【25年転職】人事屋が教えるゲーム会社の転職対策

2024.10.16 更新
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※本ページはプロモーションが含まれています。

現在ゲームは、世界中の人たちに愛されるエンターテインメントとなっており、ゲームのカタチも様々ですが、そのようなゲームを制作する会社に転職を考える人が増えています。

ゲーム会社に転職を考える人は、既にゲーム業界で働いていながらも、キャリアアップを目指して大手ゲームメーカーなどに転職を考えている人や、未経験で転職を希望する人などさまざまです。

ですが、たとえ現在ゲーム会社で働いていても、いざ転職を決心したとき、どう進めたら良いのかわからないというのが実態だと思います。

そこで本ブログではまず、人事屋である筆者がゲーム業界の基礎知識から最新事情、ゲーム会社への転職事情を説明します。

続いてゲーム会社へ転職の応募をするさいの注意点や、求める人材を探ります。

さらにゲーム業界で転職を希望する人が外せないサービスについて説明したいと思います。

最後に、補足としてゲーム業界未経験者でも転職を成功させるためのアドバイスをします。

ゲームができるまでの工程、働く社員の職種といったゲーム会社の仕組みも解説しますので、ゲーム業界未経験者は参考にしてみてください。

本ブログは、ゲーム業界で働いているけれどキャリアアップを目指して他のゲーム会社に転職を考えている人や、未経験でもゲーム会社に転職を希望する人に向けた記事です。

目次
  1. ゲーム業界の基礎知識
  2. ゲーム業界の最新事情
  3. ゲーム会社への転職事情
  4. ゲーム会社へ転職の応募をするときの留意点
  5. 大手ゲーム会社の求める人材
  6. ゲーム業界の求める人材とはどのような人?
  7. ゲーム会社が新卒採用と中途採用に求める人材の違い
  8. ゲーム業界における転職で外せないサービス
  9. 補足1:ゲーム会社に転職を希望する未経験者へのアドバイス
  10. 補足2:ゲーム会社の仕組み
  11. まとめ

ゲーム業界の基礎知識

ここではゲーム業界とはどのような業界なのか、ポイントを説明します。ゲーム会社への転職を考える上で参考にしてください。

  • ゲーム業界は浮き沈みの激しい業界です。ゲームが大ヒットすればダウンロード数が数千万件、月の売り上げが数十億円に達することもあります。

    大ヒットを夢見てゲームクリエイターが日夜努力しているのですが、誰もがこのような大ヒットを生み出しているわけではありません。

    一握りのヒット作がゲーム業界の売り上げの多くを占めてしまうことが、ゲーム業界の特徴です。

  • ゲーム会社は開発するゲームの種類により、家庭用ゲームを制作するコンシューマー系、PC用のパッケージゲームやダウンロードゲームを制作するPC系、プラウザのソーシャルゲームを制作するSAP系、スマートフォンデバイスのネィティブゲームを制作するネィティブアプリ系などがあります。

    これら複数の制作を行っている会社もあります。

  • ゲーム会社は役割により、ディベロッパーとパブリッシャーに分かれます。

    ディベロッパーは開発担当、パブリッシャーは、販売促進を行う会社です。大手のゲーム会社はこれら両方の機能を持っていますが、中小ゲーム会社は分業が通常です。

  • ソニー、任天堂の2大メーカーを含め大手ゲーム会社は就職人気が高く、入社難易度は非常に高くなっています。
  • 大手ゲーム会社は、個人の職務範囲が狭く深くなるため、より高い専門性が求められます。

    一方、中小ゲーム会社は社員も少ないため、個人の職務範囲が広く浅くなります。

ゲーム業界の最新事情

  • 2023年の家庭用ゲーム市場規模は、ハードが2,674.9億円(前年比27.5%増)、ソフトが1,363.8億円(同17.4%減)で、計4,038.8億円(同7.8%増)となりました。

    ハードでは、Nintendo Switchが406.3万台で1位、プレイステーション5が258.7万台で2位でした。プレイステーション5は、品不足が解消したことを背景に、前年の2倍以上の売上台数でした。

