【2025年】精密機器業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識

2024.10.09 更新
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精密機器業界を志望する人が面接を受けるにあたって必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。

これらの知識を持っていないと、面接での受け答えに困ってしまうこともあります。

特に面接で志望動機を答える際に、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。

ここでは、精密機器業界を取り巻く環境や仕事など、精密機器業界に応募する人が面接で役立つための基礎知識を紹介します。

ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。

目次
  1. 精密機器業界とはどのような業界なのか
  2. 精密機器業界を取り巻く環境と課題
  3. 精密機器業界の仕事
  4. まとめ

精密機器業界とはどのような業界なのか

精密機器業界とはどのような業界なのでしょうか?

精密機器とは極小の部品で構成された機械装置を指し、電子制御やソフトウェア制御によって精密な動作が可能な機器のことです。

精密機器の定義は曖昧であり、以前は時計、カメラ、オルゴールなどが代表格でした。現在でも明確な分類はありません。

しかし一般的には、光学機器、事務機器、医療用機器、計測機器の4業種ととらえられており、これらをまとめて精密機器業界と総称しています。

精密機器業界のビジネスモデルは①一般消費者が商品を購入するカメラや時計などのBtoC、②企業や研究機関が購入する事務機器、計測機器などのBtoB、の2つがあります。

この②の場合は、様々な分野の産業と密接に関係しています。

精密機器メーカーとしては島津製作所、キヤノン、ニコン、カシオ計算機、シチズン時計、セイコーエプソン、リコー、富士フィルム、コニカミノルタなどがあります。

実態として、主な精密機器メーカーは光学機器、事務機器、医療用機器、計測機器の4分野にまたがって事業展開しています。

つづいて精密機器業界の業種ごとの特徴をみてみます。

  • 光学機器

    カメラについては、かつてのコンパクトデジタルカメラがスマートフォンの普及により代替され、市場が大幅に縮小しています。

    そのためにコンパクトデジタルカメラの製造は縮小、撤退の動きにあります。一方、一眼レフやミラーレスの交換式カメラはプロや写真愛好家に支えられてきました。

    全体としてはカメラの成長が期待しにくいため、カメラ開発で培った技術を印刷や医療、ネットワークカメラ、情報ネットワーク事業などのBtoB事業に応用展開しています。

  • 事務、OA機器

    コピー機やプリンター、ファックス、複合機といった事務機器、OA機器は、オフィスに必ず設置される機器です。ですから関連メーカーは高度成長を遂げ、世界的にも高いシェアを誇っています。

    しかし、インターネットの普及が進み、オフィスでも一人一台のパソコンが当たり前になっている現在、データや情報を紙でやりとりする必要性が大きく減少しています。

    このためオフィスのデジタル化、ペーパーレス化の流れは関連メーカーに大きな影響を与え、価格競争が繰り広げられています。

    現在、各社は企業内ネットワーク構築の課題を企業と共有し、オフィスのシステム全体をまとめてデザイン・提案する課題解決のソリューション営業を行っています。

    その中で事務機器、LAN、通信機器などと一体となった文書管理システムを提案し、製品を販売しようとしています。

    また、事務機器ビジネスは各社とも海外向けの比率が高くなっています。先進国ではペーパーレス化が進んでいるため、新興国向けビジネスに取り組んでいます。

    低価格モデルを開発したり、ランニングコストを低く抑えたりすることで、製品のライフサイクル全体のコストを抑える提案が重要となっています。

  • 医療機器

    医療機器メーカーは、医師や病院の購買部門へ製品情報を提供したり、納入後のサポートを行ったりします。

    医療機器の販売先は販売会社や医療機器卸企業となるのが一般的です。

    医療機器業界は景気の動向を受けにくいとされています。

    医療機器は、先進国の高齢化や新興国の所得向上などにより今後も世界的な需要の高まりが考えられ、将来が期待されます。福祉・介護施設への需要も堅調な推移を見せています。このため、異業種からの参入も相次いでいます。

    オリンパスの内視鏡は世界で圧倒的なシェアを誇っています。

    関連各社は自社の得意分野を活かした製品や、M&Aなどにより医療機器分野へ軸足を移そうとしています。

  • 計測機器

    計測・分析機器は「顕微鏡」、「分光計」、「表面分析装置」、「磁気共鳴装置」、「X線分析装置」等に分類されます。

    計測分析が行われる場所は、主に大学や企業の研究所などですが、最近は生産現場や医療現場などに広がりを見せています。

    販売は専門商社・販売会社を通して行われています。

    安倍元政権の新成長戦略のなかでは、政策的・社会的意義が高い先端的研究開発が支援対象となり、理工系や生物・医学系の幅広い研究領域が予算化されました。計測・分析機器はそうしたイノベーションを生み出す基盤を担っているため、これら機器の技術革新について高い関心を集めています。

精密機器メーカーはその他半導体製造装置など産業機械分野にも進出し、高いシェアを誇る企業も出ています。

精密機器業界の面接を受けるにあたっては、精密機器業界とはどのような業界なのかを知っておくことが必要です。

面接では「スマートフォンがデジタルカメラにとって代わる時代に、当社が生き残るためには、どのような施策を打てば良いと思いますか?」といった質問がなされるかも知れません。

