【2025年】石油業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
石油業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、就職や転職の面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、石油業界を取り巻く環境や仕事など、石油業界に応募する人が就職や転職の面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
石油業界とはどのような業界なのか
石油業界とはどのような業界なのか説明します。
- 石油業界とは、石油の資源開発や石油精製、販売に携わる業界を指します。
例えば、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングスは石油元売り、国際石油開発帝石、石油資源開発などは資源開発、三愛石油、富士興産などは販売と分けられます。
- 石油業界のなかで、石油元売り会社とは、石油の輸入、精製、販売を一貫して行っている会社です。
石油は他のエネルギーである電気やガスと異なり加工できる資源といえます。
石油元売り会社は、原油を購入→輸送・輸入→備蓄→精製→輸送→販売までの一連のプロセスを担当しています。
また、原油採掘や、石油から新たな材質を作り出す研究も行っています。
- 石油業界は、2010年6月の消防法改正により設置40年経過の地下タンクの改修が義務化され、その結果廃業するガソリンスタンドが増加しました。
それと共に1994年度のピーク時から人口減少、省エネ化、電力自由化などにより燃料油販売量の長期的減少傾向が続いています。
このため石油業界では、国内の長期的な需要減少を見込んで近年は大規模な再編が進んでいます。
2017年にJXエネルギーが東燃ゼネラル石油を吸収合併し、JXTGエネルギー(現ENEOS)となり、JXホールディングスはJXTGホールディングス(現ENEOSホールディングス)となりました。
2019年4月には、出光興産と昭和シェル石油が統合しています。これにより、国内石油元売り企業は、ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングスの3社体制に集約されました。
面接で志望動機を語るさいに、石油業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
石油業界を取り巻く環境と課題
- 近年の国内燃料油の販売量は、2012年をピークに2020年まで8年連続で減少しています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛の影響も大きいものと思われます。
2021年は前年比1.9%増の1億5,421万キロリットルと微増しましたが、2022年は前年比1.6%減の1億5,180万キロリットルと再び減少しました。(経済産業省)
2023年度の国内燃料油販売量は1億4,457万キロリットルでした。前年度対比で95.9%となり、2年連続で減少しました。(資源エネルギー庁 石油製品需給概要)コロナ禍影響の縮小と、物価上昇による買い控えが綱引きの状態です。
また、経済産業省の「石油製品需要見通し(燃料油)」(令和6年4月)によると2024年度は1億4,230万キロリットル、前年度比0.2%減を見通しています。2025年以降の見通しも2028年まで毎年1~2%の減少となっています。
一方、2023年の原油価格については、中東情勢緊迫化に伴う地政学リスクの影響などにより乱高下しましたが、今後は中国経済後退や米国・ブラジル等の非OPEC国増産により価格は緩やかに下落するとみられます。
ですが、原油・天然ガスともに、引き続き地政学リスクの高まりから価格が急騰する可能性もあります。
国内の石油需要は、世界的な脱炭素の流れも加わり長期的には減少傾向であり、先行きも不透明です。このため石油業界各社は将来を見据えて以下のような対策を進めています。
- 化石燃料から再生可能エネルギー・脱炭素燃料へのシフト
地球温暖化が問題となるなかで、CO2を排出する石油需要は将来的に減少することが予測されます。
石油や石炭といった化石燃料の代わりにCO2を排出しない(CO2排出が少ない)クリーンなエネルギーの開発も求められています。
これらの環境変化に対応すべく石油業界各社は、新たなエネルギー事業として再生可能エネルギーの強化を図っています。また水素・アンモニアなどの脱炭素燃料などは、他社との協業も視野に入れて進めています。
石油業界1位の売上高を誇るENEOSホールディングスは、全売上高のうち主力のエネルギー事業が約8割を占めますが、2021年5月に石炭権益を売却し、『再生可能エネルギー事業』を強化しています。
特に洋上風力発電に力を入れており、2022年から26年頃にかけて国内外の9か所で運用開始を予定しています。
同2位の出光興産は、石油に代わる新たな燃料としてアンモニア事業に注力しています。UAEからのアンモニア輸送の実証試験や、豪州でのアンモニア事業化を2024年に予定しています。
また、同3位のコスモエネルギーホールディングスでは洋上風力の本格進出を開始し、風力発電のリーディングカンパニーを目指しています。陸上風力も手掛けつつ、長期的には洋上風力を主力に事業を拡大していく予定です。
今後は、これまでの石油・石炭の化石燃料から、再生可能エネルギー・脱炭素燃料へのシフトが進むと見られ、石油業界各社は様々な試みを推進していくでしょう。
- SAF量産化に向けた取組みを加速
日本政府が、「2030年までに日本のエアラインによる燃料使用量の10%をSAF(再生可能または廃棄物を原料とする航空燃料)に置き換える」目標を設定したことを受け、各社はSAF量産化に向けた取組みを加速しています。
面接では、「石油業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
石油業界の仕事
石油業界特有の仕事には、技術系では研究開発、生産技術、インフラ開発、管理・保守など、事務系では営業、セールスエンジニア、調達・物流管理などがあります。
- 研究開発は、触媒、機能材、潤滑油、新素材、新エネルギー関する研究開発を行っています。
- 生産技術は、高品質の石油や石油化学製品を安全に生産し、安定的に供給するために、石油精製設備の稼働を技術面から支えます。
プロセス設計を行う「プロセスエンジニア」、プラント設備のメカニカル設計や新設プロジェクト管理を行う「メカニカルエンジニア」、プラント制御のシステム開発を担当する「システムエンジニア」です。
- インフラ開発は、石油施設の設計や建設および、油田の調査活動や採掘に携わります。
- 管理・保守は、稼働中の石油精製設備の保守・管理や点検、改善業務などに携わります。
- 営業は、リテール営業と法人営業があります。
リテール営業は、給油所を運営する特約店などに対するカウンセリング営業を行います。石油製品の卸営業や提案、販売促進の検討、店舗の経営アドバイスなどです。
法人営業は、交通機関、電力・ガス会社などのインフラ企業、大手メーカーなどに石油製品・石油化学品などを販売します。
- セールスエンジニアは、法人顧客に対して、技術的なバックグラウンドや専門知識を活かして、研究者との連携、顧客訪問、現地調査なども行いながら、潤滑油・機能材の販売を行います。
- 調達・物流管理は、原油調達から石油精製設備の状況、在庫や出荷状況など、製品やサービスが消費者の手に届くまでの一連のプロセス管理と最適化を行います。
これら以外にも、コーポレートスタッフとして、経理、人事・総務、広報、法務、知財、情報システムなどの職種があります。
石油業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが、面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
石油業界各社に応募する人は、石油業界の基礎知識を身につけて、就職や転職の面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接に向けて、石油業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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石油業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。