【就活】面接官が評価する「ガクチカ」の正しい伝え方
ES・面接で落ちない学生時代に力を入れたことの作り方
就活において「ガクチカ」が軽視できない理由があります。
「学生時代に力を入れたこと」、いわゆる「ガクチカ」は、エントリーシート(ES)・一次面接・最終面接まで、ほぼ必ず問われる最重要質問です。
にもかかわらず、多くの就活生は次のように感じています。
- ガクチカに書けるほどの経験がない
- ありきたりなアルバイトやサークルしかない
- 面接官にどう評価されているのかわからない
しかし、採用の現場で断言できることがあります。
「すごい経験」よりも「正しい伝え方」が圧倒的に重要です。
本記事では、長年人事・面接官として就活生を見てきた立場から、
- ガクチカとは何か
- 面接官がガクチカで見ている本質
- 評価されるガクチカの構造
- ES用テンプレート
- 面接での回答例と深掘り対策
を体系的に解説します。
就活では、自己分析や企業研究した結果を基に履歴書やエントリーシートを作成し、一貫性をもたせて面接に繋げることを強く意識して臨んでください。
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ガクチカとは何か?|面接官の定義
ガクチカ=学生時代に「最も力を入れた経験」
ガクチカとは、単なる経験紹介ではありません。
学生時代に最も力を入れ、その過程で思考・行動・成長が表れた経験です。
企業がガクチカを聞く理由は、次のように明確です。
「社会人経験のない学生が、入社後にどう考え、どう行動し、成長できる人材かを判断するため」
つまり、ガクチカは未来を予測する材料なのです。
自己PRとガクチカの違いを正しく理解する
就活生が混乱しやすいのが、自己PRとガクチカの違いです。
- 自己PRとガクチカの違い
- 自己PR:「私はこういう強みを持っています」
- ガクチカ:「その強みは、学生時代のこんな経験で身につきました」
もう少しだけ噛み砕くと、
自己PRとは、今のあなたの“強みそのもの”を伝えるものです。
例:
私の強みは、周囲を巻き込みながら課題を解決する力です。
→「何ができる人なのか」を端的に伝えます。ガクチカとは、その強みが身についた“過程(エピソード)”を伝えるものです。
例:
その力は、アルバイトで売上改善に取り組んだ経験の中で身につきました。
→「なぜその強みを持つようになったのか」を説明します。企業は自己PRとガクチカを厳密に区別していません。
面接官が見ているのは、ただ一つです。
この人は、会社に入っても同じ考え方・行動ができそうか?
つまり、
- 強みがあるか
- その強みが「たまたま」ではないか
- 仕事でも再現できそうか
これを判断するために、自己PR(結論)とガクチカ(理由・証拠)の両方を聞いています。
イメージで覚えるなら
- 自己PR=答え
- ガクチカ=答えに至った説明書
この理解でOKです。
- 面接官がガクチカ・自己PRで共通して見るポイント
面接官は、次の4点をチェックしています。
- 思考の癖:物事をどう考える人か
問題が起きたとき
→「他人のせい」にする人か
→「自分にできること」を考える人か仕事では「考え方」がそのまま行動に出ます。
- 行動の選び方:どうやって動く人か
- とりあえず動く人か
- 目的を考えて動く人か
- 周りを巻き込める人か
仕事は正解がないので、行動の選び方が重要です。
- 困難への向き合い方:うまくいかない時にどうするか
- すぐ諦める
- 誰かに丸投げする
- 工夫して続ける
仕事は「大変なこと」が当たり前なので、ここをよく見ています。
- 成長意欲:経験から学べる人か
- 失敗して終わりの人
- 「次はこうしよう」と考えられる人
企業は「今できること」より「これから伸びるか」を重視します。
結論として、ガクチカも自己PRも、面接官が知りたいのは一つだけです。
その考え方・行動は、仕事でも使えそうか?
