【就活・転職】年俸制でも残業代やボーナスはもらえる?
企業の募集要項に年俸制と記載してあるとき、残業代やボーナス(賞与)は支給されるかわからなくて応募に迷うことがあります。
年俸制とは何か、月給制との違いがよくわかりません。
年俸制で残業代や、ボーナスは支給されるでしょうか?
年俸制は、社員にとってどのようなメリットやデメリットがあるでしょうか?
年俸制の企業に入社する前に、気をつけたいことも知りたいものです。
本ブログは、年俸制でも残業代やボーナスはもらえるか、について解説します。
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年俸制とはどのようなしくみなのか
はじめに年俸制とはどのようなしくみか説明します。
- 年俸制とは、1年単位で支払う給与の総額を決定する給与形態のことです。この給与の総額を月々に分割して支給します。
(労働基準法第24条で、賃金はその全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならないとされています。)
年俸制には、後述するようにボーナスを含む場合と、含まない場合があります。
- 前年度の人事評価をもとに給与総額が決定される年俸制は、一般的には成果主義の人事制度とセットになって導入されています。
- 年俸の決定は、人事賃金制度によりルール化されている場合や、プロ野球のように会社が年俸額を提示して社員と交渉して決定する場合があります。
年俸は、人事評価次第で、上がったり下がったりすることがあります。
- これに対して月給制とは、毎月支給する給与が通常年1回の人事評価により変動しますが、給与額が下がることはほとんどありません。
- 年俸制と月給制の大きな違いは、給与額の決定が年単位か、月単位かということです。
年俸制で残業代は支給されるか
年俸制でも基本的には時間外労働手当(残業手当)は支給されます。
- 年俸制は給与の支給形態のひとつであって、労働時間の扱い方とは異なります。
労働基準法第37条により「労働者が法定労働時間を超えて働いたときや休日労働、深夜労働をしたときに割増賃金を払わねばならないとされていて、年俸制であっても第37条は適用されます。
ですから、みなし労働時間や裁量労働制が適用される場合を除くと、年俸制といえども時間外労働や休日出勤したときにはその分割増賃金が支給されます。
- みなし労働時間制は、営業職など事業所外労働のみなし労働時間が適用されている場合、あらかじめ月当たり〇〇時間分の時間外労働手当を支給するものです。
この時間外労働手当を年俸に含めた場合といえども○○時間を超えた時間は時間外労働手当を支給する必要があります。
- 裁量労働制は、研究開発や事業企画立案など、社員が能力を発揮して効率的にはたらき、その成果を正しく評価することを目的とした制度であり、賃金が「実際に働いた時間」ではなく、「あらかじめ決められたみなし時間」に応じて決定されます。
裁量労働制は、業務遂行の方法や時間配分を社員に委ねているため、時間外労働手当は支給されません。
ですが、休日出勤や深夜労働手当は支給対象となっていて、これは年俸制といえども変わりません。
次章では、年俸制とボーナスの関係について説明します。
年俸制でボーナスは支給されるか
年俸にはボーナスを含む場合と、含まない場合の2つのケースがありますが、年俸にボーナスを含める企業が多いです。
- 年俸にボーナスを含む
年俸にボーナスを含む場合は、年俸額にボーナス月数を織り込むかたちとなります。
例えば、ボーナス月数を4ヶ月とすると、年俸を16ヶ月で割った金額を1ヶ月の給与とし、余った4ヶ月を夏や冬に賞与として支給されます。
あるいは、ボーナス分を含めて年俸を12ヶ月で割った金額を1ヶ月の給与とするかたちもあります。このときは、1ヶ月の給与にボーナス分が入っているということになります。
- 年俸にボーナスを含んでいない
年俸を12ヶ月で割った金額を給与とし、別途業績・人事評価に応じてボーナスが夏や冬に支給されます。
募集要項で「年俸にボーナス(賞与)含む」と表記してあるときは、ボーナス(賞与)が年俸額に含まれていることを頭に入れて、入社後の正確な年収額がイメージできるようにしましょう。
社員にとっての年俸制のメリットやデメリット
ここでは、社員にとっての年俸制のメリット、デメリットについて説明します。
- 年俸制のメリット
- 当年の年間収入の見通しが立ちやすい
年俸にボーナスが含まれていれば、当年1年間の給与額があらかじめ決定しているために、当年の収入の見通しが立ち、家計の年間計画が立てやすいことです。
- 成果を上げることができれば大幅な年収増となる可能性
成果主義の年俸制では、人事評価に応じて翌年の年俸が決まるため、大幅な年収増加も見込むことができます。(ただし、年功序列型の年俸制では、そこまで増加は見込めません)
- 当年の年間収入の見通しが立ちやすい
- 年俸制のデメリット
- 翌年以降の年間収入の見通しが立ちにくい
