【2025年】自動車業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
自動車業界を志望する人が面接を受けるにあたって必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えができません。特に志望動機を答えるさいにこれらの知識がないと、入社への本気度が伝わりません。
この記事では、自動車業界に応募する人が面接で困らないための基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
自動車業界を取り巻く環境(完成車メーカー)
自動車メーカーは、軽自動車から乗用車、商用車まで各社ごとに様々な自動車を生産しています。国内外の市場は巨大で、トヨタグループ、日産連合などは生産台数で世界トップクラスです。
自動車関連産業の雇用者数は554万人で、全就業者数の8.2%を占めています。また自動車関連の製造分野の雇用者数は86.7万人です。さらに自動車本体の製造の雇用者数は17.9万人となっています。(総務省「労働力調査:2022年平均」等)
また、2021年度の自動車関連の出荷額は56兆3,679億円であり、製造業の17.1を占めており、これは全製造業のなかでダントツ一位です。(経済産業省「経済構造実態調査」2022年)
自動車は約3万点の部品からできており、自動車メーカーは自社で部品を製造することや、部品メーカーに生産委託して、仕入れた部品を工場で組み立てて、自社系列の販売会社に卸して販売しています。
自動車業界は日本を代表するグローバル業界であり、世界を舞台に活躍の場が広がっています。
- 市場は半導体不足解消などにより販売台数は回復
- 日本国内では少子化による人口減少や若者のクルマ離れが進んでおり、長期的にみても市場の成長は厳しい状況になってきています。そこで自動車メーカー各社は北米や成長著しい中国・アジアなどの海外市場を開拓してきました。
- 2023年の世界の自動車販売台数は、サプライチェーン正常化に伴う需要や半導体不足の解消等を背景として前年を上回る水準で推移し、通年では前年比+9.6%増の86.6百万台でした。
2023年度の国内乗用車メーカー各社の業績は、半導体等の部品・部材不足解消による生産台数の回復に加え、海外を中心とした価格改定の効果や円安を追い風として、各社とも増収増益でした。
原材料価格や人件費等のコスト上昇圧力が強まるなかで複数のメーカーが過去最高益を計上するなど、概ね好調な決算となりました。
- 政府の買換需要促進策が打ち出されている中国や、HEVを含む電動車の需要が旺盛な北米が引っ張るかたちで、2024年の世界の自動車販売台数は89.1百万台と前年比+2.8%の増加が予測されています。
- 2023年のBEV(Battery Electric Vehicle)販売台数は欧州・中国を中心に続伸し、世界全体での販売比率は12.8%(前年比+1.9%)まで上昇しました。
2024年も中国での根強い需要があり、BEV販売台数は増加すると予測されていますが、欧米を中心として利便性の観点からHEV(Hybrid Electric Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)の需要が高まるなか、BEVの伸び率は鈍化する見込みです。
- 次世代技術の開発を競う
自動車業界の将来を考えるうえで近年キーワードとして使われる言葉に「CASE」があります。「CASE」とはConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電動車)の頭文字をとった造語です。
自動車業界の新たな指針となっている「CASE」は、今後も異業種を巻き込みながら業界に変革をもたらし、自動車や移動の概念を少しずつ変えていくものと思われます。
■電動車
世界各国で自動車への環境規制が強まる中、走行中に二酸化炭素を排出しないエコカー(環境順応車)が進化しており、電動車として、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の3分野を主軸に開発が進められています。
電動車の普及はバッテリー技術の進歩にかかっており、世界的にリチウムイオン電池や全個体電池の開発競争が激化しています。
■自動運転
エコカーについで開発競争となっているのが自動運転です。カメラやセンサーなどで周辺状況を把握し、対向車や歩行者の動きを検知してブレーキをかけるなど交通事故の削減を目指しています。
各社は実用化に向けて開発を加速させています。ある大手コンサルタント会社では、2035年には世界の新車販売の4台に1台にあたる台数が自動運転車になると予測しています。
■コネクテッドカー
常時インターネットに接続しているコネクテッドカーの研究開発について、トヨタはNTTと、ホンダはソフトバンクとの共同開発を進めています。
こられ「CASE」の先進技術に対応するためには莫大な研究費がかかるため、1社ですべてを賄うのは不可能です。このため、他社と協力することにより、新技術の開発に対応していこうという取り組み(アライアンス)の動きが今後も広がることが予想されます。
以上のような自動車業界をとりまく環境について知っていると、グループディスカッションや面接での質問に役に立ちます。
例えば面接で「CASEの意味を知っていますか」といった質問がなされることがあります。
自動車業界の仕事(完成車メーカー)
自動車メーカーは大きくまとめると、①研究 ②試作品の作成 ③テスト ④生産 ⑤販売のステップで自動車をつくり、消費者のもとに届けています。社員は、これらのステップごとにそれぞれの仕事をこなしています。
事務系の仕事としては、通常のメーカーにある事務系のほとんどの仕事があります。特に、商品企画、営業企画、アフターサービスなどが特徴的です。
技術系では先端研究、量産開発、生産技術、生産管理などがあります。どのような職種でも世界中を舞台に活躍できる機会があります。
一方、女性を中心に転勤のない地域社員(一般職)も働いています。
自動車メーカーの新入社員の大半は、まずは販売会社に出向するか直営のディーラーに勤務することで現場の経験を積むことが一般的です。
