【2025年】小売業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識

2024.10.23 更新
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小売業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。

これらの知識を持っていないと、面接での受け答えに困ってしまうことがあります。

特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。

ここでは、小売業界を取り巻く環境や仕事など、小売業界に応募する人が面接で役に立つ基礎知識を紹介します。

ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。

目次
  1. 小売業界とはどのような業界なのか
  2. 小売業界を取り巻く環境と課題
  3. コロナを契機にした小売業界のビジネスモデルの転換
  4. 小売業界の仕事
  5. まとめ

小売業界とはどのような業界なのか

メーカーが製造した商品を仕入れて消費者に販売する業界を流通業界と呼びます。

流通業界はその中で、メーカーから商品を仕入れて、複数の小売店に販売する卸売業界と、卸売業などから仕入れて一般の消費者に直接販売する小売業界とに分かれます。

小売業界はさらに、「百貨店」「スーパーマーケット」「コンビニエンスストア」「専門店」という4つのビジネスモデルがあります。

  • 百貨店

    百貨店は、20世紀初頭に創業した三越百貨店が始まりです。

    多岐にわたる商品を店頭に陳列して販売し、ほとんどが街なかの一等地に立地する都市型店舗で店も大型です。

    近年は、富裕層の高額商品購入やインバウンド需要に売り上げが大きく影響を受けています。

  • スーパーマーケット

    スーパーマーケットは、食料品を中心に日用雑貨類を販売するセルフサービス方式の小売業として、1960年代に誕生しました。

    大量仕入れやセルフサービスによる人件費の節約による販売価格の低廉化を図ることで、小売業界のシェアを高めてきました。

    その後は、店舗の大型化や取扱商品の増大などで百貨店を上回る規模となり、近年は、複合型ショッピングセンターの展開に積極的です。

  • コンビニエンスストア

    コンビニエンスストアは、英語の「convenience」(便利さ)」を由来とする小型のスーパーマーケットです。

    日本では1970年代に登場し、急成長を遂げました。

    住宅地や駅前、幹線道路沿いなどに立地し、年中無休、24時間営業など長時間営業を行っているのが特徴です。ただし、現在の人手不足の状況下、時短営業の動きもあります。

    大手では公共料金の振込から宅配便の取扱い、ゲームソフト販売、ATM、季節商品の販売などサービスが強化されています。

    コンビニエンスストアの経営形態には、直営チェーン店とフランチャイズ制によるものとがあります。

  • 専門店

    多岐にわたる商品を店頭に陳列して販売する百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストアに対し、専門店は特定の領域のモノを扱っています。

    例えば、衣料品を扱うアパレル店、医薬品や化粧品を中心にそろえるドラッグストア、電化製品などを取り扱う家電量販店などがあります。

    専門店とは何か、業界を取り巻く環境についての基本は、ブログ記事「【2025年】専門店に応募する時の面接で役に立つ基礎知識」を参照ください。

面接で志望動機を語るさいに、小売業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。

小売業界を取り巻く環境と課題

小売業界を取り巻く環境と課題は、次の通りです。

  1. 百貨店
    • 2023年の百貨店業界の年間売上高は、前年比8.1%増の5兆9,557億円となりました。(経済産業省 商業動態統計 2024年4月)

      2020年は新型コロナによる影響を大きく受けたことで、百貨店の売上は前期より27%減、5期連続の減少となりました。

      2021年は、コロナ禍前の2019年の80%程度にとどまりました。2022年は、2019年比89%と完全な回復には至りませんが、最悪期を脱しました。2023年は2019年の6兆円まであと一歩と回復を見せています。

      2022年3月からは行動制限の緩和によって外出の機会が増え、購買客数、売上ともに増加しました。

      富裕層による高額商材の需要が好調なことや、同年10月以降は海外からの水際対策の緩和と円安の影響も加わり、インバウンド需要も増加傾向となりました。

      中国人観光客は回復していないもののアジア地域からの購買客数が増加し、免税品の売上が伸長しています。

    • 近年、富裕層やインバウンド需要に支えられてきた百貨店業界ですが、その恩恵は都市部や首都圏の店舗に限っています。

      地方や郊外店は恒常的な赤字で閉店が相次いでおり、百貨店業界は全体として縮小傾向にあります。 

      一方で、2022年には小田急百貨店新宿店本館が閉店、2023年には、渋谷の東急百貨店本店が閉店し、セブン&アイ・HDが「そごう・西武」を売却するなど、都市部で展開する百貨店も状況が変わりつつあります。

