【転職】なるほど、わかった!履歴書に書く配偶者の扶養義務
履歴書には、配偶者の扶養義務を記入する欄がありますが、有・無のどちらに〇を付けたら良いか悩む人は多いものです。
配偶者とは、扶養家族とは何か、がわかりません。
配偶者の扶養義務の「有」に該当するのはどのような場合でしょうか?
配偶者の扶養義務を記入する理由は何でしょうか?
履歴書に書く配偶者の扶養義務で気をつけたいことも知りたいものです。
本ブログは、履歴書に書く配偶者の扶養義務などについて解説します。
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配偶者とは何か
履歴書にある配偶者の扶養義務とは何かを考えるにあたり、配偶者とは誰のことを指すのかについて説明します。
配偶者とは、履歴書を書く本人と婚姻関係にある人のことで、一般的には夫や妻を指します。
配偶者は、所得税法と健康保険ではその範囲が異なります。
- 所得税法の配偶者は、民法上(戸籍上)の考え方が適用されます。そのため、事実婚や内縁関係は「配偶者」となりません。
- 健康保険の配偶者は、戸籍上の関係を問わず生活の実態を基にしているため、戸籍上の配偶者だけでなく事実婚や内縁関係など「婚姻届は提出していないものの、婚姻関係と同様の人」も含まれます。
履歴書の「配偶者の有・無」欄には、戸籍上の配偶者、及び事実婚や内縁関係でも事実上の婚姻関係が証明できる場合は「有」、独身や、事実婚・内線関係でも証明できるものがなかったりすれば「無」となります。
扶養家族とは何か
続いて、履歴書の配偶者の扶養義務とは何かを説明する前に、「扶養家族」の定義について明確にします。
「扶養」とは一般的に、親族から経済的援助を受けることをいいます。専業主婦(夫)やパート勤務で一定の所得以下の扶養を受けている配偶者、子供に対する親の支援などを指します。
このような扶養が必要な家族を「扶養家族」と呼びますが、所得税法では「扶養親族」、健康保険では「被扶養者」と呼び方が異なります。
所得税法と健康保険における「扶養家族」の範囲には違いがあります。
具体的には、所得税法の扶養親族は、「生計を一にする親族で、所得金額が一定以下の者」であるのに対し、健康保険法上の被扶養者は、「主として被保険者により生計を維持している者」であることです。
- 所得税法(住民税含む)の扶養親族
扶養親族とは、その年の12月31日時点で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
①配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や、市町村長から養護を委託された老人であること。
②納税者と生計を一にしていること。
③年間の合計所得金額が48万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
④青色申告者の事業専従者で給与を受けとっていないこと。または白色申告者の事業専従者でないこと。
*国税庁 ホームページ参照
このなかで配偶者が含まれないのは、所得控除額の計算をするときに「配偶者控除」と「扶養控除」が分けられているためです。扶養親族のうち、その年の12月31日現在で16歳以上の人が所得控除の「扶養控除」の対象となります。
- 健康保険法上の被扶養者
被扶養者に該当するのは、下記のどちらかの要件に当てはまる人です。
- 被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、兄弟姉妹で、主として被保険者に生計を維持されている人(必ずしも同居の必要なし)
- 被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の人(「同一の世帯」とは、同居して家計を共にしている状態をいう)
- 被保険者の三親等以内の親族(1に該当する人を除く)
- 被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
- 上記の配偶者が亡くなった後における父母および子
ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は除く
