【2025年】広告業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
広告業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、就職や転職の面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、広告業界を取り巻く環境や仕事など、広告業界に応募する人が就職や転職の面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
広告業界とはどのような業界なのか
広告業界とはどのような業界なのでしょうか。
- 広告とは、広告主が、消費者の態度や行動に影響を与える目的で商品やサービス・アイデアを多くの人に伝えるものです。
新聞、放送、インターネットなどの広告媒体(アドバタイジング・メディア)を通じて有料で行う情報伝達活動を指します。
広告は、広告を掲載したい「広告主」、プランニングや制作発注などの仲介を行う「広告代理店」、広告を作成する「広告制作会社」、広告を掲載する「メディア媒体」の主に4つを経由して消費者に届いています。
以下、一般的に広告業界を指す「広告代理店」について紹介します。
- 日本の総広告費は、2008年のリーマンショックの金融危機を受けて2009年には前年比88.5%まで落ち込み、東日本大震災のあった2011年まで減少しました。
その後毎年緩やかに増加し、新型コロナウイルス感染拡大前年の2019年には、2008年を上回る6兆9,381億円となりました。(電通:日本の広告費 以下も同参照)
ですが、コロナ禍をきっかけに2020年は新型コロナの影響により各種イベントや広告販促キャンペーンの延期や中止もあり前年比88.8%と大きく落ち込みました。
2021年は、新型コロナ拡大の影響が下半期にかけて緩和したことや、社会のデジタル化が進む中、好調なインターネット広告費の成長もあり、二桁増となり、2022年は、インターネット広告費が3兆円を超え広告市場全体の成長を後押しした結果、過去最高の7兆1,021億円、前年比104.4%となりました。
2023年は、前年比103%の7兆3,167億円となり、1947年の推定開始以降、前年に続き過去最高を更新しました。
なかでもインターネット広告費は、社会のデジタル化を背景に堅調に伸長し、前年より2,418億円増加して3兆3330億円(前年比107.8%)と過去最高を更新し、日本の総広告費全体の45.5%を占めました。
- 広告代理店は、大きく3つの種類に分類されます。
- 総合広告代理店
1つのメディアにとらわれずテレビ、新聞、雑誌といったあらゆる媒体を取り扱っています。電通・博報堂・ADK・大広などが該当します。
- 専門広告代理店
テレビCM、インターネット広告など企業によって異なりますが、特定の広告媒体に特化している広告活動を行います。サイバーエージェント、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、オプト、セプテーニなどが該当します。
- ハウスエージェンシー
特定の企業の広告を制作する広告代理店です。JR東日本企画、東急エージェンシー、デルフィスなどが該当します。(東急エージェンシーは現在総合広告代理店です)
- 総合広告代理店
面接で志望動機を語るさいに、広告業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
広告業界を取り巻く環境と課題
ここでは、広告業界を取り巻く環境と課題について解説します。
- 広告媒体は、新聞・雑誌・ラジオ・テレビからデジタル媒体へ本格的に変わる
2023年はインターネット広告費が前年比107.8%増の3兆3,330億円となり、2019年に2兆円を超え、2022年には3兆円を超えても成長は続いています。マスコミ四媒体広告費は2兆3,161億円、 前年比96.6%であり、その差は開くばかりです。
*マスコミ4媒体:テレビ、ラジオ、新聞、雑誌
インターネット広告媒体費では、①運用型広告は2兆3,490億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は87.4%、②検索連動型広告は1兆729億円と、はじめて1兆円を突破する、③ビデオ(動画)広告は6,860億円、前年比115.9%となり、広告種別の中で最も高い成長率となる、といったことが2023年の特徴となっています。(電通:日本の広告費)
広告媒体は紙やラジオ・テレビからデジタルへの流れにより、広告会社はネット広告事業に力を入れています。大手広告主もテレビ広告からネット広告へとシフトが加速しており、この分野で競争が激しくなっています。
