【転職】退職理由を聞かれるとき「一身上の都合」はダメ?

2024.09.18 更新
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退職届や履歴書に退職理由を記載するときや、面接で退職の理由を聞かれるとき、「一身上の都合」と答える人は多いようです。

退職理由をあいまいな表現である「一身上の都合」としてはダメでしょうか?

「一身上の都合」とはどのような意味で、どのようなケースで使うのでしょうか?

退職理由で、「一身上の都合」が使われる理由は何でしょうか?

退職理由を「一身上の都合」とする場合、詳しい理由を聞かれるときの答え方がわかりません。

その他、退職理由で「一身上の都合」がダメな場合を知りたいものです。

本ブログは、退職理由を聞かれるとき、「一身上の都合」はダメなのか解説します。

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目次
  1. 退職理由を「一身上の都合」としてはダメなのか
  2. 「一身上の都合」とはどのような意味なのか
  3. 「一身上の都合」を使うケース
  4. 退職理由で、「一身上の都合」が使われる理由
  5. 退職理由を「一身上の都合」とする場合、詳しい理由を聞かれるときの答え方
  6. 退職理由で「一身上の都合」がダメな場合
  7. まとめ

退職理由を「一身上の都合」としてはダメなのか

退職理由を「一身上の都合」とすることはダメではありません。

「本当の退職理由を言いたくない」「面倒なことに巻き込まれずに円満退職したい」という場合は、退職理由を「一身上の都合」としても問題ありません。

労働法上で使用者に退職理由を説明する義務はありません。

「一身上の都合」とはどのような意味なのか

退職理由で、「一身上の都合」は良く使われる言葉であり、面接では「一身上の都合」の詳しい理由を聞かれることがあります。

この「一身上の都合」とはどのような意味なのでしょうか?

「一身上の都合」とは、仕事とは関係のない、自分の身に起きた個人的な事情のことです。

「病気・ケガ」「転職」「結婚・出産」「引越し」など幅広い意味で使われます。

また、自分自身だけでなく、家庭内の事情(家族の病気や介護)といったさいに使うこともできます。

ビジネスシーンのみならず、日常生活においても使用でき、個人的な事情を詳細に言いたくない場合に使える言葉です。

「一身上の都合」の類義語には「自己都合」「私事」「諸般の事情により」などが挙げられますが、退職届や履歴書などで使う文書では通常「一身上の都合」を使います。

「一身上の都合」を使うケース

特に転職活動において「一身上の都合」を使うケースは、「退職届での退職理由」「履歴書の職歴での退職理由」「内定辞退の理由」の3つです。

  • 退職届での退職理由

    退職届には退職理由を記入しますが、自分の都合で会社を辞めるとき、具体的な退職理由を書く必要はありません。

    そのさいは、「一身上の都合により退職」と記載することが一般的です。

    ですが、上司や人事部門からは、具体的な退職の理由を聞かれますから、そのときは話せる範囲で本当の退職理由を伝えてもかまいません。

  • 履歴書の職歴での退職理由

    企業に応募するさいの履歴書・職務経歴書にある職歴において、前職を退職する理由として自己都合ならば「一身上の都合により退職」と記載します。

    特別の事情がない限りそのような表現として問題ありません。

    ですが、面接では具体的な退職理由を聞かれることは間違いありませんから、答えられるように準備することが必要となってきます。

  • 内定辞退の理由

    複数の企業から内定をもらったとき、応募先の内定を辞退することもあります。詳しい理由を伝えたくないときは内定のお礼と共に「一身上の都合により辞退する」とします。

    内定の辞退は応募先にも迷惑がかかる行為ですから、できるだけ早く伝えてください。

退職理由で、「一身上の都合」が使われる理由

ここでは、退職理由で、「一身上の都合」が使われる理由を説明します。

  • 自己都合退職ならば、全ての理由で「一身上の都合」が使える

    「一身上の都合」は、非常に便利な言葉であり、自己都合退職するときはどのような理由でも使えてしまいます。

    いわば常套句のような言葉であり、退職届を関係者が読んだ場合に特別な違和感のない言葉です。

    本人も本当の理由は書きにくくても、「一身上の都合により退職」ならばすんなりと記入できてしまう便利な言葉と言えます。

  • 退職によるトラブルを避ける

    退職の本音を書かずに「一身上の都合」とするならば、社内の関係者と無用なトラブルを避けることができます。

    「上司や同僚との人間関係」「人事評価の不満」「給与が低い」「社風が合わない」などの会社に対する不平不満を伝えても、関係者や会社とトラブルを起こすだけと考えて、「一身上の都合」と曖昧な表現とします。

