【2025年】繊維業界に応募する時の面接で役に立つ基礎知識
繊維業界に応募する人が面接を受けるにあたって、必ず知っておいたほうが良い基礎知識があります。
これらの知識を持っていないと、面接での受け答えに困ってしまうことがあります。
特に志望動機を答える面接では、これらの知識がないと入社への本気度が伝わりません。
ここでは、繊維業界を取り巻く環境や仕事など、繊維業界に応募する人が面接で役に立つ基礎知識を紹介します。
ぜひこの記事を読んで、あなたの就活や転職の面接に役立ててください。
繊維業界とはどのような業界なのか
- 繊維業界とは天然繊維や化学繊維を加工し、製糸、紡績糸、織物、ニット、網地、フェルト、染色、縫製など繊維製品の生産を行う業界です。
繊維業界は明治時代以降、海外から積極的に技術を導入して日本の近代化に大きく貢献していました。
国内には100年以上続く老舗メーカーなど、多数の企業が存在しています。
歴史が古いこともあり業界で働く人の平均年齢も他の業界に比べると高い傾向にあります。
- 近年は中国の繊維メーカーが伸びており、世界の繊維生産量の50%超のシェアを占めるまで成長しました。
また、中国や東南アジアから安価な繊維製品の輸入が増大したため、繊維と深いかかわりのあるアパレル業界の業績が低迷し、製品を生産する工場や事業所が減り、衣料向けメーカーの業績不振が目立つ状況が続いています。
- 化学繊維の販売量は、2013年から2019年まで2017年度の微増を除いて緩やかな減少傾向にあります。(経済産業省 生産動態統計)
2020年は、新型コロナウイルスの世界的な拡大に伴い、衣料向けだけでなく航空機や自動車などの産業用の需要においても大きな落ち込みを見せました。
2021年は増加に転じましたが、2022年は前年比0.8%減の59.2万トンでした。中長期的には減少傾向にあります。
面接で志望動機を語るさいに、繊維業界とはどのような業界なのかを知っておくことは大切です。
繊維業界を取り巻く環境と課題
- 2023年の繊維需要は、末端の衣料需要では回復が続きました。非衣料需要は、自動車生産が回復したことで自動車関連の繊維需要は明るさが見られましたが、インテリア、産業資材関連の需要は、住宅着工や公共工事受注などの落ち込みから全般的に鈍化しました。(日本化学繊維協会 内外の化繊工業の動向 2023)
衣料用では、2023年の百貨店の衣類販売は前年比10.1%増と2年連続で2桁増となりました。インバウンド需要などもあり、ファッション分野の衣料需要は回復傾向が顕著です。
家庭・インテリア用では、新規住宅着工件数の落ち込みからインテリア需要は下落しました。コロナ禍で需要が伸長したマスク、除菌シート等の家庭・生活資材用途の需要は一服し、おむつ関連需要は生産・輸出の落ち込みから減少となりました。
産業資材用について、自動車生産は2023年に入り増産傾向に転じ前年比14.8%増となり、自動車用繊維品需要は堅調に推移しました。建築受注については、減少に転じたことで、建築資材等関連の繊維需要は下落しました。
- 繊維業界は、国内の人口減少、少子化や中国・東南アジアの追い上げもあり従来の汎用製品分野では厳しい環境に置かれています。
ですから、繊維メーカーはこれらに対応するため事業戦略の転換を図ってきました。
大手企業は炭素繊維やアラミド繊維、高機能ポリエチレン繊維など価格競争力のある高付加価値製品へと生産をシフトしています。
また、樹脂や光学フィルム、電子関連、バイオ、医薬など繊維事業でのノウハウを生かせる非繊維事業へと、コア事業をシフトする企業も増えています。衣料向けでも、環境に配慮した植物由来の繊維開発が行われています。
一方、中小規模の企業について、今までにない機能や性質を持った繊維を開発するといった、特定の分野に注力した素材開発を行う企業もあります。
- 繊維メーカーの海外展開も加速しています。
日本の繊維技術やその品質は海外でも高い評価を受けています。
東レは、アジアを中心に29カ国・地域で事業を展開し、海外に194社のグループ企業を持っています。海外売上比率は60%を占めるほどになりました。駐在員数は約600人です。
帝人は、アジアを中心に20カ国以上で事業を展開し、海外に115社のグループ企業を持っています。海外売上比率は54%、海外従業員比率は57.0%を占めています。