デジタル広告は以前のスマホ向けアプリやゲーム、ネット記事への出稿から、SNSなどのYouTubeやインスタグラムなどの普及に伴い、動画広告需要が急増、加えてデジタルサイネージ(デジタル看板)なども普及しています。
このため大手広告会社は、デジタル広告分野に不可欠な、消費者行動のデータ構築や分析のために、データマーケティング企業との業界再編や、業務提携を加速させることで、ネット広告を強化しようとしています。
2022年1月に電通はネット専業大手のセプテーニ・HDを買収し、これにより、電通のインターネット広告の取扱額はサイバーエージェントを上回り、国内首位になる見通しです。
博報堂DYホールディングスは2019年にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムを完全子会社化、同年インターネット広告大手のアドウェイズとの資本業務提携を発表しています。2022年4月には、デジタルHD傘下のソウルドアウトを買収しました。
オプトHDは、2020年にデジタルHDに社名を変更することを発表し、ネット広告運用で得たノウハウを生かし企業のDX支援を行う、新会社「デジタルシフト」、「オプトデジタル」の2社を設立しました。
既存の大手広告代理店の多くは、デジタル化への対応に遅れており、買収をすることでその穴埋めをしてきましたが、今後もこうした傾向は続くと見られ、業界全体の再編が一層進む可能性があります。
- 大手広告会社の海外進出
国内のマスコミ4媒体の広告が伸び悩むなかで、大手広告会社の海外進出が加速しています。
業界首位の電通は、海外企業の積極的なM&Aを実施し、世界約120の国と地域に進出しています。
電通の海外事業の売上総利益は国内を上回り、海外売上総利益率は60%(23年12月期)です。デジタル領域の成長が著しい東南アジア市場の強化や英国での事業拡大を進めます。
業界2位の博報堂DY HDは、マレーシアやインドネシア、インドなどのアジアを中心とした新興国地域での事業強化を図ります。
サイバーエージェントは、米国、中国、韓国、台湾、シンガポール、ベトナムに拠点を置き、インターネット事業のグローバル展開を進めています。アサツーディ・ケイは、米国や欧州、中国、その他アジアなどで展開しています。
国内の既存4媒体広告の減少や長期的な人口減少を背景に、大手広告各社は海外展開を今後も加速させていくと見られています。
面接では、「広告業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
広告業界の仕事
広告業界特有の仕事には、「営業」「マーケティングプランナー」「クリエイティブ」「データサイエンティスト・エンジニア」などがあります。
- 営業は、広告主に広告やプロモーションの企画を、他社との競合プレゼンテーションを行いながら提案し、受注する仕事です。
受注後は制作担当者やマーケティング担当者、媒体担当者など関係者と連携しながら、受注責任者としてスケジュール管理やコスト管理、品質管理を行います。
- マーケティングプランナーは、依頼された広告をどのように出すと効果的なのかを調査し、配信のタイミングや広告枠の組み合わせなどについて企画立案を行います。
- クリエイティブは、広告代理店の制作部門で広告物を作成するのが仕事です。
広告の文言を考えるコピーライター、構図や色彩、素材などを考えるデザイナー、CMの構成を考えるCMプランナーなど、広告制作に携わる職種です。
大手広告代理店では広告制作を外部の制作会社に依頼しているのが実態であり、そのため、制作部門では、広告全体やデザイン全体をコントロールする役割を担うクリエイティブディレクター、アートディレクターなどがいます。
- データサイエンティスト・エンジニアは、インターネット広告の比重が高まる中で、広告主の課題やニーズを解決するための調査設計、ビッグデータやインターネット広告の効果などを解析します。
これら以外にも、コーポレートスタッフとして、経理、人事・総務、広報、などの職種があります。
面接で志望動機を答えるときには、広告業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが重要です。
また、事前に十分把握していると、面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
広告業界各社に応募する人は、広告業界の基礎知識を身につけて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接に向けて、広告業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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