事務系採用の人は販売をし、技術系採用の人は整備をします。直接お客様と接して、お客様の生の声を聴く経験があるからこそ、本社に戻ってから販売支援や研究開発が本質をつかんだものになるとの目的をもっています。
自動車業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが志望動機を答えるときに重要です。また、事前に把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
自動車業界を取り巻く環境(部品メーカー)
- 2021年度の自動車部分品・付属品製造業の出荷額は34兆7,436億円であり、製造業の10.5%を占めています。(経済産業省「経済構造実態調査」2022年)
- 自動車一台には約3万点の部品が必要とされており、500社ほどの自動車部品メーカーが自動車メーカーに部品を供給しています。自動車メーカーだけで車を作ることはできず、自動車部品メーカーの部品供給により自動車は完成されます。
また、自動車部品と言っても、エンジン、変速機、サスペンション、シート、ブレーキ、ハンドル、ECU(エンジンコントロールユニット)、熱交換器、ワイヤー、電子制御システム、エアバッグ、EPS(電動パワーステアリング)など多くの種類があります。
- 自動車部品メーカーには、これらの部品をトヨタ、日産、ホンダなど自動車完成車メーカーに直接供給するメーカーと、その部品メーカーに部品、材料を供給している中堅、中小メーカーがあり、自動車産業は非常にすそ野が広い業種です。
自動車部品メーカーは、トヨタ系、日産系、ホンダ系など大手自動車メーカーの系列企業、独立系企業、海外系企業に分かれます。
大きなシェア占めるのが系列企業で、トヨタ自動車は傘下にデンソー、アイシン精機、豊田自動織機、豊田合成などの大手自動車部品メーカーを抱えています。
- 大半の自動車部品メーカーは、自動車に使用されるいずれかの部品に特化した設計・製造を行っており、メーカーごとにそれぞれ異なる専門性やノウハウを有し、その分野での技術力に強みを持っています。
しかし技術力のある部品メーカーといっても自社の力だけでは自動車メーカーの要求全てに答えることはできません。そこで自動車メーカーと協力体制をとりながら、製品の開発を進めていくことになります。
自動車部品メーカーの仕事の流れとしては、①コンペ ②営業の提案 ③受注 ④計画 ⑤生産となります。
「来年の新型自動車発売に向けて××の部品についてコンペをしたい」と自動車メーカーから連絡が入ります。
新型自動車のイメージ、スペック、予算などが知らされると、営業が中心になってコンペの準備を行っていきます。
コンペで他社に勝ち、受注が決まると社内で採算が合うように計画を考えます。採算を前提に考えるのではなく、まずは受注してから決められたスペック、予算を達成する方法を検討します。
営業、資材調達、生産部門といった関係者が集まり、受注要件を満たしながら利益をどうやって出すか案を出し合うことになります。このようにして方向性が固まると工場での生産がスタートします。
- 自動車部品メーカーの業績は、事業戦略はいうまでもなく、完成車メーカーの生産計画に常に左右されます。自動車メーカーの新興国での現地生産化に伴い、部品も価格の安い現地製品を使用する方向へいく可能性があり、受注競走は厳しさを増しています。
- 電気自動車(EV)の普及は、従来のエンジンをモーターに置き換えるため、四輪自動車の駆動系の構造が大きく変化し、使用する自動車部品や技術は、従来のものと大きく変わります。
エンジンが無くなれば、エンジン関連の精密機械加工、熱処理、メッキや板金加工を担う自動車部品メーカーの需要が無くなります。一方、モーター、インバーター、駆動用電池の需要が大きく増えます。
このため、エンジンの自動車部品メーカーはビジネスモデルの転換を求められる一方で、電気・電子部品メーカーにとって大きなチャンスとなります。
- 環境性能を向上させる部品、自動運転を実現に導く製品の開発力が今後の成長を左右します。そのため今後は業界再編の動きも加速化していきそうです。
自動運転などでIT企業と手を結び、AIを活用した車載製品を共同開発する動きも世界中で活発化しています。
さらに生き残りをかけ、自動車向けに培った技術を生かし自動車以外の領域に進出する動きも活発化しています。
- 事業活動においてカーボンニュートラルを目指す動きが顕著になってきています。将来は、CO2排出量の多寡が、部品の競争力に直結する可能性があります。
以上のような自動車部品業界をとりまく環境について知っていると、グループディスカッションや面接での質問に役に立ちます。
例えば面接で「自動車の自動運転化が部品産業に与える影響がわかりますか?」といった質問がなされることがあります。
自動車業界の仕事(部品メーカー)
自動車部品業界の仕事は、通常のメーカーが持つ様々な職種があります。
事務系では、営業、調達、生産管理、事業企画、経理・財務、人事などがあります。
技術系では、研究開発、生産技術、品質保証、品質管理などがあります。
もし、自動車部品に欠陥やなんらかの不具合が生じた場合、自動車生産台数の多さから大規模なリコールとなります。部品によっては人命に直結する恐れもはらんでいます。
このため自動車部品は、他の製造メーカーの製品より徹底した品質保証が求められます。よって品質保証は非常に重要な仕事となります。
自動車部品業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが志望動機を答えるときに重要です。また、事前に把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
自動車や自動車部品メーカーに応募する人は、自動車業界をとりまく環境を理解しておいて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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自動車各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。