【2026年】専門店に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
専門店を志望する人が面接を受けるにあたって必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えができません。特に志望動機を答えるさいにこれらの知識がないと、入社への本気度が伝わりません。
この記事では、専門店に応募する人が面接で困らないための基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
専門店とはどのような業界なのか
特定のジャンルの商品に特化して販売する専門店は、小売業者(リテーラー)と呼ばれ、自社店舗でさまざまな専門の商品をメーカーや卸売業者から仕入れ、消費者に販売しています。
専門店は多種多様な商品を取り扱っています。
家電量販店、ドラッグストア、ホームセンター、カー用品店、衣料品店、雑貨・家具、おもちゃ、眼鏡など実に様々です。
最近はアマゾンなどのインターネット通販による格安販売などにより、総じて苦戦が続いています。
一方、アパレルや家具、雑貨などでは、「SPA(製造小売り業)」と呼ばれる、商品企画・開発から製造、物流、販売までを自社で一貫して行う企業が増えています。
これにより消費者のニーズを商品企画に反映し、店舗での売れ行きによってタイムリーに生産や、在庫管理を行うことができます。
ニトリやユニクロなどが代表例です。
また近年は自社オンラインショッピングサイトにおいて商品を販売する企業や、海外に販路を拡大している企業も多く、特に中国やアジア地域への出店が拡大しています。
面接で志望動機を語るとき、専門店とはどのような業界なのかを知っていることが大切です。
専門店を取り巻く環境と課題
- 家電量販店
- 家電量販店の2024年度の売上は、対前年比3.5%増の4兆7,917億円でした。(経済産業省「商業動態統計2025年4月」)
コロナ禍での巣ごもり需要によるテレビやパソコン需要が一巡し低迷していますが、エアコンなどの「生活家電」や「情報通信機器」、「音響映像商品」、家電以外の「その他商品」(医薬品、酒類、寝具など)の売上が好調でした。
- 差別化が難しい家電量販店は、価格競争と店舗拡大により規模を大きくしてきましたが、市場は成熟化し、大きな伸長が見込めない踊り場を迎えています。長期的な人口減少や世帯数の減少が大きな影を落としています。
近年では、ネット通販の拡大による市場パイの減少、実質賃金低下や物価上昇による生活防衛意識の高まりなどで市場環境は厳しさを増しています。
さらに、「コト消費」の拡大など消費者ニーズの変化も見られます。コロナ禍の需要は一巡したと見られており、「新規出店による拡大」といった従来のビジネスモデルが通用しなくなっています。
- こうした傾向を受け、家電量販店大手各社は将来への布石を模索しています。
家電販売だけでは成長が難しいと判断して、「脱家電」を掲げ、住宅リフォームや家具、家具・家電の複合型店舗、ECサイト強化、携帯キャリア事業進出など、事業の多角化を進める戦略が加速しています。
ヤマダは家電だけでなく、家具、リフォーム商材などを扱う「LIFE SELECT」業態を展開し、全国に店舗を拡大しています。
ヨドバシカメラは、ECサイトに強みを持っており、EC事業を拡大しています。
ノジマは、携帯電話販売大手のコネクシオを連結子会社化し、携帯キャリア運営事業の売上が大幅に伸長しました。
エデイオンは、家電と家具の融合を図るべく、ニトリと提携して連携を進めています。
生産性向上の取り組みも相次いでいます。ビックカメラやエディオンはPOSや基幹システムと連動することで、本部が価格を一括で変更することができる「電子棚札」を導入開始しました。
売上が頭打ちの家電量販店にとって、新たなビジネスモデルの構築は大きな課題となっています。
- 家電量販店の2024年度の売上は、対前年比3.5%増の4兆7,917億円でした。(経済産業省「商業動態統計2025年4月」)
- ドラッグストア
- ドラッグストアの2024年の売上は、対前年比6%増の9兆円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」」
引き続き旺盛な出店と食品の値上げを主な要因とし、インバウンド需要の伸長等による化粧品売上の増加や、各社で調剤薬局の併設が進んだことによる調剤医薬品売上の増加等も市場拡大を後押ししました。
- ドラッグストアの販売額は、店舗数の増加に比例しています。一方、店舗数の増加に伴い競争は激しさを増し、赤字店舗の増加によって収益性が低下しており、再編の動きも活発化しています。
2021年10月、マツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合し、「マツキヨココカラ&カンパニー」が誕生しました。
2025年12月にツルハHDとウエルシアHDの経営統合が完了し、売上高2兆円、店舗数5,600超の巨大ドラッグストア企業が誕生します。
このような大手同士の連携や中堅・中小ドラッグストアの買収等、スケールメリット拡大に向けた動きは今後も続くとみられます。
更に、生鮮食品や惣菜の取扱いを強化するための食品スーパーの買収や、調剤市場におけるシェアアップを目指した調剤薬局の買収等、業界の垣根を超えたM&Aも進むものと思われます。
- ドラッグストアの2024年の売上は、対前年比6%増の9兆円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」」
- ホームセンター
- ホームセンターの2024年の売上は、対前年比1.73増の3兆3,987億円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」
ホームセンターの販売額の推移を見ると、2019年までは横ばいで推移し、2020年はコロナ特需で増加に転じました。2021年・2022年は2年連続で減少し、2023年は微減でした。中長期的には横ばいで推移しています。
分野別では「DIY用具・素材」が最も多く7,740億円、以下「家庭用品・日用品」が7,357億円、「園芸・エクステリア」が5,206億円となっています。
- 近年、ホームセンター業界は新規出店で事業を拡大してきましたが、ここ数年は店舗増加や異業種との競合により飽和状態です。
オンライン通販企業(Amazon、モノタロウ)や、ニトリ、良品計画などの専門店、ドラッグストアとの競争が激しく、一部の市場を奪われています
