【27卒】面接官が教える「ANA」の面接対策

2025.10.05 更新
次 » « 前
アイキャッチ画像

日本のメガ・キャリアであるANAに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。応募者は事前にどのような面接の対策をしたらよいのでしょうか?

(ANAの社名は全日本空輸株式会社ですが、本ブログでは略して「ANA」と呼ぶこととします。)

ANAに入社を希望する人がぜひとも知っておきたい面接に関しての情報や、ノウハウというものがあります。

例えばANAの面接では、求める人材をよく理解して、自己PRにおいて特に行動力とチームワーク力をアピールすることが重要です。

技術系で応募の場合は、研究内容をわかりやすく説明してください。

客室乗務職の応募者は「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールすることです。

英語力は当然ながら求められます。

一方、面接で志望動機を語るためにはなぜ航空業界なのか、その中で競合他社と比べてなぜANAなのか答えられなくてはいけません。

これら以外にもANAの面接を受けるにあたって大切なポイントがあります。

本ブログでは、面接官である筆者が、ANAの採用情報とともに、面接で必ず訊かれる自己PRや志望動機の受け答えなどについてその対策を解説していきます。

さらに面接に臨むうえで必要な知識として、ANAの会社に関する情報を載せています。

面接対策は、自己分析や企業研究の段階から既にはじまっています。

自己分析や企業研究した結果を基に履歴書やエントリーシートを作成し、一貫性をもたせて面接に繋げることを強く意識して臨んでください。

就活中の学生は、本サイト「キャリア育みファーム」を読んでいただければ、自己分析・企業研究の段階からスムーズに選考・面接対策ができるようになります。

さらに、絶対の自信を持って臨みたい方には、「就活面接必勝法」を用意しております。

目次
  1. ANAの求める人材
  2. ANAの新卒採用情報について【就活】
  3. 面接攻略の考え方【就活】
  4. 面接を攻略するために知っておきたい基本的な知識【就活】
  5. ANAの面接攻略のまとめ【就活】
  6. 経営数字から見るANAグループの会社概要
  7. ANAの歩みを知る
  8. ANAグループの経営理念
  9. ANAグループの中期経営戦略
  10. 参考リンク集

ANAの求める人材

ANAはどのような人材を求めているのでしょうか。

面接では求める人材を知っておくことが自己PRをするうえで必要です。

後述するANAグループの行動指針には、「チームスピリット(Team Spirit):多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。」及び「努力と挑戦(Endeavor):グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。」が明記されています。

この行動指針からANAが求める人材像は、次のような人と考えられます。

「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する人」

「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する人」

求める人材像を理解し、面接での自己PRに結び付けてください。

ANAの新卒採用情報について【就活】

はじめにANAの新卒採用情報について、概要を以下に記します。

  1. 募集職種

    ANAの新卒採用は、グローバルスタッフ職(セグメント別採用・専門採用)、運航乗務職(自社養成パイロット)、客室乗務職別となっています。

    • グローバルスタッフ職

      国内外全事業所での業務を前提とし、主力事業である航空運送事業や、航空関連事業、非航空事業など、ANAグループを牽引するコア人財として、挑戦と変革を推進します。

      セグメント別採用と専門採用の2つのコースがあります。

      セグメント別採用コースは、「セグメントⅠ:オペレーション」「セグメントⅡ:ビジネス・マーケティング」「セグメントⅢ:コーポレート」「セグメントⅣ:整備技術」「セグメントⅤ:運航技術」の5つです。

      専門採用コースは、「IT・データ」「経理・財務・IR」の2つです。

    • 客室乗務職(*専門学校、短期大学も応募可能です) 

      キャビンアテンダント(CA)として国内線・国際線に乗務し、機内の安全を守るとともに、お客様に記憶に残る高品質なサービスを届けます。

    • 運航乗務職(自社養成パイロット)

      運航乗務員=パイロット(操縦士)としてANAの安全で快適な運航を担うプロフェッショナルです。

    • エキスパートスタッフ職(障がい者採用)

      エアラインビジネスのサービスや品質を支える基幹実務を担います。

  2. 選考フロー
    • グローバルスタッフ職(オペレーション/ビジネス・マーケティング/コーポレート/IT・データ/経理・財務・IR)

      エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出)→書類選考→SPI受検→本選考(個人面接、集団面接、グループディスカッション等)→内々定

    • 客室乗務職 

      エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出、WEB動画提出、WEB証明写真提出)→書類選考→本選考【個人面接・集団面接(WEB・対面を含む)、英語試験証憑(TOEICもしくはGTEC Business公開会場版-LR)の提出、総合適性検査、身体検査等)】→内々定

    • 運航乗務職(自社養成パイロット)

      プレエントリー・Flight Crew Assessment Test (FCAT) 受験→エントリーシート・WEB証明写真提出→(一次選考)個人面接、航空適性検査(シミュレーター)→(最終選考)個人面接、英語コミュニケーションテスト→内々定

    • エキスパートスタッフ職(障がい者採用)

      エントリー(基本情報登録、WEBエントリーシート提出)→書類選考→本選考(個人面接、SPI受検)→内々定

  3. エントリーシート(26年卒)  

    グローバルスタッフ職

    自己PRに関すること

    • ゼミ(研究室)のテーマ ※非該当の方は、今後の中でより深く学んでみたい分野について記入してください。(100字以内)
    • あなたが、誰にも負けない強みと感じる点について、教えてください。また、具体的な事例もあわせて教えてください。(300字以内)
    • これまでにあなたが一番ワクワクした「挑戦」について、取り組んだ理由および努力や工夫した点について、具体的に教えてください。(300字以内)
    • 趣味・特技・アルバイト・起業・ボランティア等、教えてください。(200字以内)
    • あなたを飛行機の部品に例えるなら何ですか。その理由をあわせて教えてください。(300 字以内)
    • 「IT・データ」領域に関するスキルや経験があれば教えてください。(資格、プログラミング言語など)(50字以内)

    志望動機に関すること

    • 希望するセグメントコースを選択してください。(希望順)
    • あなたが第一志望のセグメントコースを選ばれた理由を教えてください。(300字以内)
    • あなたが第二・第三志望のセグメントコースを選ばれた理由をご記入ください。(200字以内)
    • あなたがIT・データコースを選ばれた理由を教えてください。(300字以内)

    客室乗務職

    自己PRに関すること

    • ゼミ・論文(研究)テーマ(50字以内)
    • 上記のゼミ・論文(研究)テーマを設定した理由(250字以内)
    • 学生生活で1番誇れることを教えてください。(400以内)
    • 学生時代に注力した経験を教えてください。(400字以内)
    • 特技・趣味(100字以内)
    • 長所・短所(各30字以内)
    • アルバイト、その他課外活動
    • 強みを教えてください。(300字以内)

    志望動機に関すること

    • ANA CAのどのような点に興味を持ちエントリーしましたか。(300字以内)

    運航乗務職(自社養成パイロット)

    自己PRに関すること

    • あなたがこれまでの人生の中で達成感、充実感を、感じたことは何ですか。(400字以内)

    志望動機に関すること

    • なぜあなたはパイロットを志望するのですか?(400字以内)
  4. 面接

    面接には次の様な質問が想定されます。

    グローバルスタッフ職の面接は、3回行われます。面接での選考ポイントは、学生時代に頑張ったことと、チームワークができるか、ANAへの思い入れの強さです。

    • グローバルスタッフ職

      自己PRに関すること

      • 自己紹介してください
      • なぜその大学・学部学科を選択したのですか
      • 大学で学んでいることは何ですか
      • 研究のことについて説明してください(研究のきっかけ、研究内容、ANAで活かせること)
      • 学生時代頑張ったことは何ですか(その中で困難だったこと、課題解決の方法、そこから得たもの)
      • チームで成し遂げた経験、その中で自分の役割、活動する上で大切だと思うことは何ですか
      • クラブ・サークル活動はやっていますか(サークル内で意見の対立したときや、苦手な人への対応)
      • アルバイトを通じて学んだことは何ですか
      • ANAは接客業ですが、あなたならどんな接客が出来ますか
      • 挫折した経験、挫折を乗り越えるための行動や考え方を教えてください
      • 自分の強みと弱みは何ですか?強みをANAでどう活かしていけますか
      • 英語力はどれくらいですか
      • 機械いじりは好きですか
      • あなたの夢は何ですか
      • 長所・短所は何ですか
      • 他の人からどんな人と言われますか
      • 苦手な人とのコミュニケーションの取り方を教えてください
      • ストレス耐性はありますか
      • 趣味は何ですか