    • 近年、百貨店の売上は、伸び悩んでいました。そのため、場所貸しをして安定的な収入を得ることや、百貨店が商品企画や品ぞろえを決め、従来の売り場をより強化するなどの対策を講じていました。

      ですが、コロナ禍により集客が困難となり、アマゾンなどEC(ネット通販)も台頭してきたため、各社は対策の練り直しを迫られています。

      そのような状況下、百貨店各社がそろって注力しているのがデジタル事業です。EC(ネット通販)の台頭で、消費者の購買行動が変化しています。

      百貨店はこの変化に十分な対応ができず、ECで後れを取っていましたが、コロナ禍をきっかけにデジタル化を加速させています。

      百貨店はD2Cブランドとの協業を拡大し「売らない店舗」とも呼ばれる、ショールーミングストア事業を進めています。店頭には商品の見本のみを置き、ECで購入してもらうかたちです。

      また、収益力強化のため百貨店以外の事業にも取り組んでいます。

      三越伊勢丹HDは利便性向上のため、2020年三越と伊勢丹のECを統合し、『三越伊勢丹リモートショッピングアプリ』をリリースしました。オンライン上でチャットや接客、商品の購入、決済までを可能にした新たなサービスや、訪日外国人向けのアプリも開発中です。百貨店事業の強化を図りながら金融や不動産事業を強化し、将来は百貨店以外の事業の利益が半分以上を占めることを目指しています。

      高島屋はネット事業を成長分野と位置づけて、EC独自商品の開拓や販売チャネルの多様化でEC事業を拡大しています。2022年に新宿高島屋内にショールーミングストア「Meetz STORE(ミーツストア)」をオープンさせました。一方で、商業施設の開発の他、金融事業の基盤つくりなど、収益力強化と事業拡大に取り組んでいます。

      エイチ・ツー・オー・リテイリングは、投資計画を見直しデジタル事業の強化で人材育成を急いでいます。来店せずに商品を購入できるリモートショッピングサービス「Remo Order(リモオーダー)」ではビジネスモデル特許を取得しています。

    以上のように百貨店各社は、高品質な商品と品ぞろえの多さなど、百貨店の強みをいかして、ネットと実店舗の往来を促す「デジタルとリアルの融合」を掲げ、積極的なデジタル化を進めています。

    さらに、将来を見据え、百貨店以外の金融や不動産事業の利益を伸ばすことを目指しています。

  2. スーパーマーケット
    • 2023年のスーパーマーケットの販売額は、前年比3.3%増の15兆6,492億円でした。(経済産業省 商業動態統計 2024年4月)

      スーパーマーケットの販売額は2019年までは横ばいで推移していましたが、2020年は「巣ごもり消費」の恩恵をうまく享受して大幅増となりました。

      2021年・2022年も「巣ごもり消費」の恩恵を受けて、堅調に推移しました。ですが、前年と比較してほぼ横並びとなっており、コロナ特需の一服感が見られます。

      2022年からは経済活動の再開もあり、内食が減って外食の需要が増えたことの影響もあります。

      2023年もこの流れを引き継いでおり、円安による物価高もあり販売額は上がっていますが伸び率は弱くなっています。

      近年は、共働き世帯の増加や単身高齢世帯の増加に伴い、「お弁当・お総菜」のニーズが増えています。また、テレワーク普及等の新しいライフスタイルの定着もあり、このようなニーズを背景に、各スーパーともに惣菜・弁当部門を強化しています。

    • スーパーマーケット業界は、イオンとセブン&アイ・ホールディングスの2強体制となっています。

      イオンとセブン&アイ・HDは数兆円ほどの売上高を誇り、流通業界では圧倒的な規模を誇っています。スケールメリットを活かして仕入れコストを削減できるのが強みであり、そのために非常に強い価格競争力を持っています。

      2社の存在感が増々強まるスーパー業界ですが、その他の企業においても業界再編の動きが加速しています。2018年、アークスとバローHD、リテールパートナーズの3社が資本提携を結び、2019年には「日本スーパーマーケット同盟」を発足しました。

      「日本スーパーマーケット同盟」は今後も再編の軸となり、イオンとセブン&アイ・HDに次ぐ、第3の勢力となる可能性があります。

      一方で、2024年8月、セブン&アイ・HDは、カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けたと発表しました。