    ソフトについては、「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が 193万本を販売してトップでした。2位の「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」、3位の「ピクミン4」とあわせて、TOP3を任天堂のタイトルが占める形となりました。(KADOKAWA 「ファミ通」)

    ソフト市場全体としては、200万本を超えるタイトルが3本あった前年のラインナップには及ばず前年から減少となりました。

  • 2023年のスマホゲーム業界は、業界全体が苦境に立たされました。

    「モンスターストライク(モンスト)」や「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のような老舗ゲームや一部の海外ゲームは依然として人気を博していますが、それらを除くと多くのゲームが期待された売上結果を得られませんでした。

    新規ゲームはプロモーションにも関わらず売上の伸び悩みが顕著で、セールスランキングの推移を見ても、苦戦をしています。いくつかのゲームは早期にサービス終了に追い込まれるなど、厳しい現実に直面しています。

  • ソニーのゲーム&ネットワークサービス分野の2024年3月期の売上高は、サードパーティ・ソフトウェアの増収や為替の影響により前年度比+17%の大幅増の4兆2,677億円でした。

    ソフトウェアでは、2024年2月発売のライブサービスゲーム「HELLDIVERS 2」が期待を大きく上回るヒットになっています。

    任天堂の2024年3月期の売上高は、前年度比+4.4%の1兆6,718億円でした。

    当期のミリオンセラータイトルは、自社・ソフトメーカーのものを含めて31となりました。

    2024年6月末時点の主要タイトル販売実績では、「マリオカート8 デラックス」6,290万本、「あつまれどうぶつの森」4,585万本、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」3,466万本などとなっています。

    その他、カプコンの2024年3月期決算は過去最高の増収増益で、「バイオハザード」「モンスターハンターワールド」シリーズは息の長いヒット作となっています。

  • 世界のゲームユーザー人口は、2023年には33億人以上に伸びる見込みであり、ゲームがエンターテインメントの主流として定着しています。(カプコン:2024年3月期 決算発表資料)

    そのため、ゲーム業界の人手不足はまだまだ続くことが予想され転職には有利な状況が続くでしょう。

ゲーム会社への転職事情

ここでは、ゲーム会社への転職事情を説明します。

  • ゲーム会社は、ソニーや任天堂など誰もが知っている大手のゲームメーカーから、中小のメーカーまでたくさんあります。

    もともとゲーム業界の歴史は浅く、アーケードゲームからコンシューマーゲームへ、さらにソーシャルゲームに変化を遂げる中で、次々とゲームメーカーが立ち上がりました。

    そのような事情もあり、ゲーム開発の経験者が絶対的に少ないため、新卒のみならず即戦力としての転職者をどこの会社でもあたりまえに中途採用しています。

    また、ゲームの流行りすたりが激しいため、ユーザーのニーズに応えるべく新しい技術が次々と導入されることもあり、人材の流動性は激しいものになっています。

  • ゲームメーカーは前職の仕事内容を評価し、実績を上げた経験者を採用することが一般的です。

    転職で求められるキャリアは、中途採用の募集内容に記載されています。

    経験者であれば、マネージメント経験や、プロジェクトの規模(どのぐらいの人数、期間、予算など)と、そこでどれくらいの裁量権を持って仕事をしたかということが転職の応募時に評価されます。

    また、有名ヒットタイトルに立ち上げ時から携わっていた経験や、業界内で前例のないような新しいことにチャレンジして実績を上げた人は高く評価されます。

    例えば、ソーシャルゲームを立ち上げ時からリリース後の運用に至るまで一貫して携わり、実績を数値として残した経験があれば面接でアピールできます。

    こうした経験を積むことによってキャリアの幅が出て、転職時に高評価されるでしょう。

    逆に、転職の応募時にアピールできる実績が十分にない場合は、タイミングをずらして実績を十分つくってから応募することも考えましょう。

  • 一方、ゲーム業界未経験者は、経験者とくらべて採用される確率は低くなっています。

    ですが、まったく採用されないわけではなく、慢性的な人手不足に悩まされている事情もありポテンシャルを認められれば採用されるでしょう。

    なので、転職の応募時にその職種に必要な基本的な知識やスキルがあれば、「入社して経験を積めば化けるかも知れない」と会社が考えて採用になる可能性もあります。

    未経験でも比較的転職しやすい職種としては、ゲームプランナー、グラフィックデザイナー、プログラマー、品質管理(デバッガー)があります。

    プログラマーは、他業界でもITエンジニアとして経験がある場合や、大学や専門学校などでのプログラミング経験者で、応募したい企業のプログラム言語を使いこなすことができれば採用される可能性があります。

