【2023年】鉄道業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識

鉄道業界を志望する人が面接を受けるにあたって必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えができません。特に志望動機を答えるさいにこれらの知識がないと、入社への本気度が伝わりません。
この記事では、鉄道業界に応募する人が面接で困らないための基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
鉄道業界とはどのような業界なのか
鉄道事業の中核の事業は、電車や新幹線などにより旅客や貨物の輸送サービスを提供することです。よって収益アップのためにはいかにたくさんのお客様に鉄道を利用してもらうかがカギです。
また、鉄道事業は公益事業の性格を持っており、免許制度によって地域独占が認められています。
そのため、運賃の改定については国土交通大臣の許可が必要となっています。なので、物価の上昇に対して運賃値上げが後追いにならざるをえません。
そういった鉄道事業の特殊性を補うため、鉄道各社は以前から多角的に事業を展開してきました。
すなわち、各社の鉄道沿線で、不動産開発をはじめ、百貨店、スーパー、ホテル、レジャー施設、バス、タクシーなど多角的に事業を展開して収益を確保すると同時に、鉄道利用客の拡大を図ってきました。
一方、本業の鉄道輸送サービスにおいて、JR各社では出張などビジネス需要の増加や、観光地を訪れる訪日外国人の増加により新幹線の利用が伸びています。
また、JR東海のリニア中央新幹線は2027年の開業をめざし、2017年より工事が本格化してきています。(水資源への影響を懸念する静岡県から着工許可を得られず、27年度中の開業予定の延期が決定的となっています)
しかし長期的に見れば鉄道業界は厳しい状況にあります。
クルマの自動運転技術の進歩、航空機との競争など交通手段の多様化や、人口減少の影響、インターネットの普及もあって鉄道による移動ニーズが落ちてくることが予想されます。
製造業の海外移転が加速するなかビジネス需要が縮小することも不安視されています。
将来的に運賃で収益を大きく伸ばせる見込みは少なく、鉄道会社は多くの人が集まるという駅の特性を活かし、駅の敷地内スペースや建物を活用した商業施設を拡大しています。
都心などの主要駅では、駅の中にいながら気軽に買い物や食事が楽しめる駅のエンターテインメント化が加速しています。東京駅が、訪日外国人の人気の観光名所となっているのはその象徴です。
そのようなエキナカビジネスを最初に行ったのはJR東日本ですが、主要な私鉄各社も駅の商業施設を拡大しています。
このような鉄道以外の分野での成長が、企業運営の大きなカギを握ることになると思われます。
また長年培ってきたノウハウを活かして、海外展開に力を注ぐ動きも活発化しています。
JR東海では米国でリニア新幹線を展開中で、JR東日本はインドで鉄道事業を展開しています。さらに経済成長著しい東南アジアでは交通渋滞が問題となっているため、今後東南アジアでの鉄道需要は高くなると予想されます。
このように、JR各社にみられるような、車両技術や運行システムを一体化させたビジネスモデルや、コンサルティングを売り込むなど、海外でのビジネスチャンスも拡大しています。
面接で志望動機を語るとき、鉄道業界とはどのような業界なのかを知っていることが大切です。
鉄道業界を取り巻く環境と課題
- 国土交通省の鉄道輸送統計(速報値)によると、2021年度の鉄道旅客数は前年度比6.3%増の187億8,536万人で、3年ぶりに増加しました。
JRが同5.2%増の70億5,638万人、JR以外の民鉄は同6.9%増の117億2,898万人でした。
JRと私鉄を合わせた鉄道大手18社の2021年度の連結決算は、14社が最終黒字に転換しました。前期は全社が最終赤字でした。
2022年度はコロナが収束に向かい、鉄道利用が回復する前提で、18社全社が最終黒字を見込んでいます。
- 近年鉄道会社は非鉄道事業に注力していて、鉄道事業の売上にも貢献しています。
特に私鉄は起点駅ではオフィスビルや百貨店、ショッピングセンターや駅ナカ、駅周辺にはマンションを展開し、沿線上には戸建てやマンション、スーパー、終点駅にはホテルやレジャー施設を展開しています。
渋谷駅再開発の一つである東急スクランブルスクエアの商業施設は,東急電鉄、JR東日本、東京メトロが共同で開発しており、ライバル企業と組んだ地域開発も行われています。
JR東日本は、2025年度までの高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発事業の概要を発表しました。羽田空港に近い利便性を生かして国際交流拠点と位置づけ、米マリオット・インターナショナルの最高級ホテルを誘致し、完成後に年間560億円の営業収益を創出する計画です。
鉄道業界の多角化は沿線の価値を高め、鉄道の利便性や利用率を高めてくれます。
- 少子高齢化対策として、鉄道業界は各種サービスの強化を図っています。
鉄道各社は、他の交通事業者と連携し、新たなモビリティーサービスMaaS(マース)に参入しています。
MaaSとは利用者の目的に合わせて、複数の移動手段を組み合わせるサービスで、検索から予約、決済がすべて行うことができるものです。
アフターコロナで、日本人のみならず、自身で旅行の計画を立てたい外国人旅行者へ向けたインバウンド需要も期待できます。
また、高齢者の多い地域では移動の困難解消へ向けた郊外型サービスの提供を始めています。
人口減少による客数減対策として、同業他社のみならずあらゆる業種との連携が今後も増えていくものと考えられます。
面接において、「鉄道業界の課題は何だと思いますか?」といった質問がなされるかも知れません。
鉄道業界の仕事
主な募集職種は事務系、技術系、運輸系に分かれています。
事務系では運行管理、販売管理、総務、営業、企画、観光、IT、鉄道車両の安全管理などの仕事があります。
技術系では電気、機械、土木、建築、ITなどの仕事があります。
鉄道の運行に直接かかわる運輸系では車掌、駅係員、運転士などがあります。
鉄道業界は昔から不規則なシフト勤務で男性中心の職場でした。しかし最近は女性社員が鉄道現場の第一線で活躍する姿が増えてきています。
鉄道業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが志望動機を答えるときに重要です。また、事前に把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
鉄道業界各社に応募する人は、業界をとりまく環境と課題を理解しておいて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。
加えて、面接対策(まさに、これこそが重要!!)を完全にしたい就活生や転職希望者のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアルの販売を行っています。役に立つこと請け合いです。
マニュアルに沿って面接対策を進めることで、ライバルから一歩抜け出すことができます。詳細については以下のページをご覧ください。
鉄道業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。