      志望動機に関すること

      • なぜ航空業界を志望しますか(航空業界に興味を持ったきっかけ)
      • なぜANAを志望しますか、なぜJALでなくANAですか
      • ANAとJALの違いは何ですか、ANAのイメージは何ですか
      • なぜメーカーではなくANAですか
      • 第1希望セグメントを希望する理由は何ですか、そこで何をしたいですか
      • なぜ○○職を希望しますか、強みを○○職でどのように活かすことができますか
      • 航空会社のエンジニアになる上で大切なことは何だと思いますか
      • 入社後に希望する部署とやりたい業務は何ですか
      • 整備技術、運航技術にそれぞれどんなイメージがありますか
      • IT・データ領域で携わりたいことは何ですか
      • 希望通りの配属にならなかったらどうしますか
      • キャリアプランはありますか
      • メーカーと航空会社のエンジニアの違いは何ですか
      • 仕事はきついですが体力面で大丈夫ですか
      • 現場で働くことへの抵抗はありますか
      • 航空会社の整備で大事なことは何ですか
      • どの部分の整備をしたいですか
      • ライン整備は資格取得や夜勤もあるが大丈夫ですか
      • 海外に興味はありますか
      • 目的地まで安全に届ける以外の付加価値をどのようにつけますか
      • 安心・安全とはなんだと思いますか
      • ANAの強み、弱みは何だと思いますか
      • ANAの魅力や認知度アップのためにANAに提案することは何ですか
      • ANAモバイルアプリの改善点を挙げてください
      • インターンシップの感想を教えてください(学んだこと、印象的なこと)
      • 他社選考状況とANAの志望度を教えてください
    • 客室乗務職

      自己PRに関すること

      • 自己紹介してください
      • ゼミについて話してください
      • 学生時代頑張ったことは何ですか(その中で困難だったこと、課題解決の方法、そこから得たもの)
      • チームで成し遂げた経験、その中で自分の役割、活動する上で大切だと思うことは何ですか
      • これまでの人生で一番苦労したことは何ですか
      • 今までの経験のなかで、客室乗務員の仕事に活かせることは何ですか
      • 人と関わる上で大切していることは何ですか
      • 努力していることは何ですか
      • 周りからどのような人と言われますか
      • 長所を発揮できたエピソードありますか
      • 5年後10年後どうなりたいですか
      • 英語力はどれくらいですか
      • 最近ワクワクしたことはありますか
      • 最近気になるニュースはありますか

      志望動機に関すること

      • 航空業界以外に興味のある業界はありますか
      • なぜ客室乗務職に応募しますか
      • なぜJALではなくANAを志望しますか
      • 「ワクワクの世界」はどんな世界で、CAとしてその世界にどのように貢献しますか
      • どのようなCAになりたいですか
      • CAに求められる資質はなんだと思いますか
      • お客様にお叱りを受けることもあるが、そのさいどのように対応しますか
      • 初めて会う先輩でも相談することができますか
      • ANAのコーポレートカラーは青だが、あなたのイメージカラー(青以外)は何色ですか?その理由も教えてください
      • 他社選考状況を教えてください
    • 運航乗務職(自社養成パイロット)

      自己PRに関すること

      • 日常会話に加えて写真を見てその情景を英語で説明してください(英会話面接)
      • リーダーシップを発揮した経験や、粘り強さを発揮した経験はありますか

      志望動機に関すること

      • なぜJALではなくANAを志望しますか
      • パイロットに興味を持ったきっかけはいつですか
      • 飛行適性検査を通じて、パイロットという仕事に対する印象はどのように変化しましたか
      • 他社選考状況を教えてください
  5. 採用人数

