若手社員のための「ビジネスマナーとしての言葉遣い・敬語」
ビジネスマナーとして言葉遣いは「仕事の評価そのもの」を左右する
正しい敬語は、あなたの信頼をつくる最強のビジネススキルです。
社会人として働き始めると、最初に直面する壁が言葉遣いと敬語です。
どれだけ知識や意欲があっても、たった一言の言い回しが原因で「この人は雑」「配慮が足りない」と判断されてしまうことがあります。
とくに若手社員にとって、ビジネスマナーの基本は正確な言葉遣い。
その中でも敬語は、相手に対する敬意を伝えるための“社会人の共通ルール”です。
- 正しく敬語を使える若手は信頼される
- 仕事を安心して任せてもらえる
- 社内外とのコミュニケーションがスムーズになる
- ミスコミュニケーションの防止になる
- 「この人は感じがいい」という評価につながる
この記事では、ビジネスマナーとしての言葉遣いをゼロから習得できるよう、敬語の基本・使い方・役職語の扱い・よくある誤用・実践的なフレーズまで、順序だてて解説します。
若手社員がキャリアプランを実現するためには、仕事の基本やビジネスマナー、コミュニケーションスキルといった、組織で働くためのノウハウを体系的に身につけることが重要です。
本サイトを読みこなすことで、仕事の進め方に自信が持てるようになります。
ビジネスマナーとしての言葉遣いの基本
- なぜ敬語が重要なのか
ビジネスとは、必ず相手が存在する活動です。
そのため、相手への敬意を示す敬語は欠かせません。敬語が正しく使えるということは、
- 「相手に敬意を払っている」
- 「ビジネスのルールを理解している」
- 「社会人として信頼に値する」
この3つを示すことになります。
- 過度な敬語は逆効果
丁寧にするために「お」を何度もつける、「ご」を乱用する、必要以上に堅苦しく話す——
これらは“丁寧”ではなく不自然です。若手社員が気をつけたいのは、「正しい敬語」+「自然な言い回し」
このバランスです。
ビジネスマナー|敬語の4分類を理解する
ビジネスマナーとして敬語はたった4種類を理解すれば一気に整理できます。
- 尊敬語(相手を立てる)
- 謙譲語(自分がへりくだり、相手を立てる)
- 丁寧語(語尾を丁寧にする)
- 美化語(言葉を上品にする)
以下、若手社員がすぐ現場で使えるレベルまで詳しく解説します。
ビジネスマナー|尊敬語:相手を高める敬語
尊敬語とは、相手の行動を“特別に丁寧に言い換えて”相手を立てるための言葉です。
ビジネスマナーの中核をなす言葉遣いであり、最も使用頻度が高い敬語です。
尊敬語の3パターン
- 「動詞+れる/られる」
・読む → 読まれる
・行く → 行かれる
・聞く → 聞かれる - 「お(ご)〜になる/なさる」
・お会いになる
・ご確認なさる - 特別な言い換え(最も敬意が高い)
・見る → ご覧になる
・言う → おっしゃる
・来る → いらっしゃる
※3>2>1の順で敬意が高いと覚えておくと便利です。
ビジネスマナー|謙譲語:自分を下げて相手を立てる敬語
謙譲語は“自分の行動をへりくだって表現する”敬語です。
ビジネスマナーとして、取引先・お客様・社外の方に対して必ず必要になります。
謙譲語の4パターン
- 「お(ご)+する」
例)お伝えする、お持ちする
- 「お(ご)+いたす」
例)ご連絡いたします
- 「〜させていただく」
例)伺わせていただきます
- 特別な言い換え
・会う → お目にかかる
・食べる/もらう → いただく
・行く → 伺う※4が最も敬意が高い。
ビジネスマナー|尊敬語と謙譲語の使い分け(3つの大原則)
ビジネスマナーとして絶対に覚えておくべきルールです。
- 原則1:自分は謙譲語、相手は尊敬語
・自分(や自社)はへりくだる
・相手(お客様・取引先・社外)は立てる - 原則2:社外の人に社内の人の話をする時は「謙譲語」
×「山田課長が伺います」
○「山田が伺います」 - 原則3:社内では丁寧語で十分な場面も多い
直属の上司に対して
・「です/ます」でOK
・毎回尊敬語を重ねると逆に不自然
ビジネスマナー|丁寧語:語尾を整える基本の敬語
丁寧語は語尾に「です」「ます」「ございます」をつける敬語です。
もっとも頻繁に使うため、若手社員ほど意識して習慣化する必要があります。
・普通:〜だ
・丁寧語:〜です/〜ます
より高い敬意を示したい場合は「ございます」を使用します。