    グラフィックデザイナーは、ポートフォリオの提出を求められますので、作品が認められれば採用のチャンスがあります。

    未経験で転職を希望する場合は、まずは専門学校でデザインを学ぶことや、アプリを開発すること、資格を取得することなどで知識やスキルを磨いてください。

ゲーム会社へ転職の応募をするときの留意点

ゲーム会社へ転職の応募をするときには、あらかじめ次のような点を押さえておいてください。

  • 応募先を選ぶ際には、給与水準も大きな要件ですが、自分がやりたいことを実践できる環境を提供している会社かどうかを見極めることが大切です。

    次のステップアップのための転職を考えるときのキャリアにも関わってくるため、どれだけ今後につながる経験を積めることができるかどうか、という考えを持つ必要があります。

    転職先の仕事内容を調べるには、その企業が提供するゲームの内容を良く理解すること、募集内容をよく読み理解すること、口コミサイトなどをチェックして社風や社員の本音を知ることも必要です。

    また、残業時間や有給休暇の取得実績などについても調べておくと良いでしょう。

  • 転職の面接では、事前に十分な自己分析や企業研究を行い、自己PRや志望動機をきちんと説明できるように準備してください。

    ゲーム会社といえども企業には違いありませんので、面接では、どこの企業に応募しても聞かれる自己PRや志望動機の答えを事前に用意することです。

    転職の面接では、前職での業務内容をわかりやすく説明するなかで自己PRしてください。

    また、なぜその会社を志望するのか面接官に説明できるようにしてください。

  • 同時応募は、2~3社程度にしてください。

    応募時の面接は、内定までに複数回行われます。

    なので、同時応募は2~3社までとしないと、面接日程が重複することもあり調整が大変です。

    さらに複数社応募していると、どうしても緊張感が緩んで面接で良い結果を得られません。

大手ゲーム会社の求める人材

大手ゲーム会社の求める人材とは、どのような人材でしょうか。各社のホームぺージから探ってみます。

  • 任天堂

    従来とは違うこと、他とは違うことにこそ価値がある」という「独創」の精神を大切にできる人

    覚悟をもって困難に向き合い、お客様の笑顔のために前向きに挑戦を続けていける人

  • バンダイナムコエンターテインメント  
    • エンターテインメントが好きな人
    • エンターテインメントが持つ力で世界中のファンに影響を与えたい人
    • どんなことでもワクワクを見出すことができる人
    • 本質的な価値を見出すことができる人
    • 何事にも興味を持ち受け入れることができる人
    • 周囲と協調し成し遂げることができる人
    • 最後まで諦めずにやり遂げることができる人
  • スクウェア・エニックス  

    プロフェッショナリズム、創造性・革新性、柔軟性・多様性

  • セガ

    セガグループのミッション「お客様の感動体験を創造し続ける」に共感し、新時代のエンタテインメントを追求する人

このような大手各社の求める人材を知っておくことは、転職に有効です。

ゲーム業界の求める人材とはどのような人?

