を教えてください(400文字以下)
志望動機に関すること
- 志望するセグメントを志望順に選択してください
- 第1志望のセグメントを選んだ理由、その中で発揮できるあなたの強みや経験などを教えてください。(上記選択した場合は必須で入力してください)(400文字以下)
- 第2・第3志望のセグメントについて何か補足がありましたら、ご自由にご記入ください。(上記選択した場合は必須で入力してください)(400文字以下)(オペレーション)
グローバルスタッフ職技術 (23年卒)
自己PRに関すること
- ゼミ・論文テーマとその設定した理由(250文字以下)
- 「あなた自身について紹介してください。あなたらしさが分かる写真をアップロードし、その写真を選んだ理由も一緒に教えてください。(250文字以下)※写真に複数名写っている場合は、あなたがどれなのか明記してください。」
- 「あなたがこれまでに情熱を傾けて逆境を乗り越えた経験と、それを選んだ理由について記載してください。(400文字以下)」
志望動機に関すること
- あなたがグローバルスタッフ職技術を志望する理由を自由に表現してください。(400文字以下)
- 志望するセグメントを志望順に選択してください。
客室乗務職 (21年卒)
自己PRに関すること
- あなたが心を動かされた出来事を教えてください。※あなたにどのような影響を与えたのかも踏まえてご記入ください。(200文字以下)
- 将来の姿について想像した時に、あなたは人としてどうありたいですか。 ※ANA客室乗務職としてのキャリアビジョンではなく、大切にしたい考え方や価値観を記入してください。(200字以内)
志望動機に関すること
- あなたがANAの客室乗務職を志望する理由を記入してください(200字以内)
- 面接
面接には次の様な質問が想定されます。
グローバルスタッフ職(事務・技術)の面接は、3回行われます。面接での選考ポイントは、学生時代に頑張ったことと、チームワークができるか、ANAへの思い入れの強さです。
- グローバルスタッフ職事務
自己PRに関すること
自己紹介してください
なぜその大学・学部学科を選択したのですか
学生時代頑張ったことは何ですか(その中で困難だったこと、課題解決の方法、そこから得たもの)
チームで成し遂げた経験、その中で自分の役割、活動する上で大切だと思うことは何ですか
挫折した経験、挫折を乗り越えるための行動や考え方を教えてください
自分の強みは何ですか?それをANAでどう活かしていけますか
英語力はどれくらいですか
あなたの夢は何ですか
ストレス耐性はありますか
趣味は何ですか
志望動機に関すること
なぜ航空業界を志望しますか
なぜANAを志望しますか、なぜJALでなくANAですか
なぜオペレーション職を希望しますか、強みをオペレーション職でどのように活かすことができますか
ANAでやりたいことは何ですか
希望通りの配属にならなかったらどうしますか
ANAとJALの違いは何ですか、ANAのイメージは何ですか
ANAの強み、弱みは何ですか
ANAの魅力や認知度アップのためにANAに提案することは何ですか
他社選考状況とANAの志望度を教えてください
- グローバルスタッフ職技術
自己PRに関すること
自己紹介してください
学生時代頑張ったことは何ですか(その中で困難だったこと、課題解決の方法、そこから得たもの)
チームで成し遂げた経験、その中で自分の役割、活動する上で大切だと思うことは何ですか
研究のことについて説明してください
クラブ・サークル活動はやっていますか
自分自身に課しているルールについて、その理由とエピソードを教えてください
挫折した経験、挫折を乗り越えるための行動や考え方を教えてください
英語力はどれくらいですか
趣味は何ですか
他の人からどんな人と言われますか
志望動機に関すること
なぜ航空業界を志望しますか
なぜANAを志望しますか
なぜANAで技術職を希望しますか
入社後にやりたいこと、興味のある仕事は何ですか
希望通りの配属にならなかったらどうしますか
ANAとJALの違いは何ですか、ANAのイメージは何ですか?