    • 近年スーパーマーケット各社が力を入れているのは、PB(プライベートブランド)の充実です。

      PBは卸売業者を通さず販売できるため、通常の商品に比べ5~10%ほど高い粗利益率を確保できるメリットがあります。

      また、原材料や製造方法、デザインなど、オリジナリティを持たせることができるために、企業ブランドの向上にもつながります。

      PBはスーパー側のメリットだけでなく、安くて良いものを求める消費者のニーズにも合致しているため、今後もさらなる普及が予想されます。

  3. コンビニエンスストア
    • 2023年のコンビニエンスストアの販売額は前年比4.4%増の12兆7,321億円でした。店舗数については4年連続で少しずつ減少しています。(経済産業省 商業動態統計 2024年4月)

      コンビニエンスストアの販売額は、2011年から2019年にかけて増加傾向にありましたが、2020年は減少し、2021年も前年比1.0%増と横ばいでした。2022年は同3.7%増、2023年は同4.4%増でした。

      2024年も引き続き回復傾向にあります。

      コロナ禍の影響では、外出自粛の影響は相対的に小さく、有事に強いとみられていたコンビニは意外と苦戦しましたが、2022年以降は経済活動再開の動きや、訪日外国人の利用も増えるなど回復傾向にあります。

    • ビジネスパーソンのテレワークの影響もあり、オフィス街でのランチの減少などが大きく影響する一方で、住宅街のコンビニの利用は増えるなど、利用者の行動が大きく変化しています。こうした状況から、コンビニエンスストア各社は収益確保へ新たな取り組みを始めています。

      セブンイレブンでは、100円ショップのダイソー商品の導入や、各店舗のニーズに合わせ、商品構成やレイアウをト変更しています。最短30分で届けるデリバリーサービス「7NOW(ネットコンビニ)」の展開を加速しており、24年度をメドに全店で展開予定です。

      ローソンでは冷凍食品の品揃えと、店内厨房の導入店舗を推進し、また調剤併設や日用品を取り扱うヘルスケア強化型店舗も展開し始めています。

      ファミリーマートでは、無人決済店舗やデジタルサイネージ、ファミペイなど、金融やデジタル広告などの新ビジネスで収益化に取り組んでいます。

    • コンビニエンスストア各社は、店舗数を増やす中で、少子高齢化や女性の社会進出、ライフスタイルの変化に対応した調理品などの商品開発に注力してきました。

      このように新規出店の「量」と商品開発による「質」を追求し、これまで業績を拡大してきましたが、成長は鈍化しつつあります。

      国内のコンビニ店舗数について、都市部ではすでに飽和状態にあり、新規出店の余地が少なくなっています。そこで、コンビニ各社は海外展開を加速しています。

      北米地域や経済成長が期待される東南アジアを中心に出店が加速するものと見られ、コンビニ各社の世界進出への動向にも注目です。

  4. 専門店
    • 家電量販店の2023年の売上は、対前年比1.1%減の4兆6,324億円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」)

      家電量販店の販売額の推移では、2016年に底をつけ、2020年まで緩やかな上昇傾向にありました。2021年は前年の新型コロナ感染症による巣ごもり需要の反動もあり減少に転じましたが、コロナ前の2019年の水準を上回りました。2022年は前年から微増、2023年は前年から微減となっています。

      2023年もコロナ特需の反動減や物価高による買い控えが見られるなど、2024年以降の市場動向は不透明です。

      差別化が難しい家電量販店は、価格競争と店舗拡大により規模を大きくしてきましたが、市場は成熟化し、大きな伸長が見込めない踊り場を迎えています。長期的な少子高齢化による人口減少や世帯数の減少が大きな影を落としています。

      近年では、ネット通販の拡大による市場パイの減少、実質賃金低下や物価上昇による生活防衛意識の高まりなどで市場環境は厳しさを増しています。さらに、「コト消費」の拡大など消費者ニーズの変化も見られます。コロナ禍の需要は短期的とも見られており、「新規出店による拡大」といった従来のビジネスモデルが通用しなくなっています。

      こうした傾向を受け、家電量販店大手各社は将来への布石を模索しています。

      ヤマダHDは住宅・家具事業、ビックカメラは玩具や自転車、酒類分野、エディオンはリフォーム分野に注力しています。ノジマはシンガポールやカンボジア、マレーシアなどアジアでの海外展開の強化を図っています。

      生産性向上の取り組みも相次いでいます。ビックカメラやエディオンはPOSや基幹システムと連動することで、本部が価格を一括で変更することができる「電子棚札」を導入開始しました。

