【就活・転職】TOEICの履歴書への書き方とアピールは?
履歴書の記載でTOEICの書き方がわからなくて悩む人は多いようです。
そもそもTOEICとは何か、TOEICを企業は評価しているでしょうか?
履歴書の免許・資格欄でTOEICのスコアの書き方はどのようなものでしょうか?
TOEICで何点とれば履歴書で英語力をアピールできるでしょうか?
履歴書にTOEICを記入するさいに気をつけたいことはあるでしょうか?
TOEIC以外でも履歴書に書ける英語資格も知りたいものです。
本ブログは、TOEICの履歴書への書き方とアピールできる点数などについて解説します。
就活や転職活動では、自己分析や企業研究した結果を基に履歴書やエントリーシート(就活)、職務経歴書(転職)を作成し、一貫性をもたせて面接に繋げることを強く意識して臨んでください。
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TOEICとは何か
TOEICの履歴書への書き方を知る前に、TOEICとは何かについておさらいしておきましょう。
- TOEICは、「Test of English for International Communication」の略で、英語が母国語ではない人を対象にした英語のコミュニケーション能力を図るための世界中で実施されているテストです。
日本では、IIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)が年に13回実施しており、ビジネスの英語力を図るテストとしては最もポピュラーなものです。
- TOEICには数種類のテストがありますが、一般的に履歴書に記入するものは、「TOEIC Listening & Reading Test」のスコアです。
「英語を聞く能力」と「英語を読む能力」を10~990点の5点刻みの採点で評価します。
TOEICに対する企業の評価
少子高齢化による人口減少に伴い、国内市場の縮小化が進むことが予想されています。
そのため企業は、欧米の先進国だけにとどまらず、アジアを中心とした国々の発展を取り込むために一段と海外進出を進めています。
また、訪日外国人の増加によるインバウンド消費を目当てにした企業活動も活発化しています。
このような企業のグローバル化が進展していくなかで、社員の英語力向上を求める企業が増加しています。
このために社内での英会話研修を行って社員の英語力向上を図ると同時に、英語力の高い人材の採用を積極的に行っています。
例えば、資生堂は英語の公用語化を行っており、ソニーも英語力を重視しています。
楽天は英語を公用語化し、2015年にTOEIC平均スコア800点をクリアしました。
三井物産は、入社前までに、TOEIC800点を推奨しています。伊藤忠商事は、内定後に「TOEIC、SST(スピーキング)」他を自宅で通信教育や e-learningで学びます。三菱商事は内定期間中に英語力を自己研鑽する機会を設けています。
住友商事は、社内でTOEICを実施しており、さらにTOEICでは測れないSpeaking/Writingのアウトプット能力を測定するためのLinguaskill Businessテストも実施し、社員の能力開発を促しています。
ANAの客室乗務職の応募資格は「TOEIC600点程度またはGTEC260点程度以上の英語力」が望ましいとされてます。JALも客室乗務職の応募資格として「TOEIC600点以上、または同程度の英語力」が望ましいとしています。
これらの企業以外でもグローバルに事業を展開する会社は、社員の英語力向上と英語力の高い人材の採用を積極的に行っています。
就活や転職活動で英語力に自信がある人は、TOEICの履歴書への書き方を知って、積極的にアピールしましょう。
履歴書の免許・資格欄でTOEICのスコアの書き方
それでは、履歴書の免許・資格欄でTOEICのスコアの正しい書き方について説明します。
通常TOEICと言えば、「TOEIC Listening&Reading」を指します。
これには、個人で申し込んで受験する形式である「公開テスト」と学校や企業を対象とした「団体特別受験制度」による「IPテスト」の2種類があります。
「公開テスト」には公式認定証が発行されますからそれを参考にして記入します。「IPテスト」は、①過去に出題された設問が出る、②公式認定証は発行されず個人成績表が発行されるために、その結果を正式なスコアとして認めていない企業があります。
ですが、TOEICの公式サイトでは、「公開テスト」と「IPテスト」の出題形式やスコアの有効性に違いはないとしていますから、基本的には「IPテスト」の結果を履歴書に記入しても問題ありません。
履歴書のTOEICのスコアの書き方では、「公開テスト」と「IPテスト」がわかるような書き方をしてください。
ルールに沿った書き方によってTOEICのスコアをアピールしましょう。
履歴書の免許・資格欄でTOEICのスコアの書き方は以下を参照ください。