さらに今後は人口減少により市場縮小が予測されます。
大手企業を中心として業界再編が進み、M&A、独自性の高いプライベートブランド(PB)開発、プロ向け事業の強化、EC(電子商取引)、異業種との連携など、生き残りをかけた多様な戦略を展開しています。
2022年3月にはカインズが東急ハンズを完全子会社化しました。
- ホームセンターの2024年の売上は、対前年比1.73増の3兆3,987億円でした。(経済産業省「商業動態統計2024年4月」
- 家具・インテリア
- 家具・インテリア業界の主要7社の2024年度売上高合計は、前年比31%増でした。(日経コンパス 2025年8月)
単身世帯の増加に伴い、省スペース化や機能性に優れた実用的な家具への需要が高まっており、EC市場(BtoC-EC)の成長も業界全体を牽引しています。
- 家具・インテリアの小売業者には、内外の家具・インテリアのメーカー・卸から商品を仕入れて販売する専門店や、ホームセンター、製品企画から販売までを自社で手がけることで価格競争力を高めたSPA(製造小売リ)チェーンがあります。
このうちSPAチェーンは、品ぞろえの豊富さとともに手頃な価格を求める消費者ニーズに応える形で台頭し、国内市場をリードしています。
SPAチェーンの代表格が国内売上高1位のニトリホールディングス(HD)や2位のイケア・ジャパンです。ニトリは物流、IT(情報技術)も重視した「製造物流IT小売業」を標ぼうし、中間コスト削減を徹底しています。
- 家具・インテリアEC市場は成長を続け、EC化率も上昇しています。
消費者が自宅にいながら家具を購入する機会が増え、AR/VRを活用したバーチャルショールームの導入や、配送・組み立てサービスの充実、カスタマイズオプションの提供など、オンラインでの顧客体験向上に向けた取り組みが進んでいます。ECチャネルの重要性は今後ますます高まっていくものと思われます。
また、成長が見込める東アジアや東南アジアなど、グローバル展開を積極的に進めるニトリや良品計画が業績を伸ばしており、グローバル化と事業領域の拡大が成長のカギとなっています。
- 家具・インテリア業界の主要7社の2024年度売上高合計は、前年比31%増でした。(日経コンパス 2025年8月)
- アパレル
- 2024年のアパレル業界は、猛暑の影響で秋冬物が伸び悩む一方で、ファーストリテイリングや良品計画、しまむらなどの大手は「機能性商品」の販売や「EC強化」で増収・増益を達成しました。
特にしまむらはPB拡充や価格戦略で売上と利益の過去最高を更新し、オンワードホールディングスは猛暑に対応した機能性商品の販売やクリック&トライなどのOMOサービスが成果を上げました。
- アパレル企業を取り巻く経営環境は、19年10月の消費税増税、それに続く暖冬、20年からの新型コロナ禍で激変しました。2021年から2023年にかけて3年連続で売上が拡大し、2024年もコロナ禍前の水準に向けて回復を続けている状況です
- コロナ禍の期間中には、自社サイトで直接消費者と取引するD2Cファストファッション業者の台頭などにより、EC販売の市場が急速に拡大しました。
また、ハイブランドの高価格帯を除き、アパレル小売業は値引きやセール販売が慣習化し薄利多売の傾向にありましたが、流通コストの削減や需要に合った商品投入などを進め、収益向上に舵を切る企業も増加しています。
一方で、長引く円安や原材料価格高騰による仕入価格の上昇、賃上げや人手不足など、アパレル小売業のコストアップ要因は解消していません。
大手がSPA(製造小売業)体制による流通コスト削減や、EC対応により堅調に業績を伸ばす一方、EC対応への投資が進まない企業やスケールメリットの恩恵にあずかれない小・零細企業は、アフターコロナでも引き続き厳しい事業環境に置かれています。
- オンワードなど、クリック&トライなどのOMO(Online Merges with Offline)サービスの拡大が増収に貢献する企業も見られました。
消費者はオンラインとオフラインの利便性を両立させたいというニーズを持っており、より便利でパーソナライズされたサービスを求めています。スマートフォンの普及やモバイル決済の進展など、デジタル技術が生活に深く浸透したことで、OMOサービスのようなオンラインとオフラインの一体化が容易になりました。今後に要注目です。
- 2024年のアパレル業界は、猛暑の影響で秋冬物が伸び悩む一方で、ファーストリテイリングや良品計画、しまむらなどの大手は「機能性商品」の販売や「EC強化」で増収・増益を達成しました。
以上のような専門店をとりまく環境と課題について知っているとグループディスカッションや面接での質問に役に立ちます。
例えば面接で「専門店の課題は何だと思いますか?」といった質問をされることがあります。
専門店の仕事
主な職種は販売、スーパーバイザー(店舗経営指導)、マーチャンダイザー(新商品計画、販売促進計画)、バイヤー(仕入れ担当)、ロジステックス(物流)、広告宣伝などです。
ほとんどの場合、入社すると店舗で販売職として働き、ある程度経験を積んでから希望、適性により別の職種へと配属されます。なかには入社半年程度で店長になれる企業もあります。
このうちスーパーバイザーは、複数の店舗を巡回し、商品構成やディスプレーの方法を伝え、接客教育の支援・指導を行うなど店舗経営指導を行っています。流行の見極めや商品に対する確かな専門的知識、マーケティング能力が要求される職種です。
専門店ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが志望動機を答えるときに重要です。また、事前に把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
専門店に応募する人は、業界をとりまく環境と課題を理解しておいて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。
加えて、面接対策(まさに、これこそが重要!!)を完全にしたい就活生や転職希望者のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアルの販売を行っています。役に立つこと請け合いです。
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専門店各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。