      売上が頭打ちの家電量販店にとって、新たなビジネスモデルの構築は大きな課題となっています。

    • ドラッグストアの2023年の売上は、対前年比8.2%増の8兆3,438億円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」」

      2020年はコロナ禍で業績を落す業界が多いなかで、ドラッグストア業界は好調でしたが、2021年は巣ごもりや買いだめ特需の反動から売上が鈍化しました。2022年には再び売上は増加しました。

      2023年は、近年取扱いを増やしている食品の値上げの他、インバウンドの増加などに伴う化粧品等の販売回復により、前年度比市場規模は拡大しており、コロナ禍以前の成長ペースに戻っています。2024年も、渡航制限の緩和により訪日中国人数が回復するなど、インバウンド需要が更に増加しており、市場の成長は続く見通しです。

      ドラッグストアの販売額は、店舗数の増加に比例しています。一方、店舗数の増加に伴い競争は激しさを増し、赤字店舗の増加によって収益性が低下しており、再編の動きも活発化しています。

      2021年10月、マツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合し、「マツキヨココカラ&カンパニー」が誕生しました。

      2024年2月ウエルシアHDとツルハHDが経営統合を発表し、業界再編に拍車がかかっており、スケールメリットの拡大を狙った大手事業者同士の連携や、大手事業者による中堅・中小事業者の買収は今後も増加していくものとみられます。

      近年ドラッグストアの売上を拡大してきた要因は食品分野の増加が考えられます。こうしたなかで、ドラッグストア各社はそれぞれの強みを活かした戦略をとろうとしています。

      これまで、新規出店やM&Aで規模を拡大してきましたが、調剤への注力や、専門性やPB商品の開発強化などに注力し始めています。

    • ホームセンターの2023年の売上は、対前年比―0.0%減の3兆3,411億円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」

      ホームセンターの販売額の推移を見ると、2019年までは横ばいで推移し、2020年はコロナ特需で増加に転じました。2021年・2022年は2年連続で減少し、2023年は微減でした。中長期的には横ばいで推移しています。

      2023年の売上高を分野別にみると「ぺット・ペット用品」が5.6%増で、ペット・ペット用品の増加ぶりが目立っています。

      近年、ホームセンター業界は新規出店で事業を拡大してきましたが、ここ数年は店舗増加や異業種との競合により飽和状態です。よって、新規出店のスピードを抑え、再編や新規事業の展開、プロ向け事業の強化などにシフトしています。

      2022年3月にはカインズが東急ハンズを完全子会社化するなど、業界内では再編に向けた動きが高まっています。

    • 家具・インテリアの2023年の売上について、良品計画を除き、ニトリ、島忠、イケア、ナフコ、東京インテリアといった大手は前年比マイナスという結果でした。

      2022年3月に政府が新型コロナの「まん延防止等重点措置」を全面解除してから、買い物に出かける消費者が多くなりましたが、家具・インテリア店の来店客数の増加になかなか結びつきませんでした。

      一方で、最大手のニトリの国内既存店の客数は24年1月から増加が続いています。

      大型家具需要が頭打ちの状態です。また、ここ数年、消費者のライフスタイルが大きく変化していることに加えて、インターネット通販やフリマアプリの台頭などにより、リアル店舗以外での消費活動が活発化しています。

      このような動向により、近年、生活雑貨を充実させて来店を促すビジネスモデルの展開が増えています。若者の都心回帰や車を持たない世帯の増加に伴い、雑貨を中心とした都市型店舗で、若年層などへの需要拡大を図っています。

    • アパレル業界2,443社の2023年業績は、売上高が4兆8,892億万円(前年比9.2%増)、当期利益が2,451億円(同41.0%増)で、2年連続で増収増益でした。(東京商工リサーチTSRデータインサイト 2024年5月)

      売上高上位には、ユニクロやアダストリア、ワークマンなど、SPA(製造小売業)体制を構築し、企画・製造・販売まで自社で一貫して行う企業が並びます。売上高のうち、ユニクロとしまむらで業界全体の売上の31.5%を占めています。

      コロナ禍による緊急事態宣言の発令や外出自粛、店舗の休業、消費低迷などで最も影響のあった2021年の売上は、コロナ禍前の2019年比88%と最悪でしたが、2023年は、2019年と比べて136億円上回りました。最終利益も2019年の1.5倍に増加しました。