  • 円満退職をする

    あえて本音の退職理由を伝えても、伝え方次第で本人自身が問題ありと捉えられてしまう恐れがあります。

    退職後も元の会社とどのようなつながりができるかわかりません。円満な関係を保つためには「一身上の都合により退職」としておくほうが無難であるとの見方もあります。

退職理由を「一身上の都合」とする場合、詳しい理由を聞かれるときの答え方

退職理由を「一身上の都合」とする場合、詳しい理由を聞かれることがあります。退職届を上司に提出するときや、転職活動の面接の場面です。

このときは、どのように答えたら正解なのか考えてみます。

  • 上司に退職理由の本音を伝える必要はない

    退職時には、上司から間違いなく「一身上の都合による退職」とは何か、退職理由の本当のところを聞かれることがありますが、本音をそのまま伝える必要はありません。

    例えば、「上司や同僚との人間関係」「人事評価の不満」「社風が合わない」などの不満であっても、上司にそのまま伝えるのではなく、「○○といった家庭の事情」として建前の退職理由を伝えるやり方があります。

    上司からも家庭の事情ならば、それ以上深く理由を聞かれることはありません。それならば仕方がないとあきらめてもらえるでしょう。

  • 転職の面接では、前向きな表現とする

    面接でも、「一身上の都合」とは何か、聞かれると思います。「一身上の都合」だけで押し通すのは良くありません。

    面接官も「一身上の都合による退職」の意味を良く理解していますから、詳しい内容を知りたいと思っています。

    そのさいは、本音の後ろ向きの言い方ではなく、前向きの言い方に変えて答えてください。

    元の会社の悪口を言うと、たとえそれが真実であっても面接官の印象は良くありません。

    例えば「上司や同僚との人間関係がうまくいかない」ではなく、「前職では個人単位での仕事が中心だったが、これからはチームワークで働く仕事をやりたい」といった表現です。

    「○○といったキャリアプランは前職では実現できそうもなく、御社で実現したい」のような明るく前向きの表現が好印象です。

    注意することとして、前向きな表現だけでは「本当なのか」疑われてしまう可能性が高いです。

    自分の反省点を正直に述べて、それから前向きな退職理由を伝えてください。

  • 「一身上の都合により退職」の内容をあらかじめ考えておく

    上司から、あるいは面接で退職理由を聞かれたとき慌てないように、退職理由をあらかじめ準備しておきましょう。

    退職理由は深掘りされる可能性が高いです。深掘りされたときにも難なく答えられるようにしっかり考えておいてください。

退職理由で「一身上の都合」がダメな場合

退職理由で「一身上の都合」を使うことがダメな場合があります。「一身上の都合」はあくまで自己都合による退職に限ります。それ以外の会社都合退職や契約期間満了による退職では使いません。

  1. 会社都合による退職

    会社都合退職とは、解雇や退職勧奨など労働者の責任によらない退職を指します。

    会社都合退職の主な退職理由は次の通りです。

    • 会社の倒産(破産・会社更生・民事再生・銀行取引停止処分など)
    • 経営難によるリストラ
    • 解雇(事業所の廃止・撤退による解雇、普通解雇)
    • 事業所の移転で通勤が困難
    • 派遣や有期雇用の雇い止め
    • 業績悪化による早期退職制度の応募

    ですが、経営状況が悪化したとか、倒産するかもしれないと、本人が判断して辞めたときは自己都合退職となり、「一身上の都合」となりますから注意してください。

    また、退職したさいは「自己都合」としても、後から「会社都合」に変更できることもあります。雇用契約書と仕事内容が大きく異なる、パワハラなどの理由、給与カットや未払い、慢性的に残業時間が長いとき、などです。

    これらの客観的証拠があれば、退職理由が「会社都合」として認められることもあります。

    退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、雇用保険の失業給付金の受給開始日や給付期間などが異なります。ハローワークに所定の書類を提出して判断してもらってください。

    なお、会社都合退職には、普通解雇(自分の成績不振が理由で解雇)も含まれます。履歴書に「会社都合により退職」と書くと、面接などで自己都合退職よりも退職理由を深掘りされますから準備が必要です。

  2. 契約期間満了による退職

    契約社員や派遣社員などが企業と有期雇用契約を結んでいるときに、契約を更新しない場合は契約期間満了日に退職となります。

    履歴書や職務経歴書などには退職理由として、「契約期間満了による退職」と記載します。

    一方で、契約期間満了前に退職する場合は、自己都合退職となります。

まとめ

退職理由を聞かれるとき、「一身上の都合」はダメなのか考えてみます。

退職理由を「一身上の都合」とすることはダメではありません。

「一身上の都合」とは、仕事とは関係のない、自分の身に起きた個人的な事情のことです。

特に転職活動において「一身上の都合」を使うケースは、「退職届での退職理由」「履歴書の職歴での退職理由」「内定辞退の理由」の3つです。

退職理由で、「一身上の都合」が使われる理由は、次の3つです。

  • 自己都合退職ならば、全ての理由で「一身上の都合」が使える
  • 退職によるトラブルを避ける
  • 円満退職をする

退職理由を「一身上の都合」とする場合、詳しい理由を聞かれることがあります。退職届を上司に提出するときや、転職活動の面接の場面です。

このときの正しい答え方は次の3つです。

  • 上司に退職理由の本音を伝える必要はない
  • 転職の面接では、前向きな表現とする
  • 「一身上の都合による退職」の内容をあらかじめ考えておく

退職理由で「一身上の都合」を使うことがダメなのは、会社都合退職や契約期間満了による退職です。

以上、退職理由を聞かれるとき、「一身上の都合」はダメなのか解説しました。

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