    19年度入社実績 126人 *グローバルスタッフ職事務、技術

    20年度入社実績

    • グローバルスタッフ職事務 64名
    • グローバルスタッフ職技術 54名
    • 客室乗務員 700名程度

    21年度入社実績 843名

    22年度入社実績  52名

    23年度入社実績  46名

    24年度入社実績 140名

    • グローバルスタッフ職事務 70名程度
    • グルーバルスタッフ職技術 70名程度
    • 客室乗務職 400名程度

    25年度入社実績 640名

    • グローバルスタッフ 165名

      (セグメント別採用コース:オペレーション / ビジネス・マーケティング / コーポレート55名、整備技術80名、運行技術若干名  専門採用コース:IT・データ 20名 / 経理・財務・IR 若干名)

    • 客室乗務職 430名
    • 自社養成パイロット 45名

    26年度入社計画 805名

    • グローバルスタッフ 140名

      (セグメント別採用コース:オペレーション / ビジネス・マーケティング / コーポレート40名、整備技術70名、運行技術若干名 専門採用コース:IT・データ 20名 / 経理・財務・IR 若干名)

    • 客室乗務職 600名
    • 自社養成パイロット 65名
  6. 25年新卒入社大学別就職者数

    国公立大

    東京大6、京都大4、北海道大5、東北大5、名古屋大1、大阪大6、九州大9、東京科学大4、筑波大3、電通大2、東京外大7、都立大4、横浜国大3、横浜市大2、金沢大1、大阪公立大1、神戸大5、広島大2、他

    私立大

    早稲田大36、慶応大31、上智大23、明治大14、青山学院大19、立教大30、中央大12、法政大16、学習院大7、成蹊大1、成城大3、東京都市大3、明治学院大18、国学院大5、日本大10、東洋大8、東海大20、東京理科大6、芝浦工大7、東京電機大2、工学院大1、東京女子大6、日本女子大6、津田塾大2、大妻女子大6、共立女子大3、昭和女子大6、千葉工大1、神奈川大2、愛知大1、中京大1、南山大2、同志社大19、立命館大13、関西大7、関西学院大24、京都産業大2、京都女子大1、同志社女子大3、近畿大2、甲南大2、武庫川女子大1、西南学院大3、他

    以上は大学院修了者を含みます。

    ※サンデー毎日(2025年8月31日号)参照

  7. 学歴フィルター

    ANAは国公立、私立大の難関大学を中心に採用していますが、中堅の大学も採用しています。航空会社の性格上、海外の大学も採用しています。

面接攻略の考え方【就活】

面接では自己PRと志望動機を必ず訊かれます。よってそれらの答えをあらかじめ準備する必要があります。以下の自己PRと志望動機のヒントを参考にしてください。

  1. 面接時の自己PRのヒント

    ■行動力とチームワーク力を自分の中で探してアピールする

    ANAは基本的に、特に行動力とチームワーク力を求めていると考えられます。

    上記の求める人材にあるように、ANAは「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」人を求めています。

    ここで、「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」は、行動力を表しています。

    また、「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」は、チームワーク力を表しています。

    ANAグループは、価値創造の源泉である「人の力」と「チームワーク」を発揮しながら、人とモノのつながりを拡大する「量的拡大」と、ファン層を拡大する「質的深化」を図ることを通じて、経済的価値と社会的価値を同時創造していくことを目指しています。

    量的拡大は、航空事業を中心に経済圏を拡大すること、質的拡大は、ステークホルダーからの信頼と共感を高めることです。

    このような事業を遂行するうえで、行動力とチームワーク力が必要ではないでしょうか。

    面接では、学生時代において最も力を入れて取り組んだことと、なぜ取り組んだのかその理由を説明してください。

    力を入れたことは学業、クラブ活動、アルバイト、ボランティア活動などなんでも良いです。

    そのさい、目標達成のために困難だったことは何か、困難をどのように粘り強く乗り越えたか、その結果と自分が身につけたこと、仕事で活かせることを語れるようにしてください。

    さらに一緒に取り組んだメンバーがいたら、自分が請け負った役割と、目標達成のためにメンバーをどのように巻き込んだか、メンバーの意見を尊重するなかで、どのように自分の考えを理解してもらったかなど、チームの中での円満な人間関係に努力したことのエピソードを探し出して、語ってください。

    但し、ANAは採用するすべての人に行動力とチームワーク力を求めているわけではありません。自分の最も伝えたい能力が他にあるなら、面接でその能力を上手に説明してください。

