【2024年】フードサービス業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
フードサービス業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、就職や転職の面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、フードサービス業界を取り巻く環境や仕事など、フードサービス業界に応募する人が就職や転職の面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
フードサービス業界とはどのような業界なのか
フードサービス業界とはどのような業界なのか説明します。
- フードサービス業界とは、大きく店舗で料理や飲料を提供する「外食」と、調理せずにそのまま食べられる食事を提供する「中食(なかしょく)」に分かれます。
外食は、ファーストフード、レストラン、食堂、そば、寿司店、喫茶店、居酒屋などの飲食店、学校・病院・老人ホーム・社員食堂などで提供される給食、飛行機に搭乗するとき提供される機内食など家庭外で食事を提供するサービス全般を指しています。
中食は、スーパーやコンビニなどの弁当や惣菜、ピザや寿司などの宅配サービスといった調理済の食品を購入し、家庭で食べる食事形態を指します。
- 飲食店は、基本的に似たような場所に集まりやすい傾向にあり、それがために競争も激化してしまいます。ここまで競争が激しい業種も他にはないといえます。
- フードサービスは、基本的には他社から食材を仕入れて店舗で調理し、提供するスタイルを取っています。
ですが、大手外食チェーンなどでは、省力化、品質の安定化のために「セントラルキッチン」と呼ばれる調理施設で食材を一括して調理し、配送先の店舗で食材を温めることで来店客に提供する仕組みを採用しているところもあります。
- 大手外食チェーンでは、フランチャイズ制を採ってコストを抑え、短期間で店舗を増やす企業や、自社内に複数の店舗ブランドを抱えて、より多くの顧客をカバーしようとする企業もあります。
- 給食について、学校の給食は原価や栄養バランスなどの条件が厳密に定められており、売り方の自由度が低い業態となっています。
また、競争入札によって受注する企業が決まることもあり、場合によっては過当競争が発生してしまいます。これらから、給食は「手堅く需要があるが、収益性が低い」という構造があります。
面接で志望動機を語るさいに、フードサービス業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
フードサービス業界を取り巻く環境と課題
- コロナ禍の影響で2020年の外食売上高は、2019年比30.7%減と、1994年の調査開始以来最大の下げ幅となりました。
2021年も、断続的に発表される緊急事態宣言等に伴い、2020年比6.9%減でした。
外食産業の2021年の市場規模はコロナ禍前の2019年比64.5%となって厳しい状況が続いています。
このうち、酒類の提供をともなう居酒屋、喫茶店など料飲主体部門が2019年比40.8%と苦戦が続いています。一方、食堂・レストランなどの飲食店は71.4%、学校・事業所・病院などの集団給食は87.7%でした。(日本フードサービス協会付属機関の外食産業総合調査研究センター)
コロナの影響は2021年が底とみられ、2022年からは回復が期待されますが、人手不足や食材価格・物流費などのコストアップが続く中でコロナ前の水準にどこまで戻せるかが焦点となりそうです。
- 人口減少による需要減への対応
国内で人口減少が進み、フードサービス業界では市場の劇的な拡大が期待しにくい状況となっています。
このため、ファストフードやファミリーレストランでは、季節限定や高級食材の利用、セットメニューやボリューム感のある商品など、高付加価値メニューを強化しています。
居酒屋は、新業態への転換が進んでいます。
また、外食業界では再編と海外展開が進んでいます。2019年8月にはゼンショーによるジョリーパスタの完全子会社化、2020年9月コロワイドによる大戸屋の子会社化が行われました。
ゼンショーや吉野家、すかいらーく、コロワイドは積極的に海外進出を図っています。
- 食の安全への配慮
食の安全に強い関心を持つ消費者が増加しており、外食・中食にも、そのような消費者のニーズに対応する動きがあります。
契約農家から安全な野菜を仕入れたり、自社植物工場で野菜を生産したりするなどの動きが活発化しています。
- 人材の確保難への取り組み
少子高齢化のよる働き手の確保が困難となっています。
このため大手各社は、自社の魅力を高めるために福利厚生制度の整備、残業削減などを行うことや、社内接客コンテストを開催して接客レベルの向上を図る取り組みを行っています。
その他、値上げやメニュー見直しを通じた原価低減、ロボット活用による省人化や調達・物流網の見直し等、オペレーション効率化も含めた収益力強化に向けた取り組みが重要になるとみられます。
- 福祉関連サービスの需要増
高齢者の増加に伴い、福祉関連サービスでの給食が増えていくことが予想されます。
入居型の施設だけでなくデイサービスやショートステイなどの短期利用でも食事が発生するため、高齢化にともない、利用者数が増えていくでしょう。
一方、最近、給食会社が介護施設に提供するサービスで増えてきたのが、「介護施設向けパック給食」といわれる完調品や半調理済み食材の導入です。
これは冷蔵または冷凍温度帯で納品される食材を10分程度湯煎し盛り付けるだけで食事が完成するもので、今後も成長が期待されています。
- 給食会社の中食への進出
仕事が多忙であるとか、高齢のために自分で食事を用意することが難しい、買い物になかなか行けない人々のために、給食のノウハウでそれらを改善する取り組みも行われています。
面接では、「フードサービス業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
フードサービス業界の仕事
フードサービス業界特有の仕事には、「商品・メニュー開発」「店舗開発・マーチャンダイザー」「バイヤー」「スーパーバイザー」「店長」「栄養士・管理栄養士」などがあります。
- 商品・メニュー開発は、消費者の食に対する嗜好を読んで、より売れる商品やメニューの開発に取り組みます。
- 店舗開発・マーチャンダイザーは、出店計画の立案、出店予定地についてのリサーチ、店舗形態や規模などを決定します。
- バイヤーは、商品の原材料の買い付けを行い、場合によっては生産者と共同で原材料の開発なども行います。
- スーパーバイザーは、複数の店舗を担当して、円滑な店舗経営のためのアドバイスや指導を行います。
- 店長は、店舗を運営する現場の責任者として、売上やスタッフの管理、育成などを行います。
- 栄養士・管理栄養士は、特に給食事業で「食事や栄養の指導」をすることや、献立作成や食材の発注、栄養素の計算など「食事の管理」を行います。
これら以外にも、コーポレートスタッフとして、経理、人事・総務、広報、情報システムなどの職種があります。
フードサービス業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが、面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
フードサービス業界各社に応募する人は、フードサービス業界の基礎知識を身につけて、就職や転職の面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接に向けて、フードサービス業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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フードサービス業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。