すごい結果は、なくてもOKであり、特別な経験は不要です。
考え方・動き方・学び方が伝われば、評価されます。
- 思考の癖:物事をどう考える人か
面接官がガクチカで必ずチェックしている5つの視点
面接官は、ガクチカを聞くとき次の5つを順番にチェックしています。
- 自分で「問題」に気づける人か?:言われる前に気づける人かどうか
- うまくいっていないことに「あれ?おかしいな」と気づいたか
- 誰かに言われてから動いたのか、自分で考えて動いたのか
仕事では、「指示待ち」より「自分で気づける人」が評価されます。
- 目的を考えて行動しているか?:「なんとなく」頑張っていないか
- なぜそれを頑張ったのか
- 何を目指して行動したのか
例:
NG:「とりあえず頑張った」
OK:「〇〇を良くしたいと思って行動した」仕事は「目的ありき」です。
- うまくいかない時に工夫できるか?:壁にぶつかった時の動き方
- 失敗したら諦めたか
- やり方を変えたか
- 誰かに相談したか
仕事は一発でうまくいきません。改善できる人かどうかを見ています。
- 一人ではなく、周りと動けるか?:チームで働けそうか
- 周囲の意見を聞いたか
- 協力をお願いしたか
- 誰かと一緒に成果を出したか
会社は「一人で頑張る場所」ではありません。
- 経験から学んで成長しているか?:やって終わりになっていないか
- 「次はこうしよう」と考えたか
- 自分の反省点に気づけたか
企業が一番見ているのは「これから伸びそうか」です。
この5つが入っていれば、題材がアルバイトでもサークルでも評価されます。
逆に言えば、成果だけを語るガクチカは評価されません。
結論として、面接官は、結果そのものを見ているわけではありません。
- どう考えたか
- どう動いたか
- 何を学んだか
この3つが伝わらない「結果だけのガクチカ」は評価されません。
気づく → 目的を持つ → 工夫する → 協力する → 学ぶ
ガクチカはこの流れでOKです。
「結果だけのガクチカ」が評価されない理由
就活生がよくやってしまうのが、「結果をアピールすれば評価される」と思ってしまうことです。
たとえば、
- 売上を〇%伸ばしました
- 大会で優勝しました
- 資格を取りました
どれも立派です。でも、それだけだと面接官は困ります。
面接官は、心の中でこう考えています。
「それ、うちの会社でもできるの?」
なぜなら、結果は環境や運に左右されるからです。
- 店舗が違えば売上は変わる
- メンバーが違えば大会結果も変わる
- 試験内容が変われば点数も変わる
つまり、結果はマネできません。
企業が本当に知りたいのは、「どう考えて、どう動いたのか」です。
たとえば、
- なぜその課題に気づいたのか
- 何が原因だと考えたのか
- どんな工夫をしたのか
- うまくいかなかった時にどうしたのか
この考え方と行動は、仕事でも使えます。
超シンプルに言うと
結果は、たまたまであり、考え方・行動は、その人の実力と見なします。
面接官は、「たまたま出た結果」ではなく「この人の実力」を見たいのです。
ガクチカでは、
NG:「こんな結果を出しました」
OK:「その結果を出すために、こう考えて、こう動きました」
この順番で話せばOKです。
ガクチカの題材は何を選ぶべきか?
- 評価される定番テーマ
ガクチカのテーマとして、よく使われるのが次の内容です。
- アルバイト
- サークル・部活動
- ゼミ・研究
- 学業
- ボランティア
これを見て、「ありきたりだからダメなのでは?」と思う人が多いですが、それは違います。大事なポイントは、「みんなと同じテーマ」だからダメではなく、「話の中身が浅い」とダメということです。
どういうことかというと…たとえばアルバイトでも、
- 評価されない例
「シフトに入り、忙しかったですが頑張りました。」
これでは、
- 何を考えたのか分からない
- 工夫が見えない
- 成長が伝わらない
ということです。
- 評価される例
「お店が忙しく回っていない原因を考え、スタッフ同士の役割を見直しました。」
こう答えると
- 考えている
- 工夫している
- 仕事につながりそう
と、評価されます。
- 覚えておいてほしいこと
テーマは何でもいいです。
大切なのは、
- どんな問題があったか
- それに対してどう考えたか
- どう行動を変えたか
この3つが入っていれば、アルバイトでも、サークルでも、学業でも立派なガクチカになります。
「何をしたか」より「どう考えて動いたか」が大事です。
- 避けた方がよい題材
ガクチカでは、次のような話は避けた方がいいです。
- 一人で完結している話
例:
- 筋トレを毎日続けた
- 本をたくさん読んだ
- 資格の勉強を一人で頑張った
会社は「一人で黙々と頑張る力」より、「人と一緒に働けるか」を知りたいからです。
- 頑張りが見えない日常の話
例:
- 授業に真面目に出ていました
- 遅刻せずに通学していました
それは「当たり前のこと」で、考えたこと・工夫したことが伝わらないからです。
- チームが一切出てこない話
例:
- すべて一人で決めて、一人でやりました