それでは大手ゲーム会社の求める人材をもとに、ゲーム業界の求める人材を考えてみます。

ゲーム会社に転職を希望する人にとって求める人材を知ることは、とても大切なことです。

ゲーム業界の求める人材はこのような人です

  • ゲームが好きな人  

    ゲーム会社で働く人はどのような職種に就いていようと、ゲームが好きでなければ始まりません。

    仕事としてゲームを制作することは楽しい事ばかりではなく、時には苦しい大変なこともあるでしょうが、それを仕事として選択し、働き続けることはゲームが好きだからこそです。

    世界中の人たちが楽しめるゲームをつくりたいと思う気持ちで働いているのだと思います。

    また、ゲームクリエイターのさまざまな専門性のある職種では、担当する仕事が好きで熱意をもって働く人がたくさんいます。

    元々好きだから身に付けた専門性を発揮できることは、大きな励みになります。

    ゲームが好きな人は、ゲームに関連する知識や技術、スキルなどをどん欲に吸収するでしょうし、そのことが、その人の専門性をさらに高めていくことにつながります。

  • 柔軟な発想を持って、ゲームづくりにチャレンジできる人

    ゲームづくりは他社が考えつかない柔軟な発想が大切です。

    ある意味で作曲や小説づくりなどと同じで、芸術作品の創作ともいえるものです。

    柔軟な発想力は、持って生まれた素質もあるでしょうが、大学や専門学校での勉強で養える部分もあると思います。

    また、イメージしたゲーム素材を製品化するまで、粘り強く取り組むことができる行動力も必要な資質です。

    困難に突き当たってもそれを乗り越える力を身に付けてください。

  • チームワークができる人

    ゲームづくりは、毎日パソコン画面を操作するイメージがあります。

    もちろんそれもありますが、1つのゲームが完成するまでには、既に説明したように多くの関係者との連携があります。

    関係する人と報連相を密にし、意思の疎通を図っておかねばなりません。

    関係者と円滑な人間関係をつくりあげ、相手の意志の確認ができること、自分の意向を的確に伝えることでトラブルを防ぐことができます。

    時にはお互いの方向性が異なることもあるでしょうが、そのような場合にもお互いを尊重して最終的な解決に結びつけなくてはなりません。

    このようなチームワークを発揮するためには、人とコミュニケーションをはかる力を身に付けてください。

  • 日頃より情報のインプットに努めている好奇心旺盛な人

    ゲーム業界は日進月歩で進化しています。これまでになかった技術や発想により斬新なゲームがこれからも開発されることが予想されます。

    なので、日頃からアイデアのヒントとなる体験や、小説、映画などを鑑賞することで情報のインプットに努めることが求められます。

    好奇心旺盛な人は、何でもインプットします。たとえすぐに役に立つ情報でなくても、インプットした情報がゲームをつくる上で役に立つかもしれません。

    このように好奇心旺盛な人がゲーム会社で必要です。

ゲーム会社が新卒採用と中途採用に求める人材の違い

ゲーム会社に新卒採用と中途採用で応募する場合、求められるものが異なります。

転職の希望者はこの点について理解しておいてください。

新卒採用では、主にポテンシャルを重視します。将来会社に貢献できそうと思われる学生を採用します。

そのため、基礎学力をはじめ、積極性とか向上心などといった人柄をみて、求める人材かどうかを判断します。

一方、転職の希望者は即戦力かどうかを重視します。社会人としての基礎能力や、業務上の経験、スキルといったものを見て、求める人材かどうかを判断します。

ゲーム業界における転職で外せないサービス

転職市場においては、リクルートやマイナビ、パーソルキャリア、ビズリーチといった大手各社が様々な転職サービスを提供しています。

リクルートエージェントやマイナビエージェント、dodaといったサービスは非常に知名度があり、実際に利用した方も多いでしょう。

また、ゲーム業界における転職では、ITに強いという理由で、レバテックキャリアやワークポート、マイナビITエージェントといったサービスを利用する方も多いと思います。

しかしながらゲーム業界における転職では、ゲーム会社への転職に特化したサービスを利用すべきです。以下にその理由を挙げてみます。

  1. デザイナーやプログラマー、プロデューサー、ディレクター、プランナー、シナリオライター、サウンドクリエイターといったゲーム業界に特化した職種で仕事を絞り込むことができる。
  2. コンシューマー、アプリ、PCといった業界別に仕事を検索することができる。
  3. ゲーム業界との強いパイプを持っていて、一般的な転職サービスでは見つからない仕事を多数紹介してもらうことができる。