なぜメーカーではなくANAですか
現場で働くことへの抵抗はありますか
航空会社の整備で大事なことは何ですか
運行技術で何をしたいですか
目的地まで安全に届ける以外の付加価値をどのようにつけますか
安心・安全とはなんだと思いますか
他社選考状況とANAの志望度を教えてください
- 客室乗務職
自己PRに関すること
学生時代頑張ったことは何ですか(その中で困難だったこと、課題解決の方法、そこから得たもの)
チームで成し遂げた経験、その中で自分の役割、活動する上で大切だと思うことは何ですか
今までの経験のなかで、客室乗務員の仕事に活かせることは何ですか
努力していることは何ですか
5年後10年後どうなりたいですか
英語力はどれくらいですか
志望動機に関すること
なぜ客室乗務職に応募しますか
なぜJALではなくANAを志望しますか
他社選考状況を教えてください
- グローバルスタッフ職事務
- 採用人数
19年度入社実績 126人 *グローバルスタッフ職事務、技術
20年度入社実績
- グローバルスタッフ職事務 64名
- グローバルスタッフ職技術 54名
- 客室乗務員 700名程度
21年度入社実績 46名
22年度入社計画 採用中止
23年度入社計画
- グローバルスタッフ職事務 30名(セグメント採用コース:オペレーション10名 / ビジネス・マーケティング、コーポレートは若干名)(専門採用コース:IT・データ 10名 / 経理・財務・IRは若干名)
- グローバルスタッフ職技術 25名(整備 20名 / 運航技術 若干名)
- 運航乗務職(自社養成パイロット)未定
- 19年新卒入社大学別就職者数
国公立大:
京都大5、北海道大1、東北大4、名古屋大5、大阪大4、九州大10、東京工業大1、一橋大3、筑波大2、千葉大2、電通大1、東京外大7、都立大1、横浜国大4、横浜市大4、大阪市大2、大阪府大1、神戸大4、岡山大1、広島大1、他
私立大:
早稲田大32、慶応大32、上智大29、明治大16、青山学院大41、立教大25、中央大14、法政大23、学習院大7、成蹊大5、成城大6、武蔵大1、明治学院大10、国学院大1、日本大14、東洋大3、駒沢大4、東海大11、東京理科大6、芝浦工大3、東京女子大10、日本女子大13、津田塾大3、大妻女子大3、共立女子大4、昭和女子大7、神奈川大3、愛知大3、愛知淑徳大4、中京大2、南山大9、名城大3、同志社大20、立命館大22、関西大15、関西学院大29、京都産業大3、龍谷大4、京都女子大4、同志社女子大17、近畿大8、桃山学院大1、甲南大5、武庫川女子大3、西南学院大14、他
以上は大学院修了者を含みます。
※サンデー毎日(2019年8月18・25日号)参照
- 学歴フィルター
ANAは国公立、私立大の難関大学を中心に採用していますが、中堅の大学も採用しています。航空会社の性格上、海外の大学も採用しています。
面接攻略の考え方【就活】
面接では自己PRと志望動機を必ず訊かれます。よってそれらの答えをあらかじめ準備する必要があります。以下の自己PRと志望動機のヒントを参考にしてください。
- 面接時の自己PRのヒント
■行動力とチームワーク力を自分の中で探してアピールする
ANAは基本的に、特に行動力とチームワーク力を求めていると考えられます。
上記の求める人材にあるように、ANAは「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」人を求めています。
ここで、「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」は、行動力を表しています。
また、「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」は、チームワーク力を表しています。
ANAグループは、航空事業について、ポストコロナの新常態においていかに航空需要を的確に掴みとれるかが重要と考えています。また主力の航空事業を周辺から支える、収益性を伴った「ニューバリュー事業」を成長させていくこと、顧客がANAグループ経済圏の中での還流、回遊できる仕組みとなるプラットフォームを構築することも目指していきます。
このような事業を遂行するうえで、行動力とチームワーク力が必要ではないでしょうか。
面接では、学生時代において最も力を入れて取り組んだことと、なぜ取り組んだのかその理由を説明してください。