仕事は必ず誰かと一緒に進めるものだからです。
面接官は、ガクチカを聞きながら、「この人が、うちの会社で働く姿が想像できるか?」と考えています。
- 同僚と話せそうか
- 困ったとき相談できそうか
- 周りと協力できそうか
これが想像できない話は、評価されにくくなります。
- 一人で完結している話
面接官が評価するガクチカの黄金構成【5ステップ】
ガクチカは、必ず次の構成で伝えてください。
① 頑張ったテーマ
② なぜ頑張ったのか(動機)
③ 直面した困難
④ 困難に対する思考・行動
⑤ 結果と学び(成長)
この構成は、ES・面接・深掘り質問すべてに対応可能です。
【ES用】ガクチカ完全テンプレート
以下は、どの企業にも使えるES用ガクチカテンプレートです。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
- 私が学生時代に最も力を入れたことは、【テーマ】です。
- この活動に取り組んだ理由は、【目的・動機】でした。
- 活動を進める中で、【具体的な困難・課題】という問題に直面しました。
- そこで私は、現状を【どのように分析】し、【どのような工夫・行動】を行いました。具体的には、【行動の詳細】です。
- その結果、【成果】を得ることができました。
- この経験を通じて、【学んだこと・身についた力】を身につけました。
- この力は、貴社においても【どのように活かせるか】と考えています。
【面接回答例】アルバイトのガクチカ
質問:「学生時代に力を入れたことを教えてください」
回答例:
私が学生時代に力を入れたことは、飲食店でのアルバイトです。
特に、お客様満足度向上に取り組みました。
当初、常連客が減少しているという課題がありました。
原因を考えた結果、接客の質がスタッフごとにばらついている点に問題があると考えました。
そこで、社員の方に相談し、アルバイト同士で接客の良い事例を共有するミーティングを提案しました。また、自ら率先してお客様への声かけを行いました。
その結果、常連のお客様が増え、売上向上にも貢献できました。
この経験から、課題を自分事として捉え、周囲を巻き込みながら改善する力を身につけました。
【深掘り質問】への対応例
Q1. なぜ自分から動こうと思ったのですか?
A1.「自分の行動が店舗全体に影響すると考えたから」
Q2. 大変だった点は?
A2.「周囲を巻き込む際に協力を得るまで時間がかかった点」
Q3. 仕事でどう活かせますか?
A3.「課題を放置せず、主体的に改善提案する姿勢」
自己PRとガクチカの使い分け方
まず、これだけ覚えてください。
自己PR:「私はこんな強みを持っています」
ガクチカ:「その強みは、こんな経験で身につきました」
- 自己PRのポイント
- 強みを短くハッキリ伝える
- 結論重視
- 詳しい話はしない
- ガクチカのポイント
- どんな経験か
- 何を考えたか
- どう行動したか
つまり、「自己PR=答え」であり、「ガクチカ=答えにたどり着くまでの話」、ということです。
同じエピソードでも、
自己PR →「だから私はこういう人です」
ガクチカ →「こういう経験があったから、そうなりました」と話す目的が違います。
面接官目線で言うと、
自己PRで「どんな人か」を知り、ガクチカで「なぜそうなったか」を確認したい。だから、同じ話をそのまま繰り返すのはNGです。
同じエピソードを使う場合でも、切り口を変えることが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 本当にガクチカがありません
A1. 「ありません」、という人はいません。「当たり前」と思っている経験を深掘りしてください。
Q2. 失敗談でもいいですか?
A2. 問題ありません。失敗から何を学んだかが最重要です。
Q3. ESと面接で内容は変えるべき?
A3. 軸は同じで構いません。面接では具体性を増してください。
Q4. 面接で深掘りされたら?
A4. 思考と行動を具体的に説明できれば問題ありません。数字・工夫・周囲との関わりを準備しておきましょう。
まとめ|ガクチカは才能ではなく「設計力」
- ガクチカは結果ではなくプロセス
- 面接官は思考・行動・成長を見ている
- 特別な経験は不要
- 正しい構成で語れば誰でも評価される
ガクチカは、就活でしっかり対策すれば差がつく質問です。
ぜひ本記事を参考に、自分だけのガクチカを完成させてください。
最後に、キャリア育みファームでは、面接の必勝マニュアル「就活面接必勝法」を販売しています。
もちろん履歴書やエントリーシートの自己PRや志望動機などの作成にも役立つマニュアルとなっています。
会社側が採用の決め手として最も重視しているのは面接である‼
ということをご存知でしょうか。
面接対策には十分時間をかけることが大切です。具体的にどのように面接対策を進めていくのか、ほとんどの方は知りません。そんな方を支援したい一心で、必勝マニュアルを作成しております。
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