    ■技術系応募者は研究内容を語る

    技術系応募者は、航空会社にとって経営の基盤である運航の安全性を担う「航空機エンジニアリングのプロフェッショナル」として、整備部門を中心に活躍することと思います。

    整備技術コースに応募の技術職は「整備現業」で整備士としての知見の習得からスタートします。メーカーの製品開発の仕事と異なり、華やかさはなく、地味な裏方の仕事ですが、安全を守るために絶対なくてはならない仕事です。

    大学で自分が研究したことが直接使えるような仕事は少ないかも知れませんが、面接では、「航空機の安全」に十分対応できる能力、スキルがあることを、自分の研究内容から探し出して話せるようにしてください。

    具体的に、研究内容をわかりやすく説明できることです。

    なぜその研究を選んだか、その課題と課題解決の手法をあげ、解決に困難だった点について自分自身の工夫と成果を説明できるようにしてください。

    課題を解決するために、どのように周囲を巻き込んでいったか、あるいはねばり強く取り組んでいったかなどについても説明できるといいです。

    研究をチームでやっている場合は、チーム内での役割も伝えてください。研究の将来性などがわかれば、それも話してください。

    また、直接仕事に関係する研究をしていない応募者が多いと思います。その場合は面接で論理的思考力といった潜在的な能力面をアピールすることです。

    ■客室乗務職応募者はANAグループ行動指針である「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールする

    客室乗務職は、航空会社社員で最もお客様と接する時間が長い、いわば最前線の仕事です。このときのお客様に接する対応がその会社のイメージに大きく影響します。

    筆者も仕事で、プライベートで飛行機を利用していますが、その際の客室乗務職のお客様への接し方がその会社のイメージとなっています。

    ですから、お客様に「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることを証明できる具体的なエピソードを用意してください。また、面接もあかるく元気そうな雰囲気を醸し出してください。

    ■英語力をアピールする

    グローバルスタッフ職は、採用選考において語学力基準による合否判定はしませんが、実務において英語力を中心とする語学力は必須です。よって、英語力等に自信があればアピールしましょう。

    客室乗務職は、実務上英語力は必須であり、TOEIC600点程度またはGTEC260点程度以上の英語力を有することが望ましいと応募資格に記載されています。

    運航乗務職(自社養成パイロット)は、実務上英語力は必須であり、選考において英語コミュニケーションテストがあります。

    どの職種においても英語力は実務上で必須なために英語力に自信があればアピールしましょう。

  2. 面接時に志望動機を語るヒント

    ■ANAグループの経営に対する考え方を知る

    ANAグループの経営理念は、「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」です。「安心と信頼」はお客様との約束であると宣言しています。

    これを受け、経営ビジョンで、「私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます」と伝えています。

    この経営ビジョンを達成するために社員に求められる行動の指針は、「あんしん、あったか、あかるく元気!」です。

    まずは、以上をしっかり頭に入れておきましょう。

    ■なぜ航空業界を選ぶのか明確に伝える

    航空業界を志望する応募者は、航空会社という、はなやかに見える職場で働きたいとか、ユニフォームを着てみたいとか、海外へ行くチャンスが増えるといったような理由を志望動機にする人が多いと考えられます。

    このようなあこがれは大切ですが、あこがれだけでは採用となりません。

    航空業界の役割は何か、他の運輸業界や、メーカーとの違いは何かを理解しておいてください。続いて、航空業界について業務の理解を深めていき、面接で魅力を語ってください。

    ■なぜANAを選ぶのか明確に伝える

    ANAグループの経営理念や事業内容、中期経営戦略、その他ホームページから感じたことをまとめてください。そのなかで、自分が共感できることがANAを選んだ志望動機となります。