東洋紡は、アジアを中心に16カ国・地域に29の拠点を持っています。
繊維業界はこれまでの衣料向けから産業向けに大きく舵を切っており、先端素材科学や産業資材事業といった産業分野や海外への展開が将来のカギを握りそうです。
面接では、「日本の繊維業界の課題は何だと思いますか」と質問されるかも知れません。
主要繊維メーカーの特色について
- 東レは繊維業界最大手で、国内唯一の総合繊維メーカーです。
有機合成化学・バイオテクノロジー・ナノテクノロジー・高分子化学という4つのコアテクノロジーを保有しています。
繊維に加えて、フィルム、ケミカル、樹脂、電子情報材料、炭素繊維複合材料、医薬・医療、水処理・環境といった様々な分野において多くの先端材料、高付加価値製品を製造・販売しています。
航空機向け炭素繊維とポリエステルフィルムの世界シェアが一番です。
水処理事業で、逆浸透膜・精密ろ過膜・ナノろ過膜・限外ろ過膜の4種類の分離膜を全て保有する世界で唯一の企業です。
- 帝人は業界2位の売上高であり、日本初のレーヨンメーカーとして創業しました。
マテリアル、ヘルスケアを2大領域とし、最先端のITを組み合わせ、2つの領域の融合を図りながら、持続可能な社会実現に向けて事業を展開しています。
社会や顧客が求める価値を創造・提供する「ソリューション提供型企業」へと進化しています。
「未来の社会を支える会社」を長期ビジョンとし、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つの重点領域に対して、ソリューションを提供しています。
- 東洋紡は、業界3位の売上高であり、140年の歴史を誇っています。
繊維素材以外にも、フィルム、自動車用資材、環境関連素材、バイオ・医薬など、多くの高機能製品を提供する、”高機能製品メーカー”へと発展しています。
中長期計画において、フィルム(高機能フィルム増産、新規高機能フィルム開発)、ライフサイエンス(バイオ、メディカル)、環境・機能材(樹脂・ケミカル、環境・ファイバー)の拡大・成長を目指しています。
面接で志望動機を語るさいは、各社の特色を知っておくことが大切です。
繊維業界の仕事
ここでは、繊維業界特有の職種と、その仕事内容を紹介します。
- 研究
製品に使われる新素材や部品の研究、実験、解析を行っており、製品の性能、安全評価など品質の向上について追及しています。
- 商品開発
繊維業界各社は競争力を高めるために自動車、医療、ITなど様々な分野へ進出しており、自動車メーカーや電機メーカーなどの顧客と連携を取りながら顧客の要望する商品を開発します。
- 生産技術、製造技術
高品質な製品を安定して製造するための職種です。
主に国内外の生産現場における繊維、複合材料、樹脂、重合設備といった製造設備の設計から開発、建設、現地立ち上げ、改善、維持、管理までを手がけます。
- 生産管理
生産工程の全体を把握し管理する役割を担っています。
生産ラインの状況を随時把握し、問題が発生したときの対応や、不良品の発生を抑えて効率的に生産する方法、納期と生産量を確実にするためのスケジュール立案を手がけます。
- 営業
商社やアパレル企業に対して営業、交渉、提案を行うことや、顧客のニーズを汲み取って研究や開発にフィードバックをします。
新開発した繊維素材をどのような市場で、何の繊維製品に使用して需要を生み出すかなどの市場調査も大切な仕事です。
- その他事務系職種として、経営企画、経理、人事、総務、調達、物流など幅広い職種があります。
繊維業界ではどのような仕事があるのか、仕事内容をしっかり理解していることが面接で志望動機を答えるときに重要です。
また、事前に十分把握していると面接で希望する仕事を訊かれたときに役に立ちます。
まとめ
繊維業界の各社に応募する人は、繊維業界の基礎知識を身につけて、面接での志望動機を語る際などに役立ててください。
また、面接官からの質問に答えるときにも、本記事で紹介したような知識が大切になります。
この他にも面接のために業界の知識を積極的に吸収しましょう。
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繊維業界各社の具体的な面接対策については以下の記事を参考にしてください。