転職面接で退職理由を聞かれたときの「業績不振」の伝え方
転職活動の面接では、必ず「退職理由」を質問されます。特に“業績不振による退職”は、伝え方によって印象が大きく変わるため、正しい準備が欠かせません。
この記事では、面接官としての視点から、業績不振という退職理由を面接で“前向きに”“誠実に”伝えるためのノウハウをお届けします。
次の内容をすべて網羅しています。
- 退職理由が業績不振の場合、どこまで説明するべきか
- 状況別(倒産/部門閉鎖/希望退職/自発的退職)の正しい伝え方
- 面接官が好印象を持つポイント
- 絶対に避けるべきNGワード
- 回答例(そのまま使えるテンプレート)
- よくある質問(Q&A)
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なぜ面接官は「退職理由」を深掘りするのか?
転職面接での退職理由は、次の3つの観点で評価されます。
- 人柄・誠実さ
事実をどれだけ冷静に説明できるか、他責にしない姿勢があるか。
- 再現性とリスク評価
また同じ理由で辞める可能性があるのか。
- 前職から何を学び、どう次に活かしたいのか
退職理由=キャリアの軌道修正点として重視されます。
特に業績不振による退職理由は、応募者自身に責任があるわけでなくても、伝え方によっては「愚痴」「言い訳」に聞こえてしまう危険があります。
だからこそ、“冷静・客観・前向き”の3点を満たすことが必須です。
業績不振による退職理由は4つのタイプに分かれる
「業績不振」と一口にいっても、状況は人によって大きく異なります。面接での伝え方が変わるため、自分がどのタイプか必ず整理しておきましょう。
- 会社倒産による退職
全社員が解雇のため、説明は非常にシンプルで問題なし。
- 部門閉鎖による退職
事業整理・リストラが原因。こちらも責任追及はされにくい。
- 希望退職・退職者募集での退職
応募した理由の伝え方が重要。“自分の評価ではなく、業績悪化に伴う会社の施策だった”点を説明する。
- 業績不振を受け「自ら退職」を決断したケース
“逃げたのでは?”と見られやすいため、工夫が必要。
面接官が見ている「業績不振の退職理由の話し方」4原則
- 前職への批判は一切しない
倒産の原因や経営判断の誤りを批判するのはNG。
事実+自分の感じたことだけを淡々と述べます。
- 「責任逃れ」に聞こえない言い回しにする
たとえ直接関与していなくても、「微力ながら力が及ばず」という姿勢が誠実さにつながる。
- “ネガティブのまま終わらせない”
退職理由は1分以内にまとめ、その後すぐに「これを機に◯◯を目指したい」という前向きな志望動機へつなげる。
- 自分の行動と学びを盛り込む
業績不振でも、あなたが現場でどう行動したかを伝えると強い。
状況別:業績不振による退職理由の正しい伝え方(例文付き)
- 会社倒産
■ポイント
- 倒産=全社員が対象であり、個人の責任ではない
- 他責にせず「自分にもできることがあった」姿勢を見せる
- 新しい環境で何を実現したいかを明確に述べる
■回答例文
「前職は業績不振が続き、最終的に会社が倒産し、全社員が解雇となりました。私自身も状況改善のために売上回復施策に取り組みましたが、力が及びませんでした。この経験を教訓として、より安定した環境で自分の強みを活かし、貢献できる組織で成長したいと考え、御社を志望いたしました。」
- 部門閉鎖
■ポイント
- 経営戦略による閉鎖であることを明確に
- 自分のスキルと将来の方向性を前向きに説明
■回答例文
「所属していた事業部が会社全体の業績不振により閉鎖され、部署の全員が退職対象となりました。事業の再構築には私自身も微力ながら尽力しましたが、結果として組織の決定となりました。これを機に、自分の経験を活かしさらに成長できる環境を求め、転職を決意しました。」
- 希望退職募集への応募
■ポイント
- 人事評価ではなく、経営判断による施策だったと説明