    特に人気タイトルを開発する案件など、応募が殺到してしまうので公開募集できない仕事を非公開案件として紹介してもらうことができます。

  4. ゲーム会社の製作現場を熟知したコンサルタントがつくので、自分にぴったりの仕事を紹介してもらうことができる。

以上は、ゲーム業界に特化しているからこそ提供できるサービスです。

もしゲーム会社への転職を希望するなら、ゲーム業界に特化したサービスを利用するのが有効でしょう。

特にここでは、ゲーム業界の転職における最大手のサービスを1つ紹介してみます。

興味がある方は以下のリンクから登録して、ゲーム業界に特化したサービスを体感してみてください。登録は1分ほどで完了します。

補足1:ゲーム会社に転職を希望する未経験者へのアドバイス

ここでは、ゲーム会社に転職を希望する未経験者へアドバイスします。

  1. ゲーム会社に応募するとき持っていると有利な資格はある?

    中途採用募集にあたって必須資格を提示している会社は多くありません。

    しかし、応募希望の職種によっては持っていると有利な資格があります。

    たとえば、独立行政法人情報処理推進機構の「基本情報技術者試験」という国家試験です。

    プログラミングなどの情報処理に関して基本的な知識を持っている証明になります。

    また、公益財団法人画像情報教育振興協会のCG-ARTS検定があります。

    CG制作技術や知識、ソフトウェアを効果的に使用できているかをみる「CGクリエイター検定」、CGソフトウェアなどの開発能力をみる「CGエンジニア検定」などがあり、取っておくと技術力の証明になります。

  2. 大学の専攻を活かす、専門学校で勉強する?   

    美術大学や音楽大学で勉強すると、その知識やスキルを活かしてグラフィックデザイナーやサウンドクリエイターへの道があります。

    さらに大学で情報処理や画像処理を学んだなら、プログラマーなどへの道があります。

    一方、専門学校においてゲーム業界のことを学び、就職や転職するというやり方もあります。現在、ゲーム専門学校も増えています。

  3. ゲーム業界で働く適性があるかわからないけれど、一度チャレンジしてみたい人はどうする?

    ゲーム会社に転職を考えているけれど、本当に自分は適性があるかわからない人もいるかと思います。

    そのような人は、専門学校で勉強するなかで適性を判断することもありですが、ゲーム会社でアルバイトをするというやり方もあります。

    デバッグをすることでゲームの不具合を見つける品質管理や、ユーザーからの意見などに対応するカスタマーサポート、語学力に自信があるならローカライズの翻訳チェックなど、いろいろなアルバイトを募集しています。