精密機器業界を取り巻く環境と課題

  • 精密機器は日本が最も得意とする分野であり、世界の他の国を大きくリードしています。

    中国などと比べても技術力の差が大きく、当分は日本の精密機器業界は安泰といえます。

    このような優位性から、各社とも海外売上比率が高く、そのため貿易摩擦や為替、景気変動に大きく影響を受ける業界でもあります。

    しかし、これからも特に新興国市場へ積極的に展開していくことが予想されます。

  • 2023年のデジタルカメラの総出荷台数(2024年2月公表)は、前年比3.6%減の772万台となりました。(カメラ映像機器工業会:デジタルカメラ統計)

    デジタルカメラ総出荷台数の推移では、2011年の1億1,552万台から、2023年の12年で約93%減少しています。

    カメラ市場が大幅に減少している理由はスマートフォンの台頭です。

    最近ではインスタ映えを狙いスマートフォンとの差別化を図ろうと、小型軽量で扱いやすいミラーレスカメラが女性からの支持を集めています。

    また、アジアでのミラーレスカメラの販売台数も増えているため、各メーカーはアジアでの販売に力を入れ、生産ラインの強化や新製品の発売などミラーレス分野に注力をしています。

    さらに各社はスマートフォンとの差別化を鮮明にしており、超高画質の機種やプロ向け機種を市場に投入し、今後は高級機クラスの競争が激化することが想定されます。

  • 事務、OA機器について、ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)によると、2023年の事務機器総出荷額は1兆7,941億円 (前年比3.7%減)と好調だった前年度の反動減となりました。

    国内向けは3,319億円 (同4.6%減)、海外向けが1兆4,622億円 (同3.5%減)でした。品目別では「デジタル印刷機」が988億円(同30.6%増)と絶好調でした。

    事務、OA機器の国内市場は、業務手続のデジタル化がさらに進み、オフィスでのプリント需要も縮小し続けると考えられ、長期的に見れば市場は縮小トレンドです。

    そのためITサービスの強化で、収益の向上を目指しています。国内では業務効率化や生産性向上などで企業がDXを進めており、大手OA機器では中堅・中小企業のDX支援を強化して収益の向上を目指しています。

  • 医療機器について、厚生労働省「薬事工業生産動態統計年報」によると2022年の国内生産金額は2兆5,829億円(前年比0.8%減)でした。近年では医療機器の輸入が増加傾向にあり、輸入金額は2兆9,180億円(同6.5%増)でした。

    医療機器業界は、医療機器の輸入超過、多額の研究開発費、優秀な人材の確保などの課題があります。

    日本の医療機器メーカーは、伝統的に「診断関連機器」を強みとしますが、ニーズが高いのは「治療関連機器」です。「治療関連機器」は海外メーカーに依存することが多いので、輸入超過になりやすい構造となっています。

    医療機器で近年注目されているのがAIの医療機器への活用です。富士フイルムHDでは、CTや内視鏡画像からの診断などAIの「ディープラーニング」を用いた製品開発を進めています。

    医療従事者不足が進む昨今において、業務効率化は必須とされておりAIを活用した医療機器の開発がさらに進むことが想定されます。

    これからも、市場を拡大していくと予想される医療機器業界ですが、日本を含め各国の医療費はひっ迫しており、医療費削減の政府の圧力はさらに強まることが予想されます。

    こうした圧力は医療機器への支出低下を招き、業界全体の収益性を低下させる要因となるかも知れません。

  • 計測・分析機器について、日本は電子顕微鏡やX線分析装置で強い競争力を持つ一方、最も市場規模が大きく今後の成長が予想されるライフサイエンス機器では国際競争力が強くありません。

    研究開発面でも大規模な研究投資や政策的支援の不足、開発を担う大学や企業への国の支援も足りないなど、課題があるとされます。

精密機器業界を取り巻く環境と課題について知っていると、面接で役に立ちます。

例えば、面接で、「精密機器業界の課題は何だと思いますか」と質問されることがあります。

精密機器業界の仕事

この業界での、メーカーとしての一連の仕事は、世間から求められる製品を企画・開発し、生産し、顧客に販売するということです。

技術系では、研究・技術開発、開発・設計、生産技術、生産管理、品質管理、セールスエンジニア、サービスエンジニアなどがあります。

事務系では、経営企画、総務人事、経理、法務といった間接部門の仕事や、調達、海外を含めた営業、広報などの仕事があります。

グローバル展開している企業も多く、海外駐在や出張のチャンスもあります。

高い語学力、行動力、コミュニケーション能力、異文化理解といった海外で働くために必要な資質・スキルを持つ人にとっては、大きな活躍の場になります。

精密機器業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが面接で志望動機を答えるときに重要です。

また、事前に十分把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。

まとめ

精密機器業界各社に応募する人は、精密機器業界の基礎知識を身につけて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。

また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。

この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。

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精密機器業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。

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