    また、ANAと競合他社のホームページをしっかり読んで、その違いを知っておいてください。

    ANAを志望する人は、航空会社に興味がある人であり、ANAと並行してJALや他のエアライン、あるいはANAグループ各社に応募する人が多いことと思います。

    たとえANAが第一志望でなくても、競合他社と比較しなぜANAなのかを、面接で質問されたときにしっかり答えられなくてはなりません。

    一方、特に理系学生は、なぜメーカーではなくてANAなのか質問されることがあります。

    ■ANAでなぜその職種・コースを希望するのか、そこでやりたいことを明確に伝える

    ANAの採用募集は、職種別・コース別の採用です。

    希望する職種・コースを選んだ理由と、そこでやりたいこととなぜやりたいか、やりたいことで自分のどのような強みが仕事に活かせるかを面接でしっかりと説明できなければなりません。

    「グローバルスタッフ職ビジネス・マーケティングは自分にとって・・・・のような点が魅力です。自分の持つ粘り強く取り組む実行力を発揮し、将来的にアジア富裕層取込みのマーケティング戦略をやってみたいです」のようなことです。

    ■ANAの志望順位、他社の応募状況を答えられるようにする

    志望順位については、迷わず第一志望ですと答えましょう。

    グローバルスタッフ職で他社の応募状況を聞かれたら、航空業界志望ならJALとか他社の名前を出しても構わないと思います。それ以外なら「〇〇業界にも興味があり応募しています」くらいは答えてもいいです。この場合まったくの異業種であり、なぜそうなのか答えられるようにしてください。

    客室乗務職の場合は、JALとか他のエアライン応募を答えても良いと思います。他の航空会社を含めて複数応募するのは当たり前だからです。

    注意すべきは、特にライバルのJALとの違いや、その中でなぜANAを選ぶのかを面接で質問されたときに、上手に説明できることです。

以上、ANAの採用情報と面接攻略の考え方を説明しました。特に面接は複数回行われ、自己PRと志望動機に関する様々な質問がなされることが予想されます。

また、さらに面接対策(まさに、これこそが重要!!)を完全にしたい就活生のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアル「ベテラン面接官が教えるとっておきの就活面接必勝法」の販売を行っています。役に立つこと請け合いです。

本マニュアルの方法で自己分析を進めることで、ライバルから一歩抜け出した自己PRと志望動機を作成できます。詳細については、マニュアルのページをご覧ください。

面接を攻略するために知っておきたい基本的な知識【就活】

面接を攻略するためには、航空業界を取り巻く環境を理解することと、航空業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。

ブログ記事「【2026年】航空業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識」を読んでおいてください。

続いて、ANAとはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。

ANAのこれまでの歩み、ANAやグループの会社概要、ANAグループの哲学ともいえる経営理念、ANAグループの中期経営戦略など、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。

これら以外にもANAのホームページを隅から隅まで熟読することをお勧めします。

本記事の後半で面接を受けるにあたり必要と思われるANAの基本的な知識を簡単に紹介します。ぜひ読んでおいてください。

ANAの面接攻略のまとめ【就活】

ANAに入社を希望する人が、必ず通過しなければならない面接試験。面接ではどのようなことに気をつけなければならないのでしょうか?

まずは、ANAの置かれた環境を知ってください。

ANAが採用したい人材は、「グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦する」「多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動する」人です。

面接での選考ポイントは、学生時代に頑張ったことと、チームワークができるか、ANAへの思い入れの強さです。

面接で自己PRをするときのポイントとしては、以下があげられます。

  • 行動力とチームワーク力を自分の中で探してアピールする
  • 技術系応募者は研究内容を語る
  • 客室乗務職応募者はANAグループ行動指針である「あんしん、あったか、あかるく元気!」を体現できることをアピールする
  • 英語力をアピールする

面接で志望動機を伝えるときのポイントとしては、以下があげられます。

  • なぜ航空業界を選ぶのか明確に伝える
  • なぜANAを選ぶのか明確に伝える
  • ANAでなぜその職種・コースを希望するのか、そこでやりたいことを明確に伝える
  • ANAの志望順位、他社の応募状況を答えられるようにする