「生計を維持されている」というのは、被扶養者が被保険者と同一世帯の場合は、年間収入が130万円未満で、被保険者の年収の2分の1未満である場合をいいます。
被扶養者が被保険者と別世帯の場合は、被扶養者の年間収入が130万円未満で、被保険者からの仕送り額より少ない場合をいいます。
*全国健康保険協会 ホームページ参照
履歴書の「扶養家族」欄には、健康保険における被扶養者の人数を記載します。この場合は配偶者を除く人数を記載します。
配偶者の扶養義務の「有」に該当する場合
履歴書に書く配偶者の扶養義務の「有・無」は、健康保険法上の被扶養者である条件を適用します。
配偶者が健康保険の被扶養者の要件にあてはまるかどうかで判断して、あてはまれば扶養義務は「有」になります。
一方、配偶者が上記の所得税の扶養親族の要件②~④にあてはまれば、所得税の配偶者控除の対象になります。
配偶者の扶養義務を記入する理由
履歴書に配偶者の有無や扶養義務、扶養家族数を記入する理由は、所得税の計算や健康保険の手続きに配偶者や扶養家族の有無が必要だからです。
社宅や住宅手当、家族手当などの支給のために確認する企業もあります。
履歴書だけでなく、採用の場合は入社時に所得税算出のための「扶養控除等の申告書」や健康保険の「健康保険被扶養者(異動)届」の提出を求められますので、関係する家族の収入状況を把握しましょう。
このように履歴書で配偶者の扶養義務などを記入することは、所得税や健康保険、家族手当の支給など、入社後の事務手続きの上で確認が必要なためであり、記入内容が選考に影響を与えることはほとんどありません。
一方で、面接で家族状況を確認した場合に、転勤が困難である、勤務時間に制約があるなどの理由で選考に影響の可能性もあります。
ですが、配偶者の有無や扶養義務、扶養家族数に虚偽の記載をして後で発覚すると虚偽申告となり、トラブルとなりますから絶対に避けてください。
履歴書に書く配偶者の扶養義務で気をつけたいこと
上記以外にも履歴書に書く配偶者の扶養義務で気をつけたいことがあります。
- 配偶者が働いていない場合、働いている場合
配偶者が働いていない場合は、配偶者、配偶者の扶養義務はどちらも「有」です。
配偶者が働いている場合は、配偶者は「有」ですが、扶養義務は配偶者の収入によって変わります。
- 夫婦とも年間収入が130万以上であれば、配偶者は「有」で配偶者の扶養義務は「無」となります。
- 夫が被扶養者で妻の年間収入が130万未満なら、配偶者、配偶者の扶養義務はどちらも「有」です。
- 独身の場合
独身で配偶者や扶養家族がいなくても必ず記入します。扶養家族数は「0人」、配偶者「無」、配偶者の扶養義務「無」とします。
配偶者や扶養家族が空欄のまま履歴書を提出してしまうと、面接官からは記入漏れであると判断される可能性もありますので、空欄を作らずに提出してください。
一方、独身の場合でも同居や仕送りをしている親族がいて、生活費を負担して親族の生計を支えている場合は、扶養家族数に書くことができます。
まとめ
履歴書に書く配偶者の扶養義務などについて考えてみます
配偶者とは、履歴書を書く本人と婚姻関係にある人のことで、一般的には夫や妻を指しますが、所得税法と健康保険ではその範囲が異なります。
「扶養」とは一般的に、親族から経済的援助を受けることをいいます。扶養が必要な家族を「扶養家族」と呼びますが、所得税法では「扶養親族」、健康保険では「被扶養者」と呼び方が異なります。
所得税法と健康保険における「扶養家族」の範囲には違いがあります。
履歴書に書く配偶者の扶養義務の「有・無」は、健康保険法上の被扶養者である条件を適用します。
履歴書に配偶者の有無や扶養義務、扶養家族数を記入する理由は、所得税の計算や健康保険の手続きに必要だからです。
社宅や住宅手当、家族手当などの支給のために確認する企業もあります。
履歴書に書く配偶者の扶養義務で以下の気をつけたいことがあります。
- 配偶者が働いていない場合は、配偶者、配偶者の扶養義務はどちらも「有」です。
一方、働いている場合は、配偶者は「有」ですが、扶養義務は配偶者の収入によって変わります。
- 配偶者や扶養家族がいなくても必ず記入します。
以上、履歴書に書く配偶者の扶養義務や、扶養家族数の記入について解説しました。
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