【2025年】鉄道業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
鉄道業界を志望する人が面接を受けるにあたって必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えができません。特に志望動機を答えるさいにこれらの知識がないと、入社への本気度が伝わりません。
この記事では、鉄道業界に応募する人が面接で困らないための基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
鉄道業界とはどのような業界なのか
鉄道事業の中核の事業は、電車や新幹線などにより旅客や貨物の輸送サービスを提供することです。よって収益アップのためにはいかにたくさんのお客様に鉄道を利用してもらうかがカギです。
また、鉄道事業は公益事業の性格を持っており、免許制度によって地域独占が認められています。
そのため、運賃の改定については国土交通大臣の許可が必要となっています。なので、物価の上昇に対して運賃値上げが後追いにならざるをえません。
そういった鉄道事業の特殊性を補うため、鉄道各社は以前から多角的に事業を展開してきました。
すなわち、各社の鉄道沿線で、不動産開発をはじめ、百貨店、スーパー、ホテル、レジャー施設、バス、タクシーなど多角的に事業を展開して収益を確保すると同時に、鉄道利用客の拡大を図ってきました。
一方、本業の鉄道輸送サービスにおいて、JR各社では出張などビジネス需要の増加や、観光地を訪れる訪日外国人の増加により新幹線の利用が伸びています。
リニア中央新幹線は2027年の開業をめざしていましたが、工事の進捗が遅れており、JR東海は早くても2034年以降になるとの見解を表明しました。
長期的に見れば鉄道業界は厳しい状況にあります。
クルマの自動運転技術の進歩、航空機との競争など交通手段の多様化や、人口減少の影響、インターネットの普及もあって鉄道による移動ニーズが落ちてくることが予想されます。
製造業の海外移転が加速するなかビジネス需要が縮小することも不安視されています。
将来的に運賃で収益を大きく伸ばせる見込みは少なく、鉄道会社は多くの人が集まるという駅の特性を活かし、駅の敷地内スペースや建物を活用した商業施設を拡大しています。
都心などの主要駅では、駅の中にいながら気軽に買い物や食事が楽しめる駅のエンターテインメント化が加速しています。東京駅が、訪日外国人の人気の観光名所となっているのはその象徴です。
そのようなエキナカビジネスを最初に行ったのはJR東日本ですが、主要な私鉄各社も駅の商業施設を拡大しています。
このような鉄道以外の分野での成長が、企業運営の大きなカギを握ることになると思われます。
また長年培ってきたノウハウを活かして、海外展開に力を注ぐ動きも活発化しています。
JR東海では米国でリニア新幹線を展開中で、JR東日本はインドで鉄道事業を展開しています。さらに経済成長著しい東南アジアでは交通渋滞が問題となっているため、今後東南アジアでの鉄道需要は高くなると予想されます。
このように、JR各社にみられるような、車両技術や運行システムを一体化させたビジネスモデルや、コンサルティングを売り込むなど、海外でのビジネスチャンスも拡大しています。
面接で志望動機を語るとき、鉄道業界とはどのような業界なのかを知っていることが大切です。
鉄道業界を取り巻く環境と課題
- コロナ禍で落ち込んでいた鉄道各社の収益は回復が鮮明になっています。
JR本州3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)の24年3月期連結決算は、純利益合計が前期比67%増の6,796億円となりました。3社合計の鉄道運輸収入はコロナ禍前の19年3月期との比較で95%の水準まで回復しました。
コロナ禍が一段落し、鉄道利用が回復したことや、インバウンド需要拡大が下支えとなりました。
24年4~6月期は連結純利益が3社とも2ケタ増となりました。JR東日本・西日本では北陸新幹線の延伸効果も出ています。JR東海の運輸収入はコロナ禍前の18年4~6月期を上回っています。
人流の回復で私鉄各社も鉄道のほかホテルやレジャー事業も好調で業績が軒並み改善しています。24年3月期の連結営業利益は東急が前期比2.1倍、西武ホールディングス(HD)も同2.1倍となりました。
- JRでは、2027年開業延期のリニア中央新幹線に焦点が集まるなか、2022年9月には武雄温泉-長崎間を結ぶ「西九州新幹線」が開通しました。
2024年3月に北陸新幹線(金沢~敦賀)が開通する一方、2030年度末には北海道新幹線(新函館北斗~札幌)が開通予定となっていましたが、札幌五輪断念を受け2031年以降に延期となりました。
- 近年鉄道会社は非鉄道事業に注力していて、鉄道事業の売上にも貢献しています。
JR東日本は、2023年2月、東急不動産HDと住宅や不動産、ホテル事業で包括提携しました。2024年5月にはデジタル金融サービス「JRE BANK」を開業し、同年6月からは駅のロッカーで日本郵政グループの宅配便「ゆうパック」を受け取れるサービスを始めました。
私鉄は、不動産、流通、運輸、レジャーやリゾートなどの事業を強化しており、「非鉄道事業」の売上比率は高くなっています。
起点駅ではオフィスビルや百貨店、ショッピングセンターや駅ナカ、駅周辺にはマンションを展開し、沿線上には戸建てやマンション、スーパー、終点駅にはホテルやレジャー施設を展開しています。
バスの運行や旅行業、クレジットカードや交通系ICカードなど様々な事業を展開しています。民泊の参入や農業の第6次産業の支援などにも取り組んでいます。
渋谷駅再開発の一つである東急スクランブルスクエアの商業施設は,東急電鉄、JR東日本、東京メトロが共同で開発しており、ライバル企業と組んだ地域開発も行われています。
鉄道業界の多角化は沿線の価値を高め、鉄道の利便性や利用率を高めてくれます。
- 少子高齢化による人口減少対策として、鉄道業界は各種サービスの強化を図っています。
鉄道各社は、他の交通事業者と連携し、新たなモビリティーサービスMaaS(マース)に参入しています。
MaaSとは利用者の目的に合わせて、複数の移動手段を組み合わせるサービスで、検索から予約、決済がすべて行うことができるものです。
また、高齢者の多い地域では移動の困難解消へ向けた郊外型サービスの提供を始めています。
人口減少による客数減対策として、同業他社のみならずあらゆる業種との連携が今後も増えていくものと考えられます。
面接において、「鉄道業界の課題は何だと思いますか?」といった質問がなされるかも知れません。
鉄道業界の仕事
主な募集職種は事務系、技術系、運輸系に分かれています。
事務系では運行管理、販売管理、総務、営業、企画、観光、IT、鉄道車両の安全管理などの仕事があります。
技術系では電気、機械、土木、建築、ITなどの仕事があります。
鉄道の運行に直接かかわる運輸系では車掌、駅係員、運転士などがあります。
鉄道業界は昔から不規則なシフト勤務で男性中心の職場でした。しかし最近は女性社員が鉄道現場の第一線で活躍する姿が増えてきています。
鉄道業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが志望動機を答えるときに重要です。また、事前に把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
鉄道業界各社に応募する人は、業界をとりまく環境と課題を理解しておいて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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鉄道業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。