面接を攻略するためには、まずは航空業界を取り巻く環境を理解することと、航空業界で働いたときの仕事の内容も理解しておくことが大切です。

また、ANAはどのような会社なのかを理解することも面接準備には必須です。

ANAの会社に関する知識について、面接での受け答えのためにぜひとも知っておいてください。

面接がいかに大切か、必ず役に立つ以下のリンクも参考にしてください。

経営数字から見るANAグループの会社概要

航空業界は、航空路や空港を利用し航空機によって旅客輸送や貨物輸送を行うサービスを提供しています。

航空会社は、大きく「メガ・キャリア」(大規模航空事業者)と「LCC」(格安航空会社)に分けられます。

メガ・キャリアは、LCCと比較し航空運賃では高額ですが、質の高いサービスなどが売りで、国内、国外に多くの運航路線を張り巡らしています。 一方、LCCの最大の特徴は低料金です。

日本のメガ・キャリアは、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)の2社です。

ANAは持株会社であるANAホールディングスの完全子会社です。

ANAはANAグループの中核として航空運送を運営しています。

このようなANAの資本金、従業員数は次のとおりです。(2025年3月31日現在)

資本金は、250億円です。

従業員数は、13,636名です。

ANAホールディングスの2025年3月期の連結経営成績は次の通りです。

  • 資本金 4,676億01百万円
  • 連結従業員 44,019人
  • 売上高  2兆2,618億円
  • 営業利益  1,966億円
  • 経常利益  2,000億円
  • 当期純利益  1,530億円

事業別売上高は次の通りです

  • 航空事業  20,587億円
  • 航空関連事業 3,372億円
  • 旅行事業     735億円
  • 商社事業   1,299億円
  • その他      455億円
  • 調整額   △3,832億円

航空事業の売上内訳は次のようになっています。

  • 国際旅客 8,055億円
  • 国内旅客 7,039億円
  • 貨物郵便 2,179億円
  • その他  1,803億円
  • LCC  1,510億円

以下は数字で見るANAグループです。(2025年3月末現在)

*統合報告書2025、Fact Book2025

  • 運用航空機数 278機
  • 年間輸送人数(国際線+国内線)5,212.6千人
  • 就航空港数 95空港
  • 年間貨物輸送重量(国際線+国内線)98.1万トン
  • ANAの女性管理職比率 20.9%
  • 障害者雇用率 2.63%
  • 自己資本比率 31.2%
  • 12年連続 5スターエアライン(2024年)
  • 定時到着率(国際線+国内線)83.1%

面接では会社概要について、様々な質問をされるかも知れません。面接前に概要をしっかり知ることが大切です。

ANAの歩みを知る

日本の航空業界は、ANA/全日本空輸とJAL/日本航空の2強体制となっています。

JALは半官半民の会社としてスタートしましたが、ANAは純粋に民間会社としてのスタートです。

それでは、直近のANAグループのホームページから得た情報を掲載します。ぜひ知っておいてください。

1952年設立の日本ヘリコプター輸送株式会社と、極東航空株式会社が1958年に合併しANA/全日本空輸が設立されました。

設立後、ANAは国内線を運営していましたが、1986年、悲願の国際定期便の運航を開始しました。

さらに、1999年世界最大の航空連合「スターアライアンス」に加盟し、メンバー各社とコードシェアすることでネットワークを拡大し、2005年には国際線就航以来初の黒字化を達成しました。

そして2013年、首都圏空港容量の拡大や航空自由化のさらなる拡大、LCCの相次ぐ就航など航空業界の大きな転換点を迎える中で、これらの変化に対応すべく持株会社制に移行しANAホールディングスが発足しました。

2013~2016年には、エアラインスターランキングで「5スター」を連続して獲得しました。

2016年国際線就航30周年には、国際線における売上高、座席キロ、旅客キロが日本の航空会社で一番となりました。

2024年には、「ワールド・エアライン・スター・レイティング」において世界最高品質と認められ、2013年の初受賞から12年連続となる最高評価の「5スター」を受賞しました。

面接に臨む前に、ANAの歴史を知っておきましょう。

ANAグループの経営理念

ANAグループの経営理念とはどのようなものでしょうか。以下にANAの経営理念を載せます。

  • ANAグループの経営理念

    『安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します』

    「安心と信頼」はANAグループとお客様との約束であり、経営の根幹に位置づけられる私たちの責務です。

    エアライン事業を中核とするANAグループは、「挑戦し続ける」「強く生まれ変わる」「いつもお客様に寄り添う」気持ち、「心の翼」をもって、永続的にこれからの社会の発展に貢献し、「夢あふれる未来」創りの一翼を担っていきます。