力を入れたことは学業、クラブ活動、アルバイト、ボランティア活動などなんでも良いです。
そのさい、目標達成に向けてどのような困難があり、それをどのように乗り越えて、どのような成果をあげたかも説明できるようにしてください。
さらに一緒に取り組んだメンバーがいたら、自分が請け負った役割と、目標達成のためにメンバーをどのように巻き込んだか、メンバーの意見を尊重するなかで、どのように自分の考えを理解してもらったかなど、チームの中での円満な人間関係に努力したことのエピソードを探し出して、語ってください。
但し、ANAは採用するすべての人に行動力とチームワーク力を求めているわけではありません。自分の最も伝えたい能力が他にあるなら、面接でその能力を上手に説明してください。
■技術系応募者は研究内容を語る
ANAグループの行動指針の一番は、「安全」です。安全こそ経営の基盤とうたっています。
技術系応募者は、航空機整備・管理能力を駆使して安全な状態にし、「安心」を顧客に約束する仕事に携わります。
技術職は「整備現業」で整備士としての知見の習得からスタートします。メーカーの製品開発の仕事と異なり、華やかさはなく、地味な裏方の仕事ですが、安全を守るために絶対なくてはならない仕事です。
大学で自分が研究したことが直接使えるような仕事は少ないかも知れませんが、面接では、「航空機の安全」に十分対応できる能力、スキルがあることを、自分の研究内容から探し出して話せるようにしてください。
具体的に、研究内容をわかりやすく説明できることです。
なぜその研究を選んだか、その課題と課題解決の手法をあげ、解決に困難だった点について自分自身の工夫と成果を説明できるようにしてください。
課題を解決するために、どのように周囲を巻き込んでいったか、あるいはねばり強く取り組んでいったかなどについても説明できるといいです。
研究をチームでやっている場合は、チーム内での役割も伝えてください。研究の将来性などがわかれば、それも話してください。
また、直接仕事に関係する研究をしていない応募者が多いと思います。その場合は面接で論理的思考力といった潜在的な能力面をアピールすることです。
■客室乗務職応募者はANAグループにある「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールする。
客室乗務職は、航空会社社員で最もお客様と接する時間が長い、いわば最前線の仕事です。このときのお客様に接する対応がその会社のイメージに大きく影響します。
筆者も仕事で、プライベートで飛行機を利用していますが、その際の客室乗務職のお客様への接し方がその会社のイメージとなっています。
よって、お客様に「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることを証明できる具体的なエピソードを用意してください。また、面接もあかるく元気そうな雰囲気を醸し出してください。
■英語力をアピールする
グローバルスタッフ職事務、技術は、採用選考において語学力基準による合否判定はしませんが、実務において英語力を中心とする語学力は必須であり、エントリーシートにもTOEICなどの点数記入が求められています。よって、英語力等に自信があればアピールしましょう。
客室乗務職は、実務上英語力は必須であり、エントリー段階で英語試験受検が課せられています。
ただし、TOEIC600点、GTEC260点以上は試験免除となっています。したがって最低TOEIC600点程度の英語力が求められていると考えられます。英語力に自信があれば面接でアピールしましょう。
- 面接時に志望動機を語るヒント
■ANAグループの経営に対する考え方を知る
ANAグループは後述する経営理念で、「安心と信頼」はお客様との約束であると宣言しています。
これを受け、経営ビジョンで、お客様の満足を高め、様々な価値の創造を通じて自立した強い企業として発展していくことを宣言しています。
この経営ビジョンを達成するために社員に求められる行動の指針は、「あんしん、あったか、あかるく元気!」です。
まずは、以上をしっかり頭に入れておきましょう。
■なぜ航空業界を選ぶのか明確に伝える
航空業界を志望する応募者は、航空会社という、はなやかに見える職場で働きたいとか、ユニフォームを着てみたいとか、海外へ行くチャンスが増えるといったような理由を志望動機にする人が多いと考えられます。
このようなあこがれは大切ですが、あこがれだけでは採用となりません。