ビジネスマナー|美化語:言葉を上品に整える
美化語は言葉に「お/ご」をつけて柔らかくする敬語です。
ただし何にでもつけるのはNG。
- つけるもの
・相手の持ち物
・相手の行動
・日本語の名詞例)お電話、ご案内、お料理、お荷物
- つけないもの
・外来語(おミーティング ×)
・動植物(お犬、おバラ ×)
・色(お白 ×)
・公共物(おトイレは例外的に可)
・マイナスの言葉(お事故 ×)
役職と敬語の正しい関係
役職名はそれ自体が敬語です。
意外と誤用が多く、社内外での扱いが変わるため注意が必要です。
- 社外の人に社内の人を紹介する場合
×「山田課長が伺います」
○「山田が伺います」 - 社外の人への呼び方
×「田中課長さん」
○「田中課長」
○「課長の田中様」※敬語の二重表現を避けるため「さん」は不要。
返事・あいさつの敬語:「了解しました」は注意
- 目上に対して
△「了解しました」
○「承知しました」
○「かしこまりました」※意味の違いは、次の通りです。
・承知しました:理解した
・かしこまりました:依頼を引き受ける(より丁寧) - 社外の人に対して
・承知いたしました
・かしこまりました
・承りました(もっとも丁寧)
「お疲れ様です」「ご苦労様です」の正しい使い分け
- 上司 → 部下
・お疲れ様です
・ご苦労様です - 部下 → 上司
・お疲れ様です(一般的に可)
・ご苦労様です(不可) - 社外の人には?
→ どちらも使わない(あいさつとして不適切)
実務で使える敬語フレーズ集(若手社員に必須)
- 依頼するとき
- 恐れ入りますが、〜していただけますでしょうか。
- お手数をおかけしますが、〜をお願いいたします。
- 上司への報告
- 先ほどの件ですが、〜です。
- ご指示いただいた内容、承知いたしました。
- 取引先への連絡
- ご確認いただけますと幸いです。
- 何卒よろしくお願い申し上げます。
よくある誤用と正しい言い換え
- NG:「ご教授ください」
→ 技術や学問を教わる場合のみ
OK:「ご教示ください」
- NG:「参考になりましたです」
→ 二重丁寧
OK:「参考になりました」
- NG:「よろしかったでしょうか」
→ 過去形で確認は不自然
OK:「よろしいでしょうか」
Q&A:よくある質問(ビジネスマナーとしての言葉遣い・敬語)
Q1:上司に「了解しました」を使ってはいけませんか?
A1:厳密に禁止ではありませんが、ビジネスマナーとしては避けるのが無難です。「承知しました」「かしこまりました」を使いましょう。
Q2.メールでの敬語が難しいです。何から覚えるべき?
A2:まずは、よく使う3つのパターンだけ覚えれば大丈夫です。
- メールのしめの言葉(結び)
いちばん使うのはこれです。
「何卒よろしくお願いいたします。」丁寧で、どんな相手にも使えます。 - 確認してほしいときの敬語
相手にチェックをお願いするときは、
「ご確認のほど、よろしくお願いいたします。」と言えば間違いありません。 - 状況を伝えるときの敬語(報告)
事実を丁寧に伝えるときは、
「〜でございます。」を使うと上品で失礼がありません。
Q3.丁寧にしようとすると文章が長くなります。短くても失礼では?
A3:必要以上に長い敬語は不自然です。丁寧語+簡潔な説明が最も好まれます。
Q4.社内の先輩に尊敬語を使うのは変ですか?
A4:問題ありませんが、毎回「おっしゃる通りでございます」などの高度な尊敬語を使うと逆に堅苦しく感じられます。丁寧語(です/ます)で十分です。
Q5.「お疲れ様です。」は社外に使ってはいけない?
A5:はい。社外の人には別の挨拶を使います。
例:
「いつもお世話になっております。」
「平素より大変お世話になっております。」
まとめ
ビジネスマナーとしての言葉遣いは、社会人として最も価値のあるスキルの一つです。
- 敬語の4分類(尊敬語/謙譲語/丁寧語/美化語)
- 役職名のルール
- “了解しました”問題
- 挨拶・応対の敬語
- 無意識に使いがちな誤用
これらを理解し、意識して使い続ければ、自然と体に染みつきます。
ビジネスマナーとして正しい敬語を使える若手社員は、社内外から抜群の信頼を得られます。
ぜひ、今日から実践していきましょう。
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