    アルバイトをすることで、ゲームクリエイターの仕事に接することや、ゲーム会社で働く雰囲気を体験でき、本当にゲーム会社が自分に向いているか判断できるかもしれません。

補足2:ゲーム会社の仕組み

ここではゲーム会社においてゲームができるまでの工程と、制作に携わる人の仕事内容について説明します。ゲーム会社に転職をしたときの仕事が理解できます。

ゲーム業界未経験者は読んでおくと役に立ちます。

  1. ゲームができるまでの工程

    1本のゲームはさまざまな職種の社員がそれぞれの役割を担い、1年~3年をかけて、制作していきます。数10人~100人以上のスタッフが関わります。

    ひとつひとつの工程では、高い専門性を求められます。

    それでは、どのようなステップで制作されているのでしょうか。

    ステップ1:作品の企画書作成

    最初は、プロデューサーやディレクターなどでゲームのカタチをまとめます。

    ステップ2:仕様書の作成

    プランナーがゲームの細かな遊び方や必要なビジュアル、サウンドなどの素材や作業の進め方を細かく詰めていきます。

    ステップ3:ゲームの作成

    • ゲーム素材の作成    

      ゲームの内容についてシナリオ、キャラクター、アイテム、マップといったデザイン画、サウンドなどをそれぞれのスタッフが担当して作成していきます。

      続いてデザイン画をもとに実際のゲームで使われる素材を作成しゲーム画面を作っていきます。

    • プログラムの作成   

      プログラム作成はゲーム開発期間の大半を占めます。

      素材の作成と同時並行的に、仕様書に沿ってゲームの根幹となるシステムから、キャラクターの細かな動作をコントロールするプログラムをプログラマーが作成します。

    ステップ4:α版の完成

    ゲームの性能や使い勝手を評価するためのテスト用ソフトウェアであるα版が完成したところで、品質管理担当がゲームの不具合をチェックするデバッグ作業が行われます。

    不具合は修正し、完成度を高めていきます。

    ステップ5:β版の完成

    β版は、正式版をリリースする前のα版より完成度を高めたバージョンのことで、ユーザーに試用してもらい使い勝手やデザイン、性能などの意見をくみ上げ、正式版につなげます。

    ステップ6:マスターアップ

    β版からさらに開発を進め、不具合を完全に取り払ったバージョンがマスターアップ版です。

    これを、ハードウェアをつくるメーカーに納品し製品を量産します。

    ステップ7:発売

    実店舗や通販、ネット上からソフトをダウンロード販売します。

  2. ゲーム会社で働く社員の職種と仕事内容

    ゲーム会社にはさまざまな職種の社員が働いています。ここでは、ゲーム会社特有の職種と仕事内容について説明していきます。

    ■ゲームクリエイター

    ゲームクリエイターは、文字通りゲームをつくる人です。その中でも様々な職種の関係者が連携してゲームを制作しています。

    それでは、ゲーム制作に関係する職種を説明します。

    • プロデューサー、ディレクター  

      プロデューサーは、コストコントロールや利益計画をまとめ、プロジェクト全体の責任者となります。

      また、ディレクターは、開発現場を統括する立場で、制作の指示を出します。

      実際の場面では、プロデューサー・ディレクターの役割がその人の持つ能力によって、制作現場に強いプロデューサーとか、プロデュースに優れたディレクターもいて、会社の事情により役割は変化します。

    • プランナー(ゲームデザイナー)

      ゲームプランナーは主に「企画立案」と「プロジェクト進行」、そして「集計・分析・改善」の作業に携わります。

      企画立案では、ゲームを構成する世界観や遊ぶためのシステム、画面の遷移、レイアウトなどあらゆる要素をまとめた、いわゆるゲームのルールを仕様書にまとめる役割を負います。

      制作工程でのプロジェクト進行、制作後のクオリティチェックや効果測定、改善提案など「集計・分析・改善」も担っています。

    • シナリオライター

      シナリオライターは、ゲームのストーリーをまとめます。

      シナリオの構成を考え、キャラクターのセリフをつくることも担当します。

    • グラフィックデザイナー  

      グラフィックデザイナーは、ディレクターの指示によりゲームに登場するキャラクターや背景など目に見えるものすべてをデザインします。

      グラフィックデザイナーの担当範囲は広く、ゲームに登場するあらゆる物体を描くモデリングスタッフや、物体に動きをつけるアニメーター、雨や火花などのエフェクト作成のスタッフなどが、ゲーム画面を作成します。

      また、レベルデザイナーは、ゲームステージの制作と演出を担当します。たとえばステージにブロックやキャラクターなどを配置して、マップを作り上げていく役割です。

      ゲーム内の大量の情報をわかりやくす伝えるUI(ユーザーインターフェイス)のデザインスタッフもいます。

      グラフィックデザイナーを目指す人は、ゲームが好きであることを前提とし、おおよそ①美術大学など学校で絵を経験しているがCGを知らない人、②絵はうまくないけれど、3DCGに精通している人の2通りあります。