- 自ら積極的に応募した場合は「キャリア転換」を軸に説明
■回答例文
「会社の業績不振に伴い希望退職が実施され、年齢や事業領域などを基準に対象者が選ばれました。私も対象に含まれたため応募し、退職いたしました。否定的に捉えておらず、このタイミングを前向きなキャリアチェンジの機会として活かしたいと考えています。」
- 業績不振を理由に“自ら退職”したケース
ここが最も難易度が高い部分です。
何も考えずに「業績不振だったので辞めました」と言うと、“逃げたのでは?”と思われます。
■正しい説明ポイント
- 業績不振は背景に留める
- 退職理由は“目的志向”で語る
- 「逃げ」ではなく「成長」へ転換する
■回答例文
「前職では業績不振が続き、事業縮小により担当業務も減少していく状況でした。今後のキャリアを考えた際、自分の能力を発揮しにくい環境になると感じ、より成長できるフィールドを求めて転職を決意しました。業績不振自体を否定的に捉えるのではなく、今後のキャリアを前向きに築くための選択でした。」
面接官が「好印象」と判断する具体的ワード
- 「微力ながら力が及ばず」
- 「組織の一員として真摯に受け止めた」
- 「経験を次のステップに活かしたい」
- 「前向きなキャリア転換と捉えている」
- 「反省点と学びを今後の成長につなげたい」
これらは誠実・謙虚・成長意欲を示す言葉で、非常に評価が高いです。
避けるべきNGワード
- 「経営陣が無能だった」
- 「会社が悪かった」
- 「自分には関係ない」
- 「業績不振だからとにかく逃げた」
- 「将来性がないと思い辞めた」
批判・他責・逃げとみなされる言葉は絶対に避けてください。
「退職理由(業績不振)」と志望動機のつなげ方
退職理由だけで終わると“残念感”が残るため、「転職理由 → 志望動機」の流れで必ず前向きな話に切り替える必要があります。
鉄板のフォーマットは次の通りです。
① 業績不振という退職理由を簡潔に説明
② そこで得た気づき・学びを述べる
③ 新しい環境で実現したいことを語る
④ その実現が「応募企業だからこそできる」理由を伝える
これで、一連のストーリーが“前向きな転職”として完成します。
面接ではどのくらい話す?(理想:60〜90秒)
退職理由は長すぎても短すぎてもNG。
60~90秒が最も聞きやすく、好印象です。
その後は「志望動機」につなげてください。
よくある質問(Q&A)
Q1:業績不振の具体的な数字を言うべきですか?
A1:必要ありません。会社の内部情報に触れすぎると逆効果です。「業績不振が続いた」「事業縮小が進んだ」程度で十分。
Q2:倒産理由を詳しく聞かれたら?
A2:事実のみを簡潔に述べればOK。批判・憶測は絶対に言わないでください。
Q3:退職理由が業績不振だと不利になりますか?
A3:正しく伝えればむしろプラスにできます。
・「逆境でも行動した人」
・「誠実で他責にしない人」
と評価されるケースが多いです。
Q4:自発的な退職で業績不振を理由にしていい?
A4:そのまま言うのは危険。「業績不振+キャリア形成」という前向きな文脈に変えて伝えるのが正解。
Q5:希望退職に応じたのはマイナスですか?
A5:全く問題ありません。むしろ次のキャリアを前向きに考えた行動として評価されます。
まとめ|業績不振の退職理由は「伝え方」で180度印象が変わる
業績不振による退職理由は、決してネガティブなものではありません。
面接官が見ているのは、「状況をどう受け止め、どう行動し、どう未来につなげるか」という姿勢です。
- 批判しない
- 他責にしない
- 自分の学びを語る
- 前向きな志望動機につなげる
たったこれだけで、あなたの退職理由は“誠実で信頼できる人”という評価につながります。
あなたの転職成功を心から応援しています。
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