【2026年】空調業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
空調業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、就職や転職の面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、空調業界を取り巻く環境や仕事など、空調業界に応募する人が就職や転職の面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
空調業界とはどのような業界なのか
空調業界とはどのような業界なのか説明します。
- 空調業界(=空調機器製造業界)とは、家庭用・業務用のエアコンやヒートポンプ給湯器、除湿器、空気調和機などを製造する業界です。
国内のエアコンは、普及率が90%を超え、2025年3月末には家庭用エアコンは普及率が91.7%、1世帯当たり2.84台と成熟市場となっています。(内閣府:消費動向調査 2025年3月)
業務用・産業用空調市場は、省エネ基準義務化やカーボンニュートラルへの関心の高まり、また近年増加する自然災害による需要増加を背景に、高効率機器の比率が上昇し、市場金額は増加傾向です。
業務用空調市場は、改正建築物省エネ法の施行による省エネ基準適合義務化や、データセンター需要の拡大、そしてカーボンニュートラルへの対応から、高効率機の販売比率が上昇し、2030年にかけて市場規模は増加傾向と予測されます。冷媒は低GWP(地球温暖化係数)のものへの切り替えが進み、高効率・省エネ化技術が市場を牽引する主な要因です。
- 空調機器製造業界の主なビジネスモデルは、商品を作って小売や卸に販売するというやり方です。
販売経路は家庭用と業務用で異なります。
家庭用の場合は製造された空調機器が、メーカーの販売会社や商社などを通じて家電量販店など小売店へ流通します。
一方、業務用の空調機器は小売店で販売されず、建設会社やエンジニアリング会社経由で設備工事会社に販売されるケースがほとんどです。
空調業界のトップシェアはダイキン工業であり、世界シェアでみてもダイキン工業はナンバーワンとなっています。
家庭用エアコンは、ダイキン、パナソニック、三菱電機、日立グローバルライフソリューションズ、富士通ゼネラルが大手です。
国内の業務用エアコンは、ダイキンを筆頭に三菱電機、日立グローバルライフソリューションズ、三菱重工業、東芝キヤリア、パナソニックが大手です。
面接で志望動機を語るさいに、空調業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
空調業界を取り巻く環境と課題
- 2024年の家庭用エアコンの国内出荷台数は前年比6.4%増の933.5万台と、4年ぶりに増加しました。業務用エアコンも同4.1%増の83.9万台と好調でした。
(日本冷凍空調工業会)
家庭用・業務用市場ともに多くの製品群で前年を超える出荷台数を見込むこととなりました。家庭用エアコンは夏季の記録的猛暑による効果と灯油価格高騰などで北海道・東北の寒冷地を中心に冬の需要も伸びました、業務用エアコンは好調な建設需要や設備投資回復による効果等がありました。
- 2025年の家庭用エアコンの国内出荷台数は前年比2.8%減の907.1万台、業務用エアコンも同0.8%減の83.3万台とやや減少する見込みです。
近年の温暖化加速による気温上昇、エネルギー費高騰や ZEB・ZEH 化加速による省エネ機器へのシフトといった追い風を受け、家庭用エアコンや業務用エアコンは 2025年並みの出荷台数が確保できるものと見込んでおります。
近年の家庭用エアコンの出荷台数は、コロナ禍の2020年の1,009.7万台をピークに横ばい状態が続いています。
業務用エアコンについても2019年の95.0万台をピークに横ばい状態が続いています。(日本冷凍空調工業会)
- コロナ禍以降、感染対策の一環として消費者から空調に「換気」や「給気」の機能を求める声が高まっています。空調メーカー各社はこれらに対応した販売を強化しています。
また、業務用空調に関しては、宅配やコールド物流に対応する倉庫業界、5Gの普及、クリーンルーム・データセンター向け、医薬品メーカー需要、大型再開発など世界的には中長期的には高度成長することが予想されています。
- 海外市場での主導権をにぎるため競争が活発化
エアコンの国内市場は成熟市場となっていますが、海外に目を向けると空調市場は拡大傾向にあります。
欧州や北米では、地球温暖化によりエアコンの普及が進んでいます。中国やインドを中心としたアジアでも市場拡大の動きがあります。
日本の空調業界の各社は需要が拡大する海外市場での展開を目指し、海外空調メーカーの買収や提携を行うなど、海外市場での主導権をにぎるため競争が活発化しています。
- 「代替フロン」に代わる「次世代の冷媒物質の開発」が急務
エアコンで使用する「代替フロン」は、温室効果が高いため、2036年までに生産・消費量を85%削減する合意が「モントリオール議定書第28回締約国会議」で合意されました。
そのため、エネルギー効率と低温室効果を両立させる「次世代の冷媒物質の開発」が急務となっています。
- エアコンの省エネ性や快適性、効率などをより向上させる技術開発
エアコンのさらなる省エネルギーを実現することも大きな課題です。
経済産業省は2027年度に家庭用エアコンの省エネ性能目標を、2010年度基準比で最大3割余り高める方針です。
人工知能を使って、エアコンの運転効率を高める技術や機器の故障予知技術など、省エネ性や快適性、効率などをより向上させる技術が次世代エアコンには求められており、空調業界各社は、その開発にしのぎを削っています。
面接では、「空調業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
空調業界の仕事
空調業界特有の仕事には、研究・設計、生産技術、品質管理、物流、サービス、営業があります。
- 研究は、次世代システム・商品の提案、要素技術開発、基盤技術強化(ファン、熱交換器、冷媒制御、モータ、インバータ等)などを行います。
設計は、商品の開発、改良、改善を行います。コンセプト作成、中長期の商品戦略の立案、商品コンセプトを具現化する技術テーマの企画などです。
- 生産技術は、商品の製造技術や工程管理システムの開発を行い、また生産現場において、生産ラインの設計や、設備・治工具の設計改善を行っています。
- 品質管理は、商品の設計から、購買品・外注品に至るまで、緻密に品質評価を行い、製品安全を確保します。
- 物流は、製品の物流業務ならびに物流システム構築および、包装技術の開発研究などを行います。
- サービスエンジニアはメンテナンスや修理を行い、時には新たな技術提案、商品提案を行います。
- 営業は、販売パートナー(販売会社や商社等)とともに、様々な顧客に対して商品の提案・販売を行います。
これら以外にも、コーポレートスタッフとして、経理、調達、人事・総務、広報、法務、知財、情報システムなどの職種があります。
空調業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが、面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
空調業界各社に応募する人は、空調業界の基礎知識を身につけて、就職や転職の面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接に向けて、空調業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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空調業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。