【2025年】空調業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
空調業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、就職や転職の面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、空調業界を取り巻く環境や仕事など、空調業界に応募する人が就職や転職の面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
空調業界とはどのような業界なのか
空調業界とはどのような業界なのか説明します。
- 空調業界(=空調機器製造業界)とは、家庭用・業務用のエアコンやヒートポンプ給湯器、除湿器、空気調和機などを製造する業界です。
国内のエアコンは、普及率が90%を超え、2024年3月末には家庭用エアコンは普及率が92.5%、1世帯当たり2.88台と成熟市場となっています。(内閣府:消費動向調査 2024年3月)
業務・産業用空調システムも都市部の再開発やビルの建て替え需要が2019年にピークを迎えて、その後緩やかに市場は縮小することが見込まれています。
- 空調機器製造業界の主なビジネスモデルは、商品を作って小売や卸に販売するというやり方です。
販売経路は家庭用と業務用で異なります。
家庭用の場合は製造された空調機器が、メーカーの販売会社や商社などを通じて家電量販店など小売店へ流通します。
一方、業務用の空調機器は小売店で販売されず、建設会社やエンジニアリング会社経由で設備工事会社に販売されるケースがほとんどです。
空調業界のトップシェアはダイキン工業であり、世界シェアでみてもダイキン工業はナンバーワンとなっています。(2023年)
家庭用エアコンは、ダイキン、パナソニック、三菱電機、日立グローバルライフソリューションズ、富士通ゼネラルが大手です。
国内の業務用エアコンは、ダイキンを筆頭に三菱電機、日立グローバルライフソリューションズ、三菱重工業、東芝キヤリア、パナソニックが大手です。
面接で志望動機を語るさいに、空調業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
空調業界を取り巻く環境と課題
- 近年の空調業界の市場規模は2019年度まで増加傾向でしたが、新型コロナウイルスの影響もあり2020年度は減少しました。
2021年度は、米国や中国、欧州での世界的な住宅用空調の需要増や、後半からの経済活動再開の動き、コロナ対策としての換気関連商品の需要増加もあり、前年比で増加しました。業務用空調についても、特に北米、欧州、中国、中近東、アフリカ、オセアニアの需要増により前年比で増加しました。
2022年度は、コロナ禍が終息に向かい経済活動が再開するなか、総じて好調でした。国内市場では設備投資の動きから業務用が増加しましたが、住宅用は物価高による消費抑制や昨年の反動減などで需要は前年を下回りました。海外市場では米国や欧州など世界的な住宅用空調の需要増を背景に大幅に増加しました。
業務用空調は、前年に続き好調に推移しています。特に、北米、欧州、中近東、アフリカ、オセアニアで高い伸びが見られます。
- 2023年度の国内需要見込みは、家庭用エアコンが前年度比94.8%の867.2万台、業務用エアコンが同97.1%の80万台でした。
人流やインバウンド需要が増加しましたが、引き続き物価の高騰、エネルギー代高騰による消費活動の減速感、円安による影響などによる買い控えの傾向により前年度比マイナスとなりました。
2024年度は、家庭用エアコンが前年度比100.5%の871.8万台、業務用エアコンが同100.7%の80.5万台と前期並みとなる見通しです。
能登半島地震の混乱や、原材料費高止まり、改正労働基準法による時間外労働上限規制が4月に適用されることによる建設業、物流配送業の費用上昇などの課題もありますが、夏季における気温上昇を受けた需要、燃料費高騰による省エネ機器への更新増、カーボンニュートラルやZEB・ZEH など環境配慮需要増などの持ち直しの傾向があるものと推測しています。(日本冷凍空調工業会 冷凍空調機器の国内需要統計 2024年2月)
- コロナ禍以降、感染対策の一環として消費者から空調に「換気」や「給気」の機能を求める声が高まっています。空調メーカー各社はこれらに対応した販売を強化しています。
また、業務・産業用空調に関しては、5Gの普及、クリーンルーム・データセンター向け、医薬品メーカー需要、大型再開発など世界的には中長期的には高度成長することが予想されています。
- 海外市場での主導権をにぎるため競争が活発化
エアコンの国内市場は成熟市場となっていますが、海外に目を向けると空調市場は拡大傾向にあります。
欧州や北米では、地球温暖化によりエアコンの普及が進んでいます。中国やインドを中心としたアジアでも市場拡大の動きがあります。
日本の空調業界の各社は需要が拡大する海外市場での展開を目指し、海外空調メーカーの買収や提携を行うなど、海外市場での主導権をにぎるため競争が活発化しています。
- 「代替フロン」に代わる「次世代の冷媒物質の開発」が急務
エアコンで使用する「代替フロン」は、温室効果が高いため、2036年までに生産・消費量を85%削減する合意が「モントリオール議定書第28回締約国会議」で合意されました。
そのため、エネルギー効率と低温室効果を両立させる「次世代の冷媒物質の開発」が急務となっています。
- エアコンの省エネ性や快適性、効率などをより向上させる技術開発
エアコンのさらなる省エネルギーを実現することも大きな課題です。
経済産業省は2027年度に家庭用エアコンの省エネ性能目標を、2010年度基準比で最大3割余り高める方針です。
人工知能を使って、エアコンの運転効率を高める技術や機器の故障予知技術など、省エネ性や快適性、効率などをより向上させる技術が次世代エアコンには求められており、空調業界各社は、その開発にしのぎを削っています。
面接では、「空調業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
空調業界の仕事
空調業界特有の仕事には、研究・設計、生産技術、品質管理、物流、サービス、営業があります。
- 研究は、次世代システム・商品の提案、要素技術開発、基盤技術強化(ファン、熱交換器、冷媒制御、モータ、インバータ等)などを行います。
設計は、商品の開発、改良、改善を行います。コンセプト作成、中長期の商品戦略の立案、商品コンセプトを具現化する技術テーマの企画などです。
- 生産技術は、商品の製造技術や工程管理システムの開発を行い、また生産現場において、生産ラインの設計や、設備・治工具の設計改善を行っています。
- 品質管理は、商品の設計から、購買品・外注品に至るまで、緻密に品質評価を行い、製品安全を確保します。
- 物流は、製品の物流業務ならびに物流システム構築および、包装技術の開発研究などを行います。
- サービスエンジニアはメンテナンスや修理を行い、時には新たな技術提案、商品提案を行います。
- 営業は、販売パートナー(販売会社や商社等)とともに、様々な顧客に対して商品の提案・販売を行います。
これら以外にも、コーポレートスタッフとして、経理、調達、人事・総務、広報、法務、知財、情報システムなどの職種があります。
空調業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが、面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
空調業界各社に応募する人は、空調業界の基礎知識を身につけて、就職や転職の面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接に向けて、空調業界の知識を積極的に吸収しましょう。
加えて、面接対策(まさに、これこそが重要!!)を完全にしたい就活生や転職希望者のために、キャリア育みファームでは必勝マニュアルの販売を行っています。役に立つこと請け合いです。
マニュアルに沿って面接対策を進めることで、ライバルからグンと抜け出すことができます。詳細については以下のページをご覧ください。
空調業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。