      これらの人達はグラフィックデザイナーに挑戦できる素地があります。

      少し問題があるのは、ゲームはやらないけれど絵を描くことが好きな場合です。なぜなら、グラフィックデザイナーは、ユーザー目線を持っていないと困るからです。

      ゲームコンセプトとビジュアルの関連、ユーザーにとってのわかりやすさなどはゲームが好きでないと理解できないからです。

    • サウンドクリエイター  

      サウンドクリエイターは、作品や、ゲームシーンの雰囲気や意図を理解して、そのシーンにふさわしい音楽をつくります。

      サウンド制作チームを社内に持つゲーム会社は少なく、そのためサウンドクリエイターの募集は非常に少ないのが実態です。

      転職にあたり重視されるのがセンスの良い楽曲を作成できるかという、サウンド作成能力です。

      しかし、志望するゲーム会社のカラーに合うかということも重要です。志望する企業の代表作で遊んでみて曲の系統を把握することも必要です。

      その他、様々な効果音をつくる音響スタッフなどがゲームの音作りを担当しています。

    • プログラマー、スクリプター

      プログラマーは、仕様書に合わせてゲームの音やキャラクターが意図した通りに動くよう、C++やC言語などの開発言語を使ってプログラムを組みます。

      3D画像の作成などは数学や物理の知識が必要です。

      実際の場面ではライブラリが用意されているため直接プログラムすることはあまりありませんが、理屈を理解していることは大切です。

      プログラム言語はゲーム会社により異なるため、転職希望者はあらゆる言語を習得するのではなく、就職を考える会社が使用している言語を学ぶことが早道です。

      スクリプターは、スクリプトという言語を使用して、映像の切り替えやキャラクターの動きなど実際のゲームシーンの演出やゲームの仕組みを作成します。

    ■ゲームクリエイター以外の職種

    ゲーム会社には、ゲームクリエイター以外の職種の社員も働いており、とにかくゲーム会社に転職したい人はこれらの職種を選択する方法もあります。

    ここでは、ゲームクリエイター以外の職種を紹介します。

    • 品質管理(デバッグ)  

      ある程度の段階まで完成したゲームをチェックする仕事です。ゲームの動作や、進行に問題がないか調べます。

    • ローカライズ  

      ゲームで使用する言語を外国語に翻訳することや、各国の宗教や習慣に照らし合わせて問題がないかをチェックします。

    • 技術開発  

      大手のゲーム会社など、新たなゲームソフト開発に必要な技術を研究する部門のある会社もあります。

    • 営業  

      ゲームソフトの販売サイトや、実店舗に自社商品を取り扱ってもらうように営業活動を行います。

    • 宣伝  

      テレビ、ラジオ、雑誌などの他、インターネット上でゲームの魅力を発信します。

    • カスタマーサポート  

      メールなどでユーザーからの意見、要望、クレームなどを聞き取り、開発スタッフにつなげます。

    • 著作権管理・法務  

      ゲームの著作権を管理したり、開発中のゲームが、すでに存在する特許に抵触しないかチェックしたりします。

まとめ

  • ゲーム業界は浮き沈みの激しい業界であり、ひとたび大ヒット商品を生み出せば、ゲーム業界の売り上げの多くを占めてしまうこともあります。

    一口にゲーム会社と言っても、大手メーカーは個人の裁量範囲が狭く深くなるため高い専門性が求められます。一方、中小メーカーは社員も少ないため職務範囲が広く浅くなります。

  • ゲーム開発の経験者が絶対的に少ないため、新卒採用のみならず、即戦力としての転職の希望者をどこでもあたりまえに中途採用しています。

    一方、ゲーム業界未経験者は、応募職種の基本的な知識やスキルがあれば、入社して経験を積めば化けるかも知れないと会社が考えた場合採用されることもあります。

  • 応募先を選ぶ際には、給与水準も大きな要件ですが、自分がやりたいことを実践できる環境を提供している会社がどうかを見極めることが大切です。

    また、転職の面接では、事前に十分な自己分析や企業研究を行い、自己PRや志望動機をきちんと説明できるように準備してください。

  • ゲーム業界の求める人材は次のような人です。
    • ゲームが好きな人
    • 柔軟な発想を持って、ゲームづくりにチャレンジできる人
    • チームワークができる人
    • 日頃より情報のインプットに努めている好奇心旺盛な人

    また、大手のゲーム会社にはそれぞれ求める人材像が載っていますので、参考にしてください。

  • ゲーム業界における転職では、ゲーム業界に特化したサービスを使うことです。以下のサービスを利用してみてください。

以上、ゲーム会社への転職を考えている人は、ぜひとも参考にしてください。

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