  • グループ経営ビジョン

    ワクワクで満たされる世界を

    私たちは、空からはじまる多様なつながりを創り、社員・お客様・社会の可能性を広げていきます。

  • グループ行動指針

    私たちは「あんしん、あったか、あかるく元気!」に、次のように行動します。

    安全(Safety)

    安全こそ経営の基盤、守り続けます。

    お客様視点(Customer Orientation)

    常にお客様の視点に立って、最高の価値を生み出します。

    社会への責任(Social Responsibility)

    誠実かつ公正に、より良い社会に貢献します。

    チームスピリット(Team Spirit)

    多様性を活かし、真摯に議論し一致して行動します。

    努力と挑戦(Endeavor)

    グローバルな視野を持って、ひたむきに努力し枠を超えて挑戦します。

面接では、ANAグループの経営理念について質問されることがあるかも知れません。また志望動機をつくるときにも参考になります。

ANAグループの中期経営戦略

ANAホールディングスは、2023-2025年度ANAグループ中期経営戦略を策定しました。その概要について紹介します。

  1. 中期経営戦略の全体像
    • 成長回帰への足元を固め、経営ビジョンの実現に向けた変革の3年間と位置づけ。
    • 航空事業を中心に収益を拡大しつつ、ノンエア事業を強化し、航空とノンエア事業間における顧客の回遊を促進。コロナ前の利益水準、財務体質に復元する。
    • 2026年以降には本格的な成長軌道に回帰するフェーズとして捉え、コロナ前を上回る利益水準と強靭な財務基盤の構築を目指す。
    • 「安全」「人的資本」「DX」を経営基盤に、ESG経営を推進し、社会的・経済的価値の同時創造による持続的な企業価値向上を目指す。

    事業戦略の3本柱は、①マルチブランドの最適化と貨物事業の拡大によるエアライン事業の利益最大化、②事業分類に応じたリソース配分による航空非連動の収益ドメインの拡大、③グループの持続的成長に向けたANA経済圏の拡大

  2. 航空事業戦略

    マルチブランドの最適化と貨物事業の拡大による利益最大化

    • 航空事業ポートフォリオ:2023年度下期にAirJapan就航。3ブランドで世界の需要を幅広くカバー」
    • 国際旅客事業:中長期的な成長軌道に
    • 国内旅客事業:安定した事業基盤の構築
    • 国際貨物事業:コンビネーションキャリアの強みを発揮した収益最大化
    • フリート戦略:機材数を、2025年度にはほぼコロナ前水準とし、2030年度までにコロナ前以上へ
  3. ノンエア事業戦略

    事業分類に応じたリソース配分による航空非連動の収益ドメイン拡大

    • 2025年度に主要7社で売上高4,000億円、営業利益240億円
  4. ANA経済圏「マイルで生活できる世界」

    グループの持続的成長に向けたANA経済圏拡大

    • 2025年度に年間約400億円の効果を生み、約2,000億円規模の経済圏構築
  5. ESG経営の取り組み

    「環境」「人」・「地域創生」「ガバナンス体制」の強化による継続した価値創出

    ESG経営の重要課題に「人財」を追加

  6. グループ人財戦略

    強みである「人の力」と「組織の力」の最大化による企業価値向上と、社員や家族の豊かな人生実現

    人的資本への投資を強化し、グループ社員がイキイキと働き、個々の強みを発揮する「全員活躍」の経営

  7. DX戦略

    グループ横断でデジタルとデータ活用によりビジネス変革

    DX基盤の充実により、顧客への新たな価値提供と生産性向上

  8. 価値創造目標

    航空事業を中心に2025年度に、売上高23,200億円、営業利益2,000億円、当期純利益1,220億円

    財務基盤の改善を進め、2025年度には、有利子負債11,000億円、自己資本比率37%水準

    社員の賃金復元、成長投資、利益剰余金黒字化など財務基盤改善に取り組み、中期経営戦略期間に配当の再開

中期経営戦略は、面接で自己PRや志望動機を語るさいに必要な知識です。理解しておきましょう。

参考リンク集

0 件のコメント

お気軽にコメントください
新しいコメント
はい
いいえ
OK