【2026年】運送業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
運送業界に応募する人が就職や転職の面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、運送業界を取り巻く環境や仕事など、運送業界に応募する人が面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就職や転職の面接に役立ててください。
運送業界とはどのような業界なのか
- 運送業界とは、主にトラックを利用して荷主の荷物を運送する事業のことを指し、正式には貨物自動車運送事業と言います。
- 運送業界に属する企業は、全ての貨物を扱う日本通運などの総合物流系、一般家庭向け荷物を扱う日本郵便、ヤマト運輸や佐川急便などの宅配系、生産者から消費者をつなぐ山九や日立物流などのロジスティクス系に分けられます。
日本通運が売上高一位、以下日本郵便、ヤマトホールディングス、SGホールディングス、日立物流が売上高上位を占めます。
- 国内貨物輸送ではトラックがトンベースの全輸送量で91.4%と大多数を占めています。
トラック運送事業者の99%以上は中小企業が占めています。
トラック、鉄道、外航海運、航空、倉庫などの物流事業に占めるトラック運送事業の割合はトンキロベースで55.5%です。
運送業は典型的な労働集約事業であり、運送コストのうち37.3%が人件費となっています。
トラックドライバーのうち、40歳未満は24.9%、40歳以上50歳未満が25.4%、50歳以上が49.7%と高齢化が進んでいます。
*全日本トラック協会 日本のトラック輸送産業 現状と課題2023参照
面接を受けるにあたって、運送業界とはどのような業界なのか知っておきましょう。
運送業界を取り巻く環境と課題
- 2024年度の営業・自家用合計の自動車貨物輸送量(BtoB)は、建設関連貨物の荷動きが低調に推移したことから、前年度をやや下回りました。
宅配便取扱個数については、物価高を背景に個人消費の低迷が続く中でも、法人向け小口貨物の荷動きが堅調に推移したことにより、増加トレンドに転じています。
物流大手10社の2024年度業績は、堅調な荷動きとコスト転嫁による値上げ等により概ね増収でした。
企業の物流効率化ニーズの高まりを背景に、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)や総合物流を展開する企業が増益を確保した一方、実運送を主に手掛ける宅配・特積み企業では、慢性的なドライバー不足により人件費や外注費が上昇し、価格転嫁だけでこれを吸収できず減益となっており、事業者間で収益格差が拡大しています。
- 運送業界では、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年960時間という上限規制が適用されたことを受け、輸送能力の確保に向けた業界再編の動きが活発化しています。
2024年5月には、日本郵便グループとセイノーグループが長距離の幹線輸送における共同運行に向けた業務提携を発表しました。
また、物流大手のロジスティードは、人材の囲い込みと効率化を同時に実現するため、2024年5月にアルプス物流の買収を発表しています。
今後も、人手不足や物流コスト低減を目的に、業界・業種の垣根を超えた業務提携の動きが増加するとみられるほか、省人化・新技術の獲得を狙ったベンチャー投資も見込まれるなど、各社の生き残りを掛けた事業戦略に注目が集まっています。
- 2025年4月、政府は「改正物流関連二法」を施行しました。全ての物流事業者・荷主に対して、荷待ち・荷役等時間の短縮や積載効率の向上等に取組むべき措置について努力義務が課されたほか、一定規模以上の事業者には物流統括管理者の選任が義務付けられています。
こうした状況下、業界全体で、多重下請構造の是正や商慣行の見直しに向けた取組みが本格化し、持続的な成長の促進が期待されます。
- 一方、日本の少子高齢化による国内市場の将来の縮小を見据えて、大手各社は特に成長著しいアジア市場を中心に、海外市場への進出を図っています。
日本通運は、陸、海、空と多様な物流網を持ち、日本、米州、欧州、東アジア、南アジア・オセアニアの5極体制を敷いてグローバルビジネスを展開しています。
メコン川流域の大メコン圏関係国であるタイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、中国の5ヶ国で越境トラック輸送を開始しています。
ヤマトホールディングスは25の国と地域で事業を展開しており、米国、欧州、アジアでは台湾、上海、シンガポール、香港での宅急便ネットワークを広げています。
米国のテキストロン社との共同開発「空飛ぶトラック」は2025年の実用化を目指しています。
SG HDはシンガポールに海外事業の統括拠点を設置し、中国や台湾、東南アジアや南アジア、アメリカや中東、アフリカにも進出しています。
ベトナムにおける3温度帯(ドライ、冷蔵、冷凍)管理輸送の支援をしています。
面接では、運送業界を取り巻く環境と課題を知っておくことが大切です。
運送業界の仕事
運送業界特有の職種としては、「セールスドライバー・ドライバー」「法人営業」「物流・配送・在庫の各管理業務」「営業企画・開発」があります。
「セールスドライバー」は、担当エリアの顧客に対し宅配便集配・料金回収・営業の提案などの業務を行います。
「法人営業」は、会社などの法人を対象とした新規顧客の開拓や、既存顧客に対するサポート業務を行います。
また、顧客からの提案される要望などの聴取対応や苦情処理に関する窓口業務を行います。
「管理」は、顧客から受注した商品や貨物について、入荷から荷物保管、出荷までの業務をコントロールする業務です。
荷主側の要望に応じた配送手配・スケジュール調整・人員手配などを行います。
物流現場では、配車業務においてドライバーからの要望や苦情を受けることや、下請け会社や協力会社とのスケジュールの連絡調整を行います。
「営業企画・開発」は、最新の業界・顧客動向を踏まえて戦略を練り、関係部署と連携して新たな商品・サービスを開発する業務です。
以上の職種以外にも、情報システム、総務、経理、安全、品質管理、CSRなどのコーポレートの職種があります。
運送業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
運送業界各社に応募する人は、運送業界の基礎知識を身につけて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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運送業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。