航空業界の役割は何か、他の運輸業界や、メーカーとの違いは何かを理解しておいてください。続いて、航空業界について業務の理解を深めていき、面接で魅力を語ってください。
■なぜANAを選ぶのか明確に伝える
ANAグループの経営理念や事業内容、事業構造改革、その他ホームページから感じたことをまとめてください。そのなかで、自分が共感できることがANAを選んだ志望動機となります。
また、ANAと競合他社のホームページをしっかり読んで、その違いを知っておいてください。
ANAを志望する人は、航空会社に興味がある人であり、ANAと並行してJALや他のエアライン、あるいはANAグループ各社に応募する人が多いことと思います。
たとえANAが第一志望でなくても、競合他社と比較しなぜANAなのかを、面接で質問されたときにしっかり答えられなくてはなりません。
一方、特に理系学生は、なぜメーカーではなくてANAなのか質問されることがあります。
■ANAでなぜその職種・コースを希望するのか、そこでやりたいことを明確に伝える
ANAの採用募集は、職種別・コース別の採用です。
希望する職種・コースを選んだ理由と、そこでやりたいこととなぜやりたいか、やりたいことで自分のどのような強みが仕事に活かせるかを面接でしっかりと説明できなければなりません。
「グローバルスタッフ職事務は自分にとって・・・・のような点が魅力です。自分の持つ粘り強く取り組む実行力を発揮し、将来的にアジア富裕層取込みのマーケティング戦略をやってみたいです」のようなことです。
■ANAの志望順位、他社の応募状況を答えられるようにする
志望順位については、迷わず第一志望ですと答えましょう。
グローバルスタッフ職で他社の応募状況を聞かれたら、航空業界志望ならJALとか他社の名前を出しても構わないと思います。それ以外なら「〇〇業界にも興味があり応募しています」くらいは答えてもいいです。この場合まったくの異業種であり、なぜそうなのか答えられるようにしてください。
客室乗務員の場合は、JALとか他のエアライン応募を答えても良いと思います。他の航空会社を含めて複数応募するのは当たり前だからです。
注意すべきは、特にライバルのJALとの違いや、その中でなぜANAを選ぶのかを面接で質問されたときに、上手に説明できることです。
以上、ANAの採用情報と面接攻略の考え方を説明しました。特に面接は複数回行われ、自己PRと志望動機に関する様々な質問がなされることが予想されます。
また、さらに面接対策(まさに、これこそが重要!!)を完全にしたい就活生のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアル「ベテラン面接官が教えるとっておきの就活面接必勝法」の販売を行っています。役に立つこと請け合いです。
本マニュアルの方法で自己分析を進めることで、ライバルから一歩抜け出した自己PRと志望動機を作成できます。詳細については、マニュアルのページをご覧ください。
面接を攻略するために知っておきたい基本的な知識【就活】
面接を攻略するためには、航空業界を取り巻く環境を理解することと、航空業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。
ブログ記事「【2023年】航空業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識」を読んでおいてください。
続いて、ANAとはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。
ANAのこれまでの歩み、ANAやグループの会社概要、ANAグループの哲学ともいえる経営理念、ANAブランドの強み、ANAグループの事業構造改革など、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。
これら以外にもANAのホームページを隅から隅まで熟読することをお勧めします。
本記事の後半で面接を受けるにあたり必要と思われるANAの基本的な知識を簡単に紹介します。ぜひ読んでおいてください。
ANAの面接攻略のまとめ【就活】
ANAに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。面接ではどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか?