- 「TOEIC Listening&Reading」公開テスト
「年月」欄には、「受験年月」を記入します。「免許・資格」欄には「TOEIC Listening&Reading Test ○○○点取得」と書きます。
例:2024 10 TOEIC Listening&Reading Test 650点取得
- 「TOEIC Listening&Reading」IPテスト
「年月」欄には、「受験年月」を記入します。「免許・資格」欄には「TOEIC Listening&Reading Test IP ○○○点取得」とIPテストであることがわかるような書き方とします。
例:2024 10 TOEIC Listening&Reading Test IP 650点取得
TOEICで何点とれば履歴書で英語力をアピールできるか
TOEICの履歴書への書き方は上記の通りですが、それでは何点ならば履歴書で英語力をアピールできるのでしょうか。せっかく履歴書に記入したにもかかわらず評価されないのでは元も子もありません。
TOEICの点数で、履歴書に書いてアピールできる点数は、下記の通り600点以上といえます。これ以下の500点台では、記入してもマイナスにはなりませんが、評価も微妙と言えます。
- 600~695点:上場企業の一般社員に求める点数が600点以上であり、履歴書でアピールできるようになる。キャビンアテンダントやホテルスタッフの採用条件になることが多い点数。
- 700~795点:十分英語力をアピールできる。上場企業の7割で海外部門の業務遂行には700点以上が必要と答えている。
- 800~895点:英語力が強みと言える。外資も含め800点以上ならば選考で足切りはほぼない。海外赴任のさいは860点以上を課されることもある。
- 900点~990点:全受験者のなかで3~4%程度。ここまで高い点数を求める企業や職種はほぼない。
*神田外語学院「TOEICスコア帯別の特徴」参照
一方、TOEICを実施する国際ビジネスコミュニケーション協会公式の「PROFICIENCY SCALE」では、730点以上で「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と評価されています。
さらに860点以上で「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」と評価されています。
上記はあくまで点数と評価の目安です。ですが、応募者に求める点数は企業によってまちまちです。そのため、一概に「TOEICを何点取れば有利である」と断言することはできません。応募する企業がどれくらいの英語力を求めているか見極める必要があります。
TOEICのテストは3種類ある
TOEICには、「TOEIC Listening&Reading Test(TOEIC L&R)」以外にも「TOEIC Bridge Listening & Reading Tests(TOEIC Bridge)」と「TOEIC Speaking & Writing Tests(TOEIC S&W)」の2種類のテストがあります。
- 「TOEIC Bridge Listening & Reading Tests」
初級者から中級者向けのため、履歴書に記入しても評価されることはほとんどありません。
- 「TOEIC Speaking & Writing Tests」
ビジネスシーンや日常生活に関しての「英語を話す能力」と「英語を書く能力」の問題を解くことで、英語のコミュニケーション能力を評価するテストです。
スピーキング200点、ライティング200点の計400点満点です。それぞれが130点以上であれば、履歴書に記入した際に評価されるといわれています。
「TOEIC Speaking & Writing Tests」の履歴書への書き方は次の通りです。
「TOEIC Speaking & Writing 」の公開テストを受けた場合は、「年月」欄には、「受験年月」を記入します。そして、「免許・資格」欄に「TOEIC Speaking & Writing Tests」と記入した後に、トータルスコアを「〇/400点取得」の形で書きましょう。
加えて1行下にスピーキング、ライティングそれぞれのスコアを記載します。
例:2024 10 TOEIC Speaking & Writing Tests 280/400点取得
(Speaking 130/200点、Writing 150/200点)
履歴書にTOEICを記入するさいの書き方で気をつけたいこと
履歴書にTOEICを記入するさいの書き方で気をつけたいことがあります。
- 有効期限はないが、2年以内のスコアを書く
TOEICのスコアに有効期限はありません。ですが、①公式認定証の再発行期限が2年間とされていて、公式認定証の提出を求められたときに対応できない②企業は直近の英語力を知りたい、ことから2年以上前のスコアでも記入できますが、一般的には2年以内のものを記入します。