      コロナ禍の期間中には、自社サイトで直接消費者と取引するD2Cファストファッション業者の台頭などにより、EC販売の市場が急速に拡大しました。

      大手アパレル小売業者のなかには、コロナ禍前から自社プラットフォームで販売チャネルを確保していた企業もあり、EC販売の増加や新規顧客の開拓をアフターコロナでの業績のプラス要因に挙げている例も多いです。

      また、ハイブランドの高価格帯を除き、アパレル小売業は値引きやセール販売が慣習化し薄利多売の傾向にありましたが、流通コストの削減や需要に合った商品投入などを進め、収益向上に舵を切る企業も増加しています。

      一方で、長引く円安や原材料価格高騰による仕入価格の上昇、人手不足など、アパレル小売業のコストアップ要因は解消していません。

      大手がSPA(製造小売業)体制による流通コスト削減や、EC対応により堅調に業績を伸ばす一方、EC対応への投資が進まない企業やスケールメリットの恩恵にあずかれない小・零細企業は、アフターコロナでも引き続き厳しい事業環境に置かれています。

面接では、「小売業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。また小売業界でも業態は様々であり、面接ではその業態に特有の質問があります。

コロナを契機にした小売業界のビジネスモデルの転換

コロナ感染拡大を経て大きく変容した人々の消費行動は、コロナの脅威が薄れてもコロナ前には戻りそうもありません。

リモートワークの定着や、外食機会の減少、ECやデリバリーの利用などは、コロナ禍での3年あまりの月日で人々の生活にすっかり根付きつつあります。

一方で消費者の行動で大きく変化しているのが節約志向の高まりです。ウクライナ情勢に端を発して、原材料費や燃料費などの各種コストが増加しました。これにより家庭の光熱費が高騰し、同時にメーカー各社が一斉に値上げを行ったことから、消費者の生活防衛意識が高まっています。

このようにコロナ収束下での消費行動の変化や、各種コスト増などの外部環境の変化を受けて、好調な業態、不調な業態と明暗が分かれています。

小売業界はこれまでビジネスモデルの見直しなどを進めてきましたが、新型コロナウイルスにより、ビジネスモデルの転換の加速を迫られています。

小売業界の各社が取り組んでいる電子商取引(EC)や、店舗の競争力を高めるための製造や物流を含めたITの活用など、ビジネスモデルの転換が加速することが予想されています。

また、小売業界は業態の垣根を超えた競争に突入しており、これまで以上に他社との連携や協業などにより競争力向上を図る動きも増えるでしょう。

コロナ禍を契機に加速し始めたビジネスモデルの転換は多くの企業で進む方向にあり、これをいかに上手に乗り切るかが今後の企業の成長を大きく左右するとみられます。

面接では、「今後も成長を維持するためにはどうしたら良いと思いますか」といったような質問がされるかも知れません。

小売業界の仕事

百貨店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア、量販店など小売業は、顧客のライフスタイルに合わせた価値ある商品・サービスを常に提供し続けることが仕事です。

小売業界に特徴的な職種として、販売職をはじめ、店長やバイヤー、商品開発、販売支援、物流管理などがあります。

販売職は、来店客のニーズを知り、顧客にあう商品を提案したり売ったりする仕事です。

店長は、店舗のリーダーとして、店舗運営や社員の管理・育成などを担当し、受発注管理などを行います。

バイヤーは担当する商品の選定や仕入、買付け、新規ルートの開拓などを行う仕事です。

商品開発は、百貨店やスーパーが、PB商品などを企画する仕事です。

販売支援は、マーケティング戦略の立案、店舗レイアウトの変更、新規出店計画、イベント・キャンペーンの企画・運営、広告やチラシの企画・作成などを行います。

物流管理は、商品の物流や在庫を管理します。これから店舗とインターネットの両方で販売する企業が増えることが想定され、在庫管理は複雑になります。

また、通販の場合は商品の届く速さと正確さも重要になり、物流管理は、今後ますます重要になります。

これら以外にも、事務職種として総務、人事、経理、経営企画などがあります。

小売業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが、面接で志望動機を答えるときに重要です。

また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。

まとめ

小売業界の各社に応募する人は、小売業界の基礎知識を身につけて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。

また、面接における質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。

この他にも業界の知識を積極的に吸収することが、面接の対策として必要です。

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マニュアルに沿って面接対策を進めることで、ライバルからグンと抜け出すことができます。詳細については以下のページをご覧ください。

小売業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。

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