まずは、ANAの置かれた環境を知ってください。
ANAが採用したい人材は、「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」人です。
面接での選考ポイントは、学生時代に頑張ったことと、チームワークができるか、ANAへの思い入れの強さです。
面接で自己PRをするときのポイントとしては、以下があげられます。
- 行動力とチームワーク力を自分の中で探してアピールする
- 技術系応募者は研究内容を語る
- 客室乗務職応募者はANAグループにある「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールする。また英語力に自信があればアピールしましょう。
面接で志望動機を伝えるときのポイントとしては、以下があげられます。
- なぜ航空業界を選ぶのか明確に伝える
- なぜANAを選ぶのか明確に伝える
- ANAでなぜその職種・コースを希望するのか、そこでやりたいことを明確に伝える
- ANAの志望順位、他社の応募状況を答えられるようにする
面接を攻略するためには、まずは航空業界を取り巻く環境を理解することと、航空業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。
また、ANAはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。
ANAの会社に関する知識について、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。
面接がいかに大切か、必ず役に立つ以下のリンクも必読でしょう。
経営数字から見るANAグループの会社概要
航空業界は、航空路や空港を利用し航空機によって旅客輸送や貨物輸送を行うサービスを提供しています。
航空会社は、大きく「メガ・キャリア」(大規模航空事業者)と「LCC」(格安航空会社)に分けられます。
メガ・キャリアは、LCCと比較し航空運賃では高額ですが、質の高いサービスなどが売りで、国内、国外に多くの運航路線を張り巡らしています。 一方、LCCの最大の特徴は低料金です。
日本のメガ・キャリアは、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)の2社です。
ANAは持株会社であるANAホールディングスの完全子会社です。
ANAはANAグループの中核として航空運送を運営しています。
このようなANAの資本金、従業員数は次のとおりです。(2022年3月31日現在)
資本金は、250億円です。
従業員数は、13,689名です。
ANAホールディングスの2022年3月期の連結経営成績は次の通りです。
- 資本金 4,676億19百万円
- 連結従業員 42,196人
- 売上高 1兆203億円
- 営業利益 △1,731億円
- 経常損益 △1,849億円
- 当期純利益 △1,436億円
航空事業の売上内訳は次のようになっています。
- 国際旅客 701億円
- 国内旅客 2,798億円
- 貨物郵便 3,287億円
事業別売上高は次の通りです
- 航空事業 8,850億円
- 航空関連事業 2,068億円
- 旅行事業 462億円
- 商社事業 816億円
- その他 381億円
- 調整額 △2,376億円
以下は数字で見るANAグループです。(2019年3月末現在)
- 運用航空機数 307機
- 年間輸送人数 5,962万人
- 就航空港数 101都市
- 年間貨物輸送重量 123.9万トン
- ANAの女性管理職比率 15.2%
- 障害者雇用率 2.68%(2020年6月1日)
- 自己資本比率 41.4%
- 8年連続 5スターエアライン
- 定時到着率 87.5%
面接では会社概要について、例えば「5スターエアラインとは何かわかりますか」のような質問をされるかも知れません。面接前に概要をしっかり知ることが大切です。
ANAの歩みを知る
日本の航空業界は、ANA/全日本空輸とJAL/日本航空の2強体制となっています。
JALは半官半民の会社としてスタートしましたが、ANAは純粋に民間会社としてのスタートです。
それでは、直近のANAグループのホームページから得た情報を掲載します。ぜひ知っておいてください。
1952年設立の日本ヘリコプター輸送株式会社と、極東航空株式会社が1958年に合併しANA/全日本空輸が設立されました。
設立後、ANAは国内線を運営していましたが、1986年、悲願の国際定期便の運航を開始しました。
さらに、1999年世界最大の航空連合「スターアライアンス」に加盟し、メンバー各社とコードシェアすることでネットワークを拡大し、2005年には国際線就航以来初の黒字化を達成しました。
そして2013年、首都圏空港容量の拡大や航空自由化のさらなる拡大、LCCの相次ぐ就航など航空業界の大きな転換点を迎える中で、これらの変化に対応すべく持株会社制に移行しANAホールディングスが発足しました。