一方で、履歴書の提出期限までに再受験する時間的余裕がないときは、何も書かないよりは、2年以上前のTOEICでも書いておいた方が良いです。
- いつわりの記載をしない
採用選考で、できるだけ自分を良く見せたいために履歴書に嘘のスコアを書かないでください。
その理由として、①公式認定証の提出を求められる、②筆記試験や面接で英語力を見られる可能性がある、③入社後の業務TOEICスコアと英語力に乖離がある、といったことで嘘がばれる可能性があるからです。
履歴書には必ず本当のスコアを正直に書きましょう。
- TOEICのスコアがなくても英語力をアピールするには、履歴書の「自己PR欄」を利用する
TOEICは持っていないが、ビジネスレベルの英語力に自信があり、すでに英語を使って仕事をしているという場合は、自己PR欄でアピールできます。
英語力を身に付けた背景として「海外駐在を〇年経験している」「輸出業務で現地とやりとりをしていた」「英語でプレゼンテーションをしていた」など、具体的な使用経験を記載すると良いです。
TOEIC以外の履歴書に書ける英語資格
履歴書に書ける英語資格はTOEIC以外にもいくつかあります。
- TOEFL(トーフル)
TOEFLは、「Test of English as a Foreign Language」の略で、主にアメリカなどの英語圏の大学への留学や大学院での研究を希望する人を対象とした英語能力を測定するテストです。
テスト形式はiBTという、インターネットで問題が配信されコンピューター上で受験する方式で行い、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4部から構成されており0~120点のスコアで判定されます。
TOEFLはTOEICや英検よりも難易度が高い傾向にあり、外資系企業ではTOEICよりも評価されます。日本の企業だと70点以上ならばアピールできるでしょう。
TOEFLの履歴書の書き方は次の通りです。
例:2024 10 TOEFL iBT 80点取得
- 実用英語技能検定
通称英検ともいい、「ライティング」「リーディング」「リスニング」「スピーキング」の4項目を測定し、7段階(5級、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級)にわかれて合否と英検CSEスコアで試験結果がフィードバックされます。
履歴書に記入して就職に有利となるレベルは、高校生なら2級以上、大学生なら準1級以上です。
実用英語技能検定の書き方は次の通りです。
例:2024 10 実用英語技能検定試験 準1級合格
- Linguaskill Business
Linguaskill Businesは、ビジネスで求められる英語でのコミュニケーションスキルを測定するテストです。
「ライティング」「リーディング」「リスニング」「スピーキング」の4項目が、それぞれ5段階で評価され、上から2番目のB2以上ならば就職に有利となるでしょう。
Linguaskill Businessの履歴書の書き方は次の通りです。
例:2024 10 Linguaskill Business ライティングB1 リーディングB2
まとめ
TOEICの履歴書への書き方とアピールできる点数などについて考えてみます。
TOEICは、英語が母国語ではない人を対象にした英語のコミュニケーション能力を図るための世界中で実施されているテストです。
TOEICには数種類のテストがありますが、一般的に履歴書に記入するものは、「TOEIC Listening & Reading Test」のスコアです。
企業のグローバル化が進展していくなかで、社員の英語力向上を求める企業が増加しています。このために社内で英会話研修を行うと同時に、英語力の高い人材の採用を積極的に行っています。
TOEICの点数で、履歴書に書いてアピールできる点数は、600点以上といえますが、応募する企業がどれくらいの英語力を求めているか見極める必要があります。
TOEICには、「TOEIC Listening&Reading Test(TOEIC L&R)」以外にも2種類のテストがあり、そのうちTOEIC S&Wも履歴書でアピールすることができます。
履歴書にTOEICを記入するさいの書き方で気をつけたいことは次の3つです。
- 有効期限はないが、2年以内のスコアを書く
- いつわりの記載をしない
- TOEICのスコアがなくても英語力をアピールするには、履歴書の「自己PR欄」を利用する
履歴書に書ける英語資格はTOEIC以外にもTOEFL、実用英語技能検定、Linguaskill Businessなどがあります。
以上、TOEICの履歴書への書き方とアピールできる点数などについて解説しました。
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