成果主義とセットとなった年俸制は、年俸の減少もありえるために、翌年以降の年収が保証されていません。
- 成果を上げられないと大きく年収減となる
また、成果主義の年俸制では、成果が思うように上げられなければ翌年の大幅な年収減もありえます。(ただし、年功序列型の年俸制では、年収の減少はありません)
- 翌年以降の年間収入の見通しが立ちにくい
成果主義の年俸制なのか、年功序列的な年俸制なのかは、応募時に確認が必要です。
年俸制の企業に入社する前に気をつけたいこと
それでは、年俸制の企業に入社する前に、気をつけたいことを説明します。
- 残業代は、きちんと支払われるか
残業代は月給制、年俸制にかかわらず残業時間に応じて支払われなくてはなりません。
ですが、年俸の内訳に固定残業代が含まれていることもありますから、注意が必要です。
この場合は、「年間で含まれているみなし残業時間数」、「みなし残業時間数に応じた残業代」、「みなし残業時間を超えて労働したときの残業代の支給方法」について内定承諾前に雇用契約をチェックし、不明な点があれば採用担当者に確認しましょう。
- 年俸にボーナスが含まれているか、含まれていないか
上記のように年俸制では、ボーナスが含まれるものと、含まれないものがありますので、確認しておきましょう。
- 年俸の決定ルールを理解しておく
成果主義の年俸制は、次年度の年俸額を、人事評価をもとに人事賃金制度のルールや、会社と社員の話し合いで決めます。
人事評価制度の詳細や、人事評価の対象となるもの、達成度合いがどのように年俸に反映されるのかは確認しておく必要があるでしょう。
- 年俸制の対象者が退職する場合は、3ヶ月前に退職届の提出が必要となる
通常、正社員は民法627条第1項により、2週間前に退職の意思表示をすれば、辞めることができます。
民法627条第1項:
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。 この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」ですが、民法627条第3項によると、年俸制の対象者は、3ヶ月前に退職の意思表示をしなければ辞めることができません。
民法627条第3項:
「6箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、3ヶ月前にしなければならない。」年俸制だが、就業規則に退職予告義務が2週間前と定められている場合は、労働者保護の観点から、民法627条3項でいう3ヶ月ではなく、特約としての2週間前申し入れが法律に優先します。
一方、もし就業規則に何も書いていない場合や3ヶ月前と書いてあった場合には、前述の2週間前ではなく、3ヶ月前の申し入れが必要となります。
まとめ
就活や転職活動で企業の募集要項に年俸制と記載してあったとき、残業代やボーナス(賞与)は支給されるかについて考えてみます。
年俸制については、次のように説明することができます。
- 1年単位で支払う給与の総額を決定し、この給与の総額を月々に分割して支給します。
- 一般的には成果主義の人事制度とセットになって導入されています。
- 年俸の決定は、人事賃金制度によりルール化されている場合や、会社が年俸額を提示して社員と交渉して決定する場合があります。
みなし労働時間や裁量労働制が適用される場合を除くと、年俸制でも基本的には時間外労働手当(残業手当)は支給されます。
みなし労働時間制を適用して、時間外労働手当を年俸に含めた場合でも、みなし時間を超えた時間は時間外労働手当を支給されます。
裁量労働制は業務遂行の方法や時間配分を社員に委ねているため、時間外労働手当は支給されませんが、休日出勤や深夜労働手当は支給対象となっていて、年俸制といえども変わりません。
年俸制でボーナスの支給については、年俸にボーナスを含む場合と、含まない場合の2つのケースがありますが、年俸にボーナスを含める企業が多いです。
- 年俸にボーナスを含む場合は、年俸額にボーナス月数を織り込むかたちとなります。
- 年俸にボーナスを含んでいない場合は、年俸以外に別途業績・人事評価に応じてボーナスが夏や冬に支給されます。
年俸制の社員にとってのメリットは、次の通りです。
- 当年の年間収入の見通しが立ちやすい
- 成果を上げることができれば大幅な年収増となる可能性
年俸制の社員にとってのデメリットは、次の通りです。
- 翌年以降の年間収入の見通しが立ちにくい
- 成果を上げられないと大きく年収減となる
年俸制の企業に入社する前に、気をつけたいことは、次の3つです。
- 残業代は、きちんと支払われるか
- 年俸の決定ルールを理解しておく
- 年俸制の対象者が退職する場合は、3ヶ月前に退職届の提出が必要となる
以上、年俸制でも残業代やボーナスはもらえるか、について解説しました。
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