2013~2016年には、エアラインスターランキングで「5スター」を連続して獲得しました。
2016年国際線就航30周年には、国際線における売上高、座席キロ、旅客キロが日本の航空会社で一番となりました。
面接に臨む前に、ANAの歴史を知っておきましょう。
ANAグループの経営理念
ANAグループの経営理念とはどのようなものでしょうか。以下にANAの経営理念を載せます。
- ANAグループの経営理念
『安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します』
「安心と信頼」はANAグループとお客様との約束であり、経営の根幹に位置づけられる私たちの責務です。
エアライン事業を中核とするANAグループは、「挑戦し続ける」「強く生まれ変わる」「いつもお客様に寄り添う」気持ち、「心の翼」をもって、永続的にこれからの社会の発展に貢献し、「夢あふれる未来」創りの一翼を担っていきます。
- グループ経営ビジョン
『ANAグループは、お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指します。』
- グループ行動指針
『私たちは、「あんしん、あったか、あかるく元気!」に、次のように行動します。』
- 安全(Safety)
安全こそ経営の基盤、守り続けます。
- お客様視点(Customer Orientation)
常にお客様の視点に立って、最高の価値を生み出します。
- 社会への責任(Social Responsibility)
誠実かつ公正に、より良い社会に貢献します。
- チームスピリット(Team Spirit)
多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。
- 努力と挑戦(Endeavor)
グルーバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。
面接では、ANAグループの経営理念について質問されることがあるかも知れません。また志望動機をつくるときにも参考になります。
ANAグループの強み
ANAグループの強みは以下の4つです。
- 品質
2020年、SKYTRAX社より安全第一を評価され、世界最高評価の「5スター」を8年連続で獲得しました。
- 革新性
開発段階から参画したボーイング787型機を世界で初めて導入し、国際線を中心に投入しています。
- 規模
2016年には、国内線・国際線ともに、国内No.1(売上高・座席キロ・旅客キロ・旅客数)となりました。
- グループ総合力
マルチブランド戦略の推進により、お客様に選ばれ続けるエアライングループを目指して社会と共に歩みながら、世界に羽ばたきます。
面接では、ANAの強みについて質問されることがあります。覚えておきましょう。
ANAグループの事業構造改革
ANAホールディングスは、2022年4月の決算説明会で、事業構造改革について説明していますが、その概要について紹介します。
- ポストコロナを見据えて2020年度より事業構造改革を推進
- 事業面では、「需要動向に合わせた生産量調整 / 人員稼働・サービスの適正化」「衛生面の徹底 ANA Care Promise」と合わせて、「事業構造改革三つの柱」を推進
事業構造改革三つの柱は、①リソース(機材・人財)圧縮、機材の退役、②航空事業モデルの変革、③顧客データ資産の活用
- 財務面では、コスト削減策推進、設備投資抑制と、手元資金の十分な確保・維持を図って改革のスピードを加速
- 事業面では、「需要動向に合わせた生産量調整 / 人員稼働・サービスの適正化」「衛生面の徹底 ANA Care Promise」と合わせて、「事業構造改革三つの柱」を推進
- 事業構造改革のリソース戦略では、ANAブランドを中心に航空事業の規模を一時的に縮小して、コロナ禍を乗り越える
機材では、旅客需要や客体構成を見据えながら柔軟なフリート戦略を実行
人財では、ポストコロナの顧客ニーズに合わせてグループの人財競争力を向上
- 事業構造改革のグループエアラインモデルでは、航空事業をポストコロナの新常態でも持続的成長が可能な事業モデルに変革する。
- 事業構造改革の非航空事業では、顧客データ資産を活用したプラットフォームを確立、新たな収益機会を創出する。
- 成長回帰に向けた当面の方針として、2022年度通期の黒字化を図る。
- 2023年度以降は中期経営戦略を策定し、持続的な成長を目指す。
DXを活用した構造改革、人財への投資、気候変動への対応を図り、社会的価値・経済的価値を同時に創造する。
航空事業は、グループ総合力で世界の空を支え、非航空事業で、グループの成長を促進することで、強靭なエアライングループに変革する。
事業構造改革は、面接で自己PRや志望動機を語るさいに必